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ゴールデン・グローブ賞 特集

ゴールデン・グローブ賞特集

 米国ロサンゼルスにて【第71回ゴールデン・グローブ賞】のノミネートが発表され、『それでも夜は明ける』、『アメリカン・ハッスル』がそれぞれ7部門で最多ノミネート、宮崎駿監督のアニメーション映画『風立ちぬ』が、外国語映画賞にノミネートされた。主題歌ノミネーション5曲を中心に、今年の注目作品を紹介したい。

ゴールデン・グローブ賞とは?

 映画・TV のジャンルにおいて受賞者を決定するアワード。アカデミー賞、エミー賞に先駆けて発表されるため、その年の賞レースの前哨戦としての注目度も高い。

選考委員はこんな人

 投票権のある「ハリウッド外国人映画記者協会」のメンバーは、ロサンゼルスに籍を置き、世界で活躍する約90名の会員で、映像業界の最新情報に精通している方ばかり。1943年に、情報伝達をスムーズに行えるようにと外国人ジャーナリストによって作られた組織が前身となっている。素晴らしい功績を残した映像業界の人々を賞賛し、世界中に報道することを使命と考え、1944年に映画のアワードを開始、1955年からはテレビの部を新設。「映画」と「テレビ」を広く取り扱い、授賞式の様子を生放送するという独自の賞が誕生した。

”パーティ・オブ・ザ・イヤー”

 授賞式は、ロサンゼルスのザ・ビバリー・ヒルトンにて開催される。会場に集まるのは受賞を狙うスター達。ドレスアップした彼らが一堂に会する華やかな雰囲気の中、お酒と食事を楽しみながら和やかに授賞式は進行する。賞の行方は勿論のこと、互いに労いの言葉を交わすスターたちの素顔や豪華な衣装なども注目されることから、”パーティ・オブ・ザ・イヤー”と称される。


本年度最多の7部門でノミネートされた注目の2作品

『それでも夜は明ける』

監督:スティーヴ・マックィーン
キャスト:キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ、ポール・ジアマッティ、ルピタ・ニョンゴ、ブラッド・ピット、アルフレ・ウッダード
2014年3月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座 他 全国ロードショー
公式HP:http://yo-akeru.gaga.ne.jp

写真

c 2013 Bass Films, LLC and Monarchy Enterprises S.a.r.l. in the rest of the World. All Rights Reserved.

 まずは、奴隷制度というアメリカの黒歴史をテーマにしながら、人間の深部に迫った衝撃作『それでも夜は明ける』。繊細な心情描写と重厚な演出で観る者を圧倒したスティーヴ・マックィーンが監督賞にノミネートされ、作品賞、楽曲、助演俳優などあらゆる部門において評価が高い。



『アメリカン・ハッスル』

監督:デヴィッド・O・ラッセル
キャスト:クリスチャン・ベイル、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、ジェレミー・レナー、ロバート・デ・ニーロ
2014年1月31日(金)よりTOHOシネマズみゆき座他ロードショー
公式HP:http://american-hustle.jp

写真

c 2013CTMG

 続く、『アメリカン・ハッスル』は天才詐欺師とFBI捜査官が手を組みオトリ捜査を行うという嘘のような実話を元にした作品。緻密な脚本が魅力で、脚本と監督を担当したデヴィッド・O・ラッセル他、クリスチャン・ベイル、ブラッドリー・クーパーといった個性派名俳優がコメディ部門での男優賞に名を連ねる。


4部門でノミネート2作品の行方は、男優VS女優

『キャプテン・フィリップス』

監督:ポール・グリーングラス
キャスト:トム・ハンクス、キャサリン・キーナー、バーカッド・アブディ、バーカッド・アブディラマン、ファイサル・アメッド
2013年11月29日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて
公式HP:http:/www.captainphillips.jp

写真

c 2013 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

 4部門でノミネートされたのは、日本でも既に上映中で大きな話題となっている『キャプテン・フィリップス』と『ゼロ・グラビティ』の大作。トム・ハンクスとサンドラ・ブロックという知名度抜群の主役が見せるザ・ハリウッドなスケール感が圧巻な2作品。


23年ぶり!外国語映画賞の行方は?

 日本からは、宮崎駿監督のアニメーション映画『風立ちぬ』が嬉しいノミネート。邦画が外国語映画賞にノミネートされるのは23年ぶりとなり、受賞に大きな期待が寄せられる。ちなみに、アニメーション作品賞は英語音声作品が対象であり、『風立ちぬ』は英語字幕版での申請だったため、外国語映画賞でのノミネートとなっている。

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主題歌部門にノミネートされた5作品

「ATLAS」 / コールドプレイ

『ハンガー・ゲーム2』より

ATLAS

 社会現象になった大ヒット作品の続編『ハンガー・ゲーム2』より、コールドプレイの書き下ろし「ATLAS」が納得のノミネート。バンド自身も約1年ぶりとなる新曲は、発売後爆発的なセールスを記録。原作シリーズの大ファンであるクリス・マーティンの思い入れも強く、映画の世界観を踏襲しギリシャ神話や宇宙をモチーフにしたリリックビデオが公開されている。

「Let It Go」 / イディナ・メンゼル

『アナと雪の女王』より

Let It Go

 続いて、ディズニーの創立90周年記念作品として発表された『アナと雪の女王』より、主題歌「Let It Go」がノミネート。アンデルセン原作の『雪の女王』から着想を得て作られた雪と氷の世界で運命に引き裂かれてしまう王家の美しい姉妹を描く長編アニメーション。ディズニー映画史上初となる“ふたりのプリンセス”が主人公である。日本語版主題歌は、MAY.Jが歌っている。

「Ordinary Love」 / U2

『MANDELA: LONG WALK TO FREEDOM』より

ORDINARY LOVE

 3作目は、南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラの半生を追った伝記『MANDELA: LONG WALK TO FREEDOM』より、「ORDINARY LOVE」がノミネート。マンデラと長年友人関係にあったU2が、初期に撮影された映像を参考に書き下ろした曲。アパルトヘイト政策と闘い、南アフリカに解放をもたらしたマンデラは、残念ながらつい先日95歳でなくなったばかりである。ボノも追悼のメッセージを発表している。

「PLEASE MR. KENNEDY」

『INSIDE LLEWYN DAVIS』より

PLEASE MR. KENNEDY

 続いて、1960年代のNYのフォークシーンをコーエン兄弟が描いた『INSIDE LLEWYN DAVIS』より「PLEASE MR. KENNEDY」。グリーンウィッチ・ビレッジで成功を夢見る若いシンガー・ソングライターの物語で、デイヴ・ヴァン・ロンクの自伝に着想を得て作られた。誰がデイヴ・ヴァン・ロンクをモデルにしているのかは定かにされてはいないが、作品内でオスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイクの3人が歌っている。

「Sweeter Than Fiction」 / テイラー・スウィフト

『ワン・チャンス』より

PLEASE MR. KENNEDY

 最後は、『ワン・チャンス』よりテイラー・スウィフトの「Sweeter Than Fiction」がノミネート。『ワン・チャンス』は人気オーディション番組「ブリテンズ・ガット・タレント」で初代優勝者となったオペラ歌手のポール・ポッツの物語を映画化したもの。挿入家である本作は、FUN.のギタリスト、ジャック・アントノフと共同で手がけていて明るくキャッチーなサウンドに仕上がっている。


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 詳しい日本語のノミネーション一覧は、今年も授賞式とレットカーペット・ショーの模様をハリウッドより生中継するAXNの特設サイト内で発表されている。なお、受賞発表は、1月13日の授賞式の当日に発表されます。

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