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武藤昭平(勝手にしやがれ)【BJMA2013 スペシャルパフォーマンス】インタビュー
12月14日にテレビ東京系列で放送される音楽アワード『Billboard JAPAN Music Awards 2013』。「50年前、世界を変えた歌。今、私たちが歌う未来」をテーマとしたスペシャルパフォーマンスに武藤昭平(勝手にしやがれ)の出演が決定!歌うのは、ルーファス・トーマスによる1963年のヒット曲「Walking The Dog(犬も歩けば)」。これを記念し、BJMA2013出演への意気込みはもちろん、日本全国で100本以上のライブを敢行したという2013年の活動について、そして先日他界したルー・リードへの思いなどを訊いた。
歌番組で松田聖子さんのあとにルースターズが出てきた、
あの時の衝撃を少しでも伝えられたら
――今回、武藤さんには選曲からご参加いただいたんですよね。
武藤昭平:1963年のビルボード年間チャートを見たときに、馴染みのアーティストがたくさん出て来るわりには、実は知ってる曲が少なかったんですよね。「あれ、この人のこの曲って63年じゃなかったの?」みたいな印象で。そのなかで「Walking The Dog」が目に留まって。
――「Walking The Dog」との出会いは?
武藤昭平:上京する前なんで、だいぶ前ですね。福岡でいろんな先輩がこの曲を演奏しているのを耳にしていて、なかでもルースターズがストーンズ・バージョンでカヴァーしていたのがすごく印象的だったんですよ。だから俺はストーンズ経由でルーファス・トーマスに行きついたんだけど。実は、数年前にルースターズの花田(裕之)さん生誕50周年イベントで「昭平、ドラム叩きながら何か一曲歌ってくれ。」って声をかけてもらった時、この「Walking The Dog」を、花田さんと一緒に演ったんですよ。
――テレビでこの曲を歌うことについては、どういう心境ですか?
武藤昭平:この曲は年間チャート73位ってことで、いわゆる“大ヒット曲”ではないけど、そうやって地元の先輩たちから受け継がれた大好きな曲をアワードで歌わせてもらえるっていうのは福岡の人間として本当に嬉しく思いますよ。今回はソロで呼ばれているから、バックを務めていただくバンドのみなさんとは「はじめまして」なわけだけど、それでも画面を通しても伝わるようなグルーヴと、この曲の良さをヴォーカリストとして表現したいですね。俺が小さい頃、アイドルばかりの歌番組で松田聖子さんが歌ったあとにルースターズが出てきた、あの時の衝撃。それと同じようなものを、少しでも伝えられたらなと。
――50年間たくさんの人に歌い継がれてきた曲を、今度は武藤さんが継承する番ですね。
武藤昭平:そうだね。リアルタイムでビートルズを体験した人たちが、俺らの先輩世代にビートルズを叩きこんで、それで俺らもそんな先輩たちからビートルズの音楽を教わって…俺は、ビートルズのアルバムのなかでも『フォー・セール』がすごく好きなんだけど、この間のポール・マッカートニー来日公演の一曲目が「エイト・デイズ・ア・ウィーク」(※同アルバム収録)だったでしょ。何十年経ってもポール自身がその曲を継承していて、本人の知らないところでも、その音楽は次世代へと継承されている。そういうのって素晴らしいよね。
――武藤さんは普段からよくカヴァー曲を演奏されていますが、その醍醐味とは。
武藤昭平:やっぱり一番は原点回帰が出来ることかな。オリジナル曲はもちろん大切だけど、その曲が持つ歴史は自分以降の歴史になるでしょ。それがカヴァー曲の場合は、自分とは違う次元に陶酔できる、あの人になりきれる、というのかな。若いころは特に自分を磨くためにカヴァーをやって、憧れの誰かになりきること自体がすごく楽しかったし、自分が大好きな曲だからすごく張り切ってしまったりとかね(笑)。今はキャリアを重ねて、オリジナルでもカヴァーでも特にテンションが変わることはないけど。
――でも、今でもライブ中の武藤さんにはエルヴィスが降臨しますよね(笑)。
武藤昭平:そうだね(笑)。そうやって、その人になりきる場合もあるけど、あとは純粋に音楽自慢したいっていう気持ちもありますよ。スティングの「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」を武藤ウエノではラテン風にカヴァーしてるんだけど。はじまりは、バルセロナのチェ・スダカっていうバンドのスペイン語リメイクがすごく格好良くて…でも俺はスペイン語は分からないから、歌詞は原曲の英語詞で、アレンジはチェ・スダカのラテンチックな感じで歌ってみようっていうことだったりしてね。そうやって、「この曲かっこいいでしょ!」って自慢するような気持ちで演奏ができるのもカヴァーの醍醐味かな。
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クオリティを求めた結果、ジャズまで辿り着いた - Next >
勝手にしやがれ ベスト シルバー&ゴールド~ゴールド 2004-2010
2012/06/20 RELEASE
ESCL-3921/2 ¥ 4,180(税込)
Disc01
- 01.フィラメント
- 02.円軌道の外
- 03.ブラック・マリヤ
- 04.ヴァニタス
- 05.哀しみのクラウン
- 06.U-K
- 07.ブコウスキーの夢
- 08.イズ・ユー・イズ・オア・イズ・ユー・エイント・マイ・ベイビー?
- 09.ハウリング・ウィンド (インスタント・セッション/武藤Vo.)
- 10.オーヴェール・ブルー
- 11.エル・ソル
- 12.ロミオ
- 13.黒い瞳
- 14.マ・ジョリー
- 15.ラスト・ダンス
- 16.ケーキーズのテーマ
- 17.ラグタイム
- 18.ゼン・サマー・ケイム
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