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videoolio vol.6: Al Jarreau ~注目のアーティストをビデオで紹介~
旬なアーティスト、注目のバンドなどをビデオを通じて紹介する【videoolio】。第6弾は、卓越したテクニックと伸びやかな歌声で7度のグラミーに輝くスーパー・ヴォーカリスト、アル・ジャロウ。ビルボードライブ東京の2014年の幕開けを務めるべく、来年1月に来日を果たす。60年代にジャズシンガーとして活動を始めてからこれまでに、その類まれな歌唱でジャズ/ポップ/R&Bの3部門でグラミー賞を獲得する偉業を達成。ジャンルを超越した稀代のシンガーのステージが迫る中、グラミー賞獲得した名曲をプレイバック。
『ベスト・ジャズ・ヴォーカル・パフォーマンス』とあるが、この当時はアルバムに対して贈られており、現在でいうところの『ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム』賞のこと。さて本作『Look to the Rainbow』はアル・ジャロウ3枚目のアルバムで、特に人気が高いのが、デイブ・ブルーベック・カルテットの「Take Five」のカバー。冒頭から人間離れしたスキャットが炸裂しています。
和名『風のメルヘン』。その名のごとく爽やかなイラストが印象的な4thアルバム。これまでのジャズ路線から少し外れ、ポップな仕上がりをみせたアルバム。「Thinkin' About It Too」はポップなサウンドで、アル・ジャロウのスキャットと相まってアルバムの冒頭を飾るにふさわしい軽快な曲になっている。さらに、「フットルース」でおなじみのケニー・ロギンスの「Wait A Little While」、ビートルズの「She's Leaving Home」、オーティス・レディングの「(Sittin' On) The Dock of the Bay」など幅広いジャンルからカバーしている。この作品から徐々にAOR路線に傾倒していく。
後述するアルバム『Breakin' Away』に収録されているデイブ・ブルーベックのカバー曲(和名「トルコ風ブルー・ロンド」)。エスニックさをまとった演奏と、アル・ジャロウのスキャットとエモーショナルな歌が融合した傑作。映像は2013年に行われたユネスコ主催のInternational Jazz Dayの模様。とにかくバンドメンバーが豪華!ハービー・ハンコックの紹介で登場したアル・ジャロウのバックにはマーカス・ミラー (bass)、リー・リトナー(guitar)、テリ・リン・キャリントン (drums)、そしてジョージ・デューク(piano)が圧巻のパフォーマンスを見せている。
「Blue Rondo a la Turk」がジャズ部門で受賞する一方で、この『Breakin' Away』はポップス、AOR色が強く出た、アル・ジャロウのアルバムの中でも高い人気を誇る傑作。ミュージシャンにはデイヴィッド・フォスター、スティーヴ・ガッド、ジョージ・デュークらが参加。スキャットはもちろん、彼の伸びやかな歌声をじっくりと味わえる。映像は「Roof Garden」。これもある意味傑作。
『Breakin' Away』での受賞から10年を経て、5度目のグラミー賞はなんとR&B部門。これにより、ジャズ、ポップ、R&Bの3部門にまたがってグラミー賞を獲得した、初めてのソロ・アーティストという輝かしい功績を残すこととなる。70年代の彼と比べると戸惑いを感じるファンもいるが、それぞれの曲は耳馴染みが良く聴きやすい。アルバムの最後にはマイルス・デイヴィスの「ブルー・イン・グリーン」を再構築。ジャズ・シンガーのアル・ジャロウを楽しめる。シンガーとしてのアル・ジャロウの懐の広さ、ポテンシャルの高さこそ、彼がヴォーカル・マスターとして崇められる所以と言える。
ジョージ・ベンソンアル・ジャロウの2大巨匠による、夢のコラボレーションとして話題となったアルバム『ギヴィン・イット・アップ』。参加ミュージシャンも、ハービー・ハンコック、パティー・オースティン、マーカス・ミラー、クリス・ボッティ、そしてポール・マッカートニーと、超がつくほど豪華なメンバーが揃っている。ジル・スコットをフィーチャリングし、ビリーホリディの代表曲「「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」のカバーで、久しぶりのグラミー賞獲得となった。
こちらも『ギヴィン・イット・アップ』からだが、もともとはアル・ジャロウが『Breakin' Away』の次にリリースしたアルバム『Jarreau』の1曲目に収録されているデヴィッド・フォスターのカバー曲。日曜日の朝に聴きたくなるような、メロウなナンバーで、オリジナルはグラミー賞こそ逃したものの、ファンの中ではかなり人気が高い。オリジナルでは軽快な歌を披露しているが、『ギヴィン・イット・アップ』に収録されたバージョンは、ヴォイス・パーカッションに徹している。
We are the worldにも出演
余談ではありますが、USA For Africa「We are the world」にもキッチリ参加してます。ウィリー・ネルソンの後、2:05あたりから登場します。ちなみにアル・ジャロウの後にグイっと出てくるエモい歌声の持ち主はブルース・スプリングスティーンです。
来日に向け本人からメッセージが到着!
『今度の公演では色んな曲を披露しようと思ってるよ。「Mornin'」や「Take Five」、ジャズ・スタンダードを1、2曲、あと2011年にリリースしてジャズ・チャートで1位になった「Double Face」もやるかもしれないな。(2012年にビルボードライブで共演した)ジョージ・デュークに捧げるスペシャルな曲も考えてるよ。彼は本当に才能のあるミュージシャンだったし、親友だった。いなくなってしまって寂しいよ。きっとみんな楽しんでもらえるライブになるから、是非ビルボードライブに観に来てね! -アル・ジャロウ』
アル・ジャロウ・アンド・ザ・メトロポール・オルケスト-ライヴ
2012/07/11 RELEASE
UCCO-1122 ¥ 2,724(税込)
Disc01
- 01.コールド・ダック
- 02.ジャカランダ・ブーゲンヴィリア
- 03.フレイム
- 04.おいしい水
- 05.サムシング・ザット・ユー・セッド(お前のしるし)
- 06.奏でる愛
- 07.アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト
- 08.ミッドナイト・サン
- 09.スコッチャ・ブーティ
- 10.アフター・オール
- 11.スペイン(アイ・キャン・リコール)
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