＜Part 2＞
岡本洋平（Hermann H.＆The Pacemakers）× 中村一義

――そもそも、このイベントの対バンオファーが「中村一義 meets Hermann H.＆The Pacemakers」結成のきっかけになった（※Part1参照）とのことですが、中村さんはなぜヘルマンと共演してみようと思ったんですか？

▲中村一義

中村一義：僕は自分のバンドを常に持っているわけじゃなくて、基本はソロでやってるから。100sってバンドをやってるけど、メンバーみんな売れすぎちゃってめったに会えないの（笑）。そんな時に洋平君から対バンの話をもらって、ヘルマンの音楽は前から大好きだったし、僕としては同期的なイメージもあったから。じゃあ、一緒にやらない？って。

岡本洋平：で、俺らはもちろん、ぜひやりましょう！！ってなって。バンド史上一番練習したと思う、中村楽曲（笑）。

――それで、今年の夏に「やついフェス」「コヤブソニック」とフェスで一緒にやってみて、お互いの印象は変わりましたか？

中村一義：いや、なにも変らないどころか、ずーっと一緒にやってきたみたいな感じだったね。

岡本洋平：直接会う前は、音楽のイメージからすごく繊細でとっつきにくい人なのかなって思ってたんだけど…実際に会ってみたら、もう本当に気さくで！この話が決まった時、「まずは飲みに行こう！」ってことになって新橋の居酒屋で初めて会ったんだけど、その夜は全員ベロベロになるまで飲んで、最後は店の外でみんなで抱き合ってたから（笑）。

中村一義：あと、店で飲んでたらアコギ持った流しが来たんだよね。

岡本洋平：ロン毛で色黒、ニットキャップ被った変なヤツね。そいつが俺らんとこに来て、「なんか一曲どうっすか？」って聞いてきて。

中村一義：おいおい誰に向かって言ってるんだよ、こっちはプロだぜ！って思いながらも、しれーっと歌本の中からリクエストしたんだよね。じゃ、「とんぼ」で！って。それで、みんなで肩組んで大合唱。

岡本洋平：俺らがものすごい大きな声で一緒に歌うもんだから、その流し、すっげー喜んじゃって！それで、最後にウルフが千円渡して、そいつ、喜び勇んで帰って行ったよね。

中村一義：会った初日がそれだから（笑）。

――初顔合わせで「とんぼ」大合唱（笑）。で、実際にステージで共演してみてオーディエンスの反応はどうでした？

▲岡本洋平

中村一義：すごく良かったよね。

岡本洋平：ヘルマンのテイストも生かしつつ“中村ワールド”をきちんと表現できるか、やる前は少し不安だったんだけど…俺らはどっちかというと乱暴なライブをするから、中村さんのファンの方にちゃんと満足してもらえるかな、とか考えたり。でも、実際ステージに立ったらいつも通り、思い切ってやるしかなくて。その結果いい反応がもらえたから、ホントよかったなって。

中村一義：一種の賭けみたいなもんだね、そういう意味では。

岡本洋平：そう。でも、ウマいヘタじゃなく思いっきり、心から演奏するっていうのが俺らのスタイルだから。普通に考えたら「お前、ジャマだろ！」ってヤツがステージに居るのも、俺らのスタイルなわけだし。

――ってことは、普通に考えたらジャマ（笑）な人も、共演だからといって特に“中村仕様”になるわけではなく？

岡本洋平：そう、いつもと一緒。いつも通りウルフ（笑）。

中村一義：別に自分たち的には違和感はなかったよね。最初に洋平君に声を掛けてもらった時、チッタまでずいぶん時間があったし「じゃあ、チッタを目指して一緒にバンドやろうぜ！」みたいなノリで始めて、その過程にフェス出演の話があったから共演したっていう。そういえば、最初に会った居酒屋でそういう話をしたんだよね。はじめの30分で（笑）。

岡本洋平：あとはずっとバカ話だったけどね。なんかもう、よく覚えてないけど（笑）。

中村一義：昔から知り合いだったわけではないけど、やっぱり同じ時代を見て来たから、ちょっとした思い出話も共有できるんだよね。

岡本洋平：そう、中村さんのほうが少し年上ではあるけど、ほぼ同じ。でも、なんといっても俺は中村さんに対しては、すっごい悔しい思いがあって！

中村一義：洋ちゃん、またその話するの！？（笑）