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『ダンス・ドント・ラン!緊急決起集会』1:岡本洋平(HHPMS)×柴田隆浩(忘れらんねえよ)
2013年11月29日、Hermann H.&The Pacemakers主催イベント 【ダンス・ドント・ラン!presented by Hermann H.&The Pacemakers】がクラブチッタ川崎で行われる。出演者はヘルマンのほか、OL Killer、中村一義、忘れらんねえよの計4組。
これに先駆け11月某日、ヘルマンの岡本洋平(Vo.G)が、忘れらんねえよ 柴田隆浩(Vo.G)と中村一義を招集、 “ダンス・ドント・ラン!緊急決起集会”を行った。イベント開催にいたるまでの裏話や意気込みはもちろん、激アツ音楽談義から青春時代のほろ苦い失恋エピソード(笑)、そして謎のベールに包まれた、もう1組の出演者『OL Killer』についてなど…アーティスト同士だからこそ飛び出した、史上最高?!の悪ノリトークをビルボードジャパンが独占キャッチ。この模様を3回にわたってお届けします。
Part 1. 岡本洋平(Hermann H.&The Pacemakers)×柴田隆浩(忘れらんねえよ)
Part 2. 岡本洋平(Hermann H.&The Pacemakers)×中村一義 ※11/15公開予定
Part 3. 岡本洋平×柴田隆浩×中村一義 ※11/22公開予定
<Part 1>
岡本洋平(Hermann H.&The Pacemakers)× 柴田隆浩(忘れらんねえよ)
――今日は11月29日@クラブチッタのことからお互いのことまで、基本的には自由に悪ノリトークしていただければと。
岡本洋平:でも、ビールがまだ来てないよ。
柴田隆浩:ビールがないと、悪ノリできない!(笑)
――えっと(笑)。それじゃあ先に真面目なことを聞いておきましょうか。主催者であるヘルマンの岡本さん、11月29日の【ダンス・ドント・ラン!presented by Hermann H.&The Pacemakers】のコンセプトを教えてください。
岡本洋平:チッタでライブをやるって決まった段階で、まず初めに中村一義さんと一緒にやりたいっていうのがあったんです。それで対バンを申し込んだところ、中村さんから「ヘルマンと共演したい」っていう嬉しいお返事をいただいて。それで東京・大阪のフェスで共演することになったんです。
――ってことは、過去2回の中村さんとの共演は、この公演の対バンオファーがきっかけだったんですか?
岡本洋平:そうそう。11月29日は単なる対バンイベントではなく、俺らヘルマンがリスペクトしてきたアーティストと、忘れらんねえよみたいに俺らの音楽を聴いてくれていたバンド、世代は違うけど感じるものがある、相通じるものがあるアーティストとイベントをやってみたいという思いがあって。同じタイミングで出てきたバンドが一緒にイベントをやるのはよくあるし、間違いなく盛り上がるんだけど、それとは違う、来てくれた人にとって忘れられない夜にしたい。だから、普通じゃ出来ないようなブッキングにしたくて、このラインナップになった感じです。
――なるほど。で、そのコンセプトのもとヘルマンの“後輩バンド”として、忘れらんねえよに白羽の矢が立った具体的な理由は?もともと知り合いだったとか?
岡本洋平:フェスで一緒になったり、知り合いではあったけど、でもまぁ…カンですね。深い意味は無くて。
(一同爆笑)
柴田隆浩:あいつらスケジュール空いてそうだし、みたいな!?
岡本洋平:まぁね(笑)。ってそれはウソだけど、この並びは面白いかなって。俺らが音楽の世界に入る前からリスペクトしてきたアーティストが居て、ヘルマンが居て。音楽シーンの流れみたいな感じで、じゃあ次は…忘れらんねえよでいっか、みたいな。
柴田隆浩:忘れられちゃったらかわいそうかなぁ~みたいな!!情のブッキングっすか!?(笑)
――でも、その時、ぱっと頭に浮かんだってことですよね、忘れらんねえよが。
柴田隆浩:それはすごくありがたいっ!
岡本洋平:うん、俺らや中村さんとは全然タイプの違うロックバンドだけどね。初めてライブを観た時の印象がほんっと最低で。そういえばあれもチッタだった。
柴田隆浩:あ!あれか~っ!!!確かに最低だった!(笑)
岡本洋平:LUNKHEADと一緒に出てたイベントで。もともと名前は知ってたんだけど…こいつらマジでSEXしか言わねぇし、もう早く終わらせろよ!って思って。演奏も今より全然ガタガタでさ。
柴田隆浩:演奏もそうだし、その頃まだバンドとしての覚悟が定まってなかった時期だったかもしれないです…
岡本洋平:で、しばらく空いて、次に観た時にすっごく良くなってたから。ちゃんと気持ちのあるバンドなんだなって。
――ハートを感じたと。じゃあ、柴田さんにとってヘルマンはどんな印象?
柴田隆浩:いや、ホントにヘルマンなんて、僕が大学生時代に読んでたロッキンオンとかに載ってた人なわけですよ。だから最初に会ったときなんて「うおーっ!ウルフだっ!ウルフが居る!」って思いましたよ(笑)。だから、このイベントに呼んでもらえたことが誇らしいし、緊張もしますね。僕はバンドを始めたのがすごく遅かったから…キッズの頃に雑誌で見ていた人と、今こうやって話をしていること自体が不思議で…人生って何が起こるか分かんねぇな!って。
――そんな憧れのヘルマン主催イベントで、トップバッターを務めるわけですが…
柴田隆浩:ええ、5分でさくっと終わらせて先輩方にお時間を献上します!!
――短っ!(笑) 岡本さんとしては、どんなパフォーマンスを期待してますか?
岡本洋平:出演者みんなでライブを通じて音楽シーンの“系譜”を見せられたらいいなと思っていて。今は音楽が売れないとか色々言われてたりもするけど、音楽は流行り廃りじゃない。中村(一義)さんともよく話すんだけど、「ディズニーランドに行ってきた!」みたいなイベントにしたいんだよね。
柴田隆浩:確かに、ディズニーランドは流行り廃りのない、スタンダードなエンタテイメントですよね。
岡本洋平:そう。俺、今でもカリブの海賊でブチ上がるし(笑)。さんざん遊んだ帰り道、振り返ると照明の落とされたシンデレラ城が見えて…あの時みたいな気持ちにさせられたらいいなって。これは俺らにとって永遠のテーマなのかもしれないけど。ヘボくたって、ダサくたって、カッコ悪くたっていいんだけど、やっぱなんか愛おしいものをやりたいっていう。
柴田隆浩:いやぁ。最近、流行り廃りとか、すごい意識してしまうんですよね。例えばオリコン上位に入っているバンドとか、僕らと全然違うなっていう。そこに寄せるつもりはないけど、やっぱり僕らがやってる音楽って流行りとは完全にズレてんだなぁって思ったり。
岡本洋平:でも、そういう音楽こそ残ったりするんじゃないのかな。だって、それしかないってことだから。極論だけどさ。多分、やってる時は不安になることもあるだろうけど。
<Part 1>
岡本洋平(Hermann H.&The Pacemakers)× 柴田隆浩(忘れらんねえよ)
柴田隆浩:いやぁ、もう、最近めっちゃ不安で~(笑)。
岡本洋平:サカナクションみたいなことやんなきゃとか?
柴田隆浩:そう。若手の4つ打ちがかっこいいバンドが売れた時に「やっぱ4つ打ちだな!」って、4つ打ちの曲とか作ってみたけど…なんだこりゃみたいな(笑)。そうやって真似したって良いものなんてできないから、自分たちの信じてる音楽をやるしかないっていうのは分かってるんですけど。でも揺れてしまうんですよね。
岡本洋平:その気持ちも分かるけどね。でも、その“極論”みたいな人が、中村(一義)さんだと思うよ。柴田もそうだけど、今の若いミュージシャンってみんな器用だから、音楽以外のことも色々考えるじゃない。俺はあんまりそういうのがないタイプで…中村さんは俺に輪をかけてないなっていう(笑)。話せば話すほど、この人音楽のことしか考えてないんだな、それが本当に素晴らしいなって。だから、あんなすげー音楽作っちゃうんだよ。あの人が『金字塔』作ったの、二十歳の時だよ。
柴田隆浩:ですよね。だから、チッタのイベントは、もちろん自分たちもいいライブをするつもりだけど、偉大な先輩たちの戦う姿を観せてもらって「これでいいんだ、俺たちもこれで行くしかねぇな!」って、背中を押してもらえるのも、すごく楽しみだったり。
岡本洋平:うん。だって100パーセント、150パーセントやってダメならもうしょーがねぇじゃん。それでお客様に恵まれたらすごくラッキーだし、結局、自分らの信じてる音楽を長く続けることが大事だと思うよ。
柴田隆浩:それが今の僕らの活動だと感じにくいんですよね。同じような立ち位置のバンドと対バンを組んで、“伸るか反るか”みたいなことを繰り返してると、長く続けることを考える余裕もないというか。毎日が戦い、オリコンデイリーで毎日戦ってる、みたいな。
岡本洋平:お前、毎日チェックしてんのかよ(笑)。
柴田隆浩:友達のバンドが売れると「クッソ~!」みたいな!!
岡本洋平:まぁ、俺らもそんなことがあったかな。でも、そういうのは、もう別に(気にしなくて)いんじゃないの?
柴田隆浩:いいんすかねぇ。一番大事なことはそこじゃない、っていうのは分かってるんですけどね。
岡本洋平:うん。まぁ、ファン含めて色んなことを言う人がいて、俺もそれを関係ないって思えなくて超辛かった時期があったけど。でも大事なのは自分たちの音楽を続けることだからね。
柴田隆浩:確かに最近、音楽と違うところで落ち込んだりしてんなぁって思うんですよね。
岡本洋平:俺らヘルマンが出た2001年頃だと、やっぱ「2ちゃんねる」とかがすごい気になって。良いことなんてほとんど書いてないんだから最初から見なきゃいいのに、見て勝手に凹んだりしてさ。
柴田隆浩:そうなんすよね~。今の俺でいうとエゴサーチっすね。
――柴田さん、エゴサーチしちゃうんですか?
柴田隆浩:いやぁ、もう鬼っすよ!すっげぇ辛いんですよ、だけど見てしまう。だから最近はルールを決めて。朝1回、昼1回、夜は21時と23時。
岡本洋平:なんだよそのルール(笑)。
柴田隆浩:ルールを決めたらそれに従うタイプなんすよ!
岡本洋平:てか、夜2時間しか空いてねぇじゃん!(笑)
柴田隆浩:そこはゴールデンタイムっすから!でもそのルールのおかげで楽にはなりましたけどね。この前、アルバムを出したんですけど、少し考え方が変わったというか…忘れらんねえよの音楽が世間に広がっていくスピードだったり、どう感じられているかを冷静に見られるようになった。その結果、まだまだ自分たちの音楽が届いていない人っていうのが具体的に見えて。音楽を作ったからには、みんなに届けたいし、聴いてもらって「つまんねぇな」って言われるなら仕方ないけど、聴かれずに終わることが本当にもどかしいし憤りすら感じる。「聴いてから判断してくれよ!」って。その思いがすごく強いから、一人でも多くの人に聴いてもらえるように、イベントなりツアーなり具体的に動いていきたいなと。
岡本洋平:まあ、地道に続けていくことが一番だよね。
柴田隆浩:あとは他のバンドの動きを見過ぎないように、ってことですかね。心揺らいじゃうから。強さを持たなきゃなと思うんだけど…オリコンって検索したらすぐ見れちゃうからなぁ。
岡本洋平:気にするねぇ、そこ(笑)。今日、何回オリコンって言うんだよ!
――ちなみに…うちはビルボードなんですけどね(笑)。では、お2人のトークはここで一旦終了、Part2の岡本洋平×中村一義編へと移らせて頂きます。柴田さん、ありがとうございました。これからはビルボードチャートもぜひチェックしてください。
~Part2へ続く~
Part 2. 岡本洋平(Hermann H.&The Pacemakers)×中村一義 ※11/15公開予定
Part 3. 岡本洋平×柴田隆浩×中村一義 ※11/22公開予定
公演情報
Montreux JAZZ FESTIVAL JAPAN IN KAWASAKI & CLUB CITTA' 25th Anniversary
「ダンス・ドント・ラン! presented by Hermann H.&The Pacemakers」
会場:CLUB CITTA' 川崎
日時:2013年11月29日(金)OPEN 18:00 / START 19:00 (予定)
料金:¥4,000※ドリンク別 / 当日:¥4,500※ドリンク別
出演:
HERMANN H.&THE PACEMAKERS
中村一義 meets HERMANN H.&THE PACEMAKERS
忘れらんねえよ
OL Killer
主催:モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさき2013
CLUB CITTA’/ HERMANN H.&THE PACEMAKERS
企画制作:CLUB CITTA’/HERMANN H.&THE PACEMAKERS
問い合わせ:CLUB CITTA’ 044-246-8888
MORE INFO: 【ダンス・ドント・ラン!特設サイト】
アーティスト情報
The BEST of Hermann H. & The Pacemakers
2013/03/06 RELEASE
WPCL-11370 ¥ 2,934(税込)
Disc01
- 01.エアコン・キングダム
- 02.BEAT MANIA
- 03.Come On,Ha!!
- 04.Runaway Song
- 05.靴底
- 06.One,Two,Three,Four
- 07.fruity machine gun
- 08.Loser’s Parade
- 09.夜には星と音楽を
- 10.東京湾
- 11.言葉の果てに雨が降る
- 12.ROCK IT NOW!
- 13.アクション
- 14.PINKIE’S ROCK SHOW
- 15.あまつゆのバラード
- 16.ラッキーボーイ
- 17.プラネタリズム
- 18.MIXED NUTS’00
- 19.A NEWLY DISCOVERED CRATER
- 20.ティーンエイジ・タンバリン
- 21.O.H.P(over-head-projector)
- 22.OEM
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