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吉田山田 『魔法のような』インタビュー
吉田山田の命運、如何に?
今、吉田山田が面白い。山田うどんと夏フェスに参戦したり、吉田山田のワンマンライブなのに吉田だけで歌い出したり、山田がお酒を呑めるようになってグッと来る力作を生んだり、なんと【大阪マラソン2013】に挑戦することになったり。一体、吉田山田の中で何が起きているのだろうか。 今回のインタビューは、それを紐解く内容になっているのだが、新作『魔法のような』を歌いながら42.195kmフルマラソンを完走する、なんていうアイデアも飛び出しちゃって……。吉田山田の命運を占う、重要なテキストとなっているので、ぜひ一読してほしい。
山田うどんさんと夏フェス出て、うどんを売るっていう
--4月の『ごめん、やっぱ好きなんだ。』リリースタイミング以来、約半年ぶりのインタビューになるんですが、お2人にとってこの半年はどんな期間になりましたか?
山田義孝(vo):ここ2,3ヶ月は月20本ぐらいライブやってて、その前はとにかくむちゃくちゃ曲作ってて。今までと違うことがやりたくて、2人一緒に作るんじゃなく、別々に作家さんと組んで作ったり。
吉田結威(g,vo):結構変わったかもしれないですね、この半年で環境が。それによって山田のイラスト展が実現したり、サポートバンドも違うバンドでやってみたり、今は変化の真っ直中にいる感じ。曲の作り方もそうで、一回、吉田山田から離れて「こんな歌謡曲でいいの? こんなロックでいいの?」みたいなものを先入観のない作家さんに聴いてもらって、アレンジしてもらう。それを吉田山田の声で形にすると、こんな感じになるのか!といった新しい発見がいっぱいありました。
--また、話題作りの面では、山田うどんとのコラボがありました。あれはどういう経緯で実現したの?
山田義孝:全国の、達人の吉田さん、山田さんに会いに行くという企画がありまして、前回は吉田七味店に行ったんですけど、それの第二弾として山田うどんへ。まさかそんな大手とコラボできるとは思わなかったので……
吉田結威:最初は吉田七味店と同じく、社長に話を聞きに行くだけだったんですよ。ただ、そこで盛り上がってしまって「じゃあ、何かやりましょうよ」という感じで、期間限定新メニューのポスターに起用して頂いて、その新メニューも販売前に試食させて頂いたり。あと、山田うどんさんと一緒に夏フェスへ出て、ふたりでうどんを売るっていう。
--店員?
吉田結威:そのフェスは2日間あって、僕らの出演は2日目だったんですけど、1日目はうどんを売るだけ。
--(笑)
吉田結威:2日目はうどんを売りつつ、ライブをやる。なんか、面白いことだったらやればいいじゃん!って思ったんですよ。何がどういう風に繋がっていくか分かんないし、楽しいことって別に音楽だけじゃないんで。いろんなことをやって、最後に吉田山田的な音楽に繋がっていけばいいから。デビューして3年経って、少しずつそういうフィーリングを持った人が集まってきて、いろんなことが実現できるようになってきてる。
山田義孝:面白がってくれる人が増えたね。
--お二人は山田うどんの店員にもなったということで、他のお店でうどん食べたりはしないんですか?
山田義孝:いや、食べま……
吉田結威:食べないです! 山田うどん以外でうどん、食べたことないかな。
山田義孝:……そうですね。
吉田結威:というか、山田うどん以外はうどんじゃないかな、もう。
山田義孝:大丈夫かな、それ。
一同:(笑)
--で、東名阪ツアーもあり、先日は吉田さん生誕ライブもありました。本編の半分以上は山田さん不在で、吉田さんが好き勝手やるっていう、なかなか画期的なライブでしたね。
吉田結威:ツアーが終わった時点で「よっちゃん、ひとりで出ればいいじゃん」っていう案がみんなから出ていて。僕は去年「メリーゴーランド」っていう曲で初めてひとりで作詞したんですけど、そのときに久しぶりにひとりで背負わなきゃいけない重圧感と、達成感みたいなものがあって。自分の個性がないと勝負できないっていうスリルがあったので、ライブでもやってみようと。本当はもっと僕ひとりのはずだったんですけど、さすがにもうちょっと山ちゃんいた方がいいかなって思って(笑)。
--ひとりじゃないと、ステッペンウルフ「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」を歌うこともないでしょうからね。
吉田結威:まず英語で歌うこと自体、初めてでしたからね。
--ただ、「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」ぐらい有名だったらと思いましたけど、みんな反応が……
吉田結威:そうなんです。年代が……、オアシスぐらいだったらよかったのかもしれない(笑)。
--コラボ企画にしても、生誕ライブにしても、ここに来て普通じゃないというか、面白い流れを組み込んできてますよね。
山田義孝:気付いたらこうなってましたね。
吉田結威:吉田山田ってひとつの分母をいつも2人が分け合うんです。僕が8緊張してたら、山田は2しか緊張していなかったり、1人が制作で上手くいっていると、もう1人は行き詰まっていたり、これって不思議だなと思って。でも分母が今のままだと面白くないなと思って、分母を広げたかったんですよ。吉田山田って自分たちが思っている以上に懐が深いから、いろいろやっても大丈夫だよっていう自信を付けたかったんですよね。「それはやりすぎだろ」って言われてもいいから、もうちょっと無茶したかった。
山田義孝:いろんなことがやりたい願望はずーっとあったんですけど、それを提案すると「いや、それはちょっとできないよ」って断られ続けてて。例えば、鳥人間になりたいとか。
--普通は却下しますよね。
山田義孝:でも僕はデビューしたときから、鳥の衣装を着て歌いたかったんです。羽ばたきながら歌いたい!と。デビュー当時は「めちゃくちゃだよ。それでどうやってキャンペーン廻るの?」って言われてて。ただ、だんだん面白がってくれる人が増えて実現していった。
--このままCD出して、ライブして、CD出して、ライブしてのルーチンでは、上を目指せない、みたいな感覚もあったんでしょうか?
山田義孝:上を目指す為に……というよりは、単純にやりたいことが多い。
吉田結威:上を目指すっていうのは吉田山田らしくなくて、前に進んでいくっていうイメージなんです。山田はただただ単純に飽きっぽいんです。だから同じ風景だったり、同じことをしている中にいると飽きちゃう。できれば、まだ見たことがないところに進みたい願望が根底にはあるかもしれないですね。
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リリース情報
魔法のような
- 2013/10/09 RELEASE
- 初回限定盤[PCCA-3917(CD)]
- 定価:¥1,000(tax in.)
- ≪試聴可能≫
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
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