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THE BACK HORN 『バトルイマ』インタビュー

THE BACK HORN 『バトルイマ』 インタビュー

 「アイドルの人の方がほとばしっているし、今しかないって、それこそ「バトルイマ」な感じで生きてる」「「俺らをもっと信じて、俺らを伸ばしてくれよ」って言えるような関係をスタッフと築くべき」「どんだけ伝わってないのかなっていう悔しさがある」15周年の自分たちはもちろん、バンドからアイドルまで音楽シーンで今戦ってる者たち。今の日本でサヴァイヴしなければならない者たちへのメッセージ。山田将司(vo)と菅波栄純(g)が痛快に語ってくれた。

アイドルの人の方がほとばしっている それこそ「バトルイマ」

THE BACK HORN/バトルイマ
▲THE BACK HORN/バトルイマ

--結成15周年。THE BACK HORNが「今音楽でやらなきゃいけない」と思っていることを教えて下さい。

菅波栄純:聴いたときに、気分の色合いみたいなものが変わる曲でありたいなと思っていて、例えば「バトルイマ」だったら熱い気持ちに変わっていく音を出したいと思うし、気分が変わるほどの歌詞やメロディーやグルーヴをレコードに閉じこめたいし、演奏したい。でもそのテーマって簡単じゃないんだなというのが、むしろ15年やってきたことでより痛感するようになりましたね。

--なるほど。

菅波栄純:「気持ち、本当に変わってきたなぁ」って思わせるようなものってなかなか出来ない。でも俺が興味あるのは、とにかくその人の気持ちを変えられるか。それだけなんですよ。もしかしたら一生のテーマなんですけど、それを閉じこめたいって思う。

--山田さんはどうですか?

山田将司:一緒ですね。

菅波栄純:嘘? シンクロ来た?

山田将司:(笑)。単純に聴いてちょっとワクワクしたりとか、ライブ観て「格好良い」って思って、そいつが頑張れるようになったりとか、元気をもらったりとか……それをやりたい。その為にはやっぱり曲が必要だし、演奏するスキルが必要だし、ワクワクさせるアンサンブルってどういうアンサンブルなのかとか、そういうことを突き詰めていくことも必要だし。やっぱり頑張る力にはなりたいなっていう感じがするんですよね。自分も音楽に助けられているところがあるから。

--デビュー当時と今は勿論、10周年当時と今でも音楽シーンは大きく形を変えたと思うんですけど、2人から見た今の音楽シーンってどんな印象ですか?

菅波栄純:そういうのは、将司ですね。

山田将司:いやいや、俺、全然詳しくないよ。……逆にどうですか?

--(笑)、例えば、先日【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013】のバックヤードでBiSを紹介させて頂いたりもしましたけど、少し前まではロックフェスにアイドルが大挙するなんてことは考えられませんでした。そうした状況にはどんなことを感じます?

菅波栄純:それは全然……

--ウェルカム?

菅波栄純:なんて言うんですかね。パワーをあれだけ……燃え尽きても構わないぐらいの感じじゃないですか。アイドルの人って。今、より一層そういう切迫感というか、ほとばしっている。もしかしたら元々ロックバンドが放出すべきだったものを……下手すると、ロックバンドを超える熱量で放出しているじゃないですか。アイドルの人の方が迸っているし、今しかないって、それこそ「バトルイマ」な感じで生きてると思うんですよね。「金とか関係ねぇ!」みたいな。

--バイトしながらアイドルやっている人はゴマンといますからね。

菅波栄純:「私、儲けたくてアイドルになったんです」って言う人、いないじゃないですか。メンバー自体は金じゃなく生き様じゃないですか。「ぶつけていくんだ、私の魂を」みたいな。だから真っ当だと思いますよ。ロックフェスに出て当然だと思う。

山田将司:サマソニにも出てたもんな。なんだっけ……?

菅波栄純:将司が言いてぇのは、でんぱ組.inc。俺、その日にサマソニでライブ観たの、でんぱ組.incとスマパンだもん。

山田将司:栄純にとっては、スマパンもアイドルだから。

--それにしても本来交わらないものが交わるようになりましたよね。

山田将司:音楽的にも面白いアイドルがいっぱいいるからじゃないですか。だからフェスに出られるんだとも思うし、形に拘ってばかりいる場合じゃなくなってきたんじゃないかなって。お客さんの視野が広がってきたというのもそうだし、主催する側も中身をちゃんと見てるからアイドル呼ぶんだろうし、お客さんにそれをちゃんと教えたいっていう真っ直ぐな気持ちは、すごく良いなと思います。

--また、そのアイドルを売る為の仕組み、話題作り、分かり易い見せ方というのは、今確実にアイドル以外のシーンにも影響を与えていると思うんです。お面を被ってみようとか、センセーショナルな発言をしてみようとか、今のこのバンドの状態でこの曲出したら面白いなとか。要するに“今より売れる為”の何かを実行するようになった。

菅波栄純:CDが売れなくなったと言われて何年も経ってますけど、それでも「CD売る手段はいろいろあるはずだ」って、死ぬ気で、頭と体張って探してきたのがアイドル業界で。それで結果出しているところもあると思うし、すごく可能性というか……まぁひとつひとつの手法がアリかナシか検証される前にどんどん消費されていってしまうんだけど、手法がどんどん出てきている場所っていうのは、少なくともエネルギッシュではありますよね。

--たしかに。

菅波栄純:あと、芸人さんのシーンがあるじゃないですか。それも、最近は音楽シーンにちょっと融合してるじゃないですか。主催がお笑いの人っていうフェスもあるし。そこで共通して出てくるワードがあって、みんな「自分のイス」みたいな。「自分のイス取りゲーム」みたいなことを言う人って、芸人にもアイドルにも、バンドマンにも結構いるなって、最近思う。

山田将司:ポジションっていうこと?

菅波栄純:ポジションってことなんだろうね。「このイスに座ったからには、どかねーぞ」みたいな。逆にイスを探してたり。ただ、俺はそういう世界観ではやってなくて。

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THE BACK HORN「B-SIDE THE BACK HORN」

B-SIDE THE BACK HORN

2013/09/18 RELEASE
VICL-64064/5 ¥ 3,143(税込)

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Disc01
  1. 01.異国の空 <New Recording>
  2. 02.サイレン
  3. 03.ガーデン
  4. 04.青空
  5. 05.楽園
  6. 06.思春歌
  7. 07.針の雨
  8. 08.白い日記帳
  9. 09.カラビンカ
  10. 10.夜空
  11. 11.フラッシュバック
  12. 12.ハッピーエンドに憧れて
  13. 13.番茶に梅干し
  14. 14.天国への翼
  15. 15.ザクロ <New Recording> -Bonus Track-
  16. 16.桜雪 <New Recording> -Bonus Track-
  17. 17.何もない世界 -Bonus Track-

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