Special
ハクエイ・キム “トライソニーク” インタビュー
日本ジャズ・シーンでひときわ注目をあつめる麗しきピアニスト、ハクエイ・キムを中心とするピアノ・トリオ・ユニット“トライソニーク”がビルボードライブに登場!ジャズ・ピアノ界のニュースターとしてジャズ・ファンから熱い視線を浴び、杉本智和(b)、大槻“KALTA”英宣(ds)と結成した未来志向のピアノ・トリオ・ユニット“トライソニーク”。<br/> 今年7月には自身初のエレクトリック・サウンドに特化したニュー・アルバム『ボーダレス・アワー』をリリース。最新作を制作するにあたってのきっかけ、そしてアルバムを携えたライブはどんな内容になるのか。ハクエイ・キムにインタビュー。
エレクトリックだけど、予定調和にならない人間臭いサウンドを造る
??新作『ボーダレス・アワー』について聞かせてください。どんなアルバムになりましたか?
ハクエイ・キム:『ボーダレス・アワー』というタイトルにはこのアルバムが流れる時間には既存の音楽的なボーダーは勿論、世界や社会に存在するあらゆる境界を超えた価値観を共有したいというトライソニークの願いが込められています。
??「ボーダレス・アワー」は初のエレクトリック・サウンドですが、トライしようと思ったきっかけは何でしたか?
ハクエイ・キム:元々はアコースティックなピアノ・トリオとしてスタートしましたが、表現したい事柄とその幅が拡がって行く中で、実験的にエレクトリックな要素を導入したライヴを昨年下半期からするようになりました。最初はエフェクターのみを使用する形でしたが徐々に電気楽器の導入も始まりました。
僕は神奈川工科大学の西口磯春教授が開発し研究を進めている、ピアノの前進と言われるクラヴィコードを現代風に改良した新しい電気楽器であるネオヴィコード、杉本智和はリボンコントローラーやルーパー、大槻“カルタ”英宣も電子パーカッションやルーパー等の導入を始めて、エレクトリックですが予定調和にならない人間臭いサウンドを造る工夫をしてきました。
??トライソニークとして活動するときと、ハクエイ・キム名義で活動するときの違いは何かありますか?
ハクエイ・キム:トライソニーク(Trisonique)とはtri(3人)、sonic(音)、unique(唯一無二) という3つの言葉を合わせた造語です。その名が示す通り、この三人でしか表現できないサウンドを追求する事を信条としたバンドで、お互いが触発しあって、本人たちにも想像のつかない、予測不能な演奏が展開されるのがトライソニーク。これに対して、自分と向き合って、降りてくる音をありのまま表現するソロ・ワークは、内省的ともいえるかもしれません。
??トライソニークのメンバーである、杉本さんと大槻さんは、ご自身にとってそれぞれどんな方でしょうか?
ハクエイ・キム:杉本智和は勿論素晴らしいベーシストですが、同時に素晴らしいサウンドプロデューサーです。トライソニークに於いてのサウンドや方向性を常にあらゆる視点から考え、提案してくれます。大槻“カルタ”英宣はドラマーとしては勿論、レコーディング・エンジニアとしての経験等から、常に違った視点でサウンド造りに大きな貢献をしてくれます。
どちらかというと抽象的なイメージを音楽として描写する杉本智和と、相反する大槻“カルタ”英宣の数学的なアプローチが面白いと感じています。
??今回のライブは、もちろんアルバム『ボーダレス・アワー』を主体とした形になると思うのですが、どのような内容になりそうでしょうか?
ハクエイ・キム:ビルボードライブ東京、大阪でのライブで一番魅力的なのは、その素晴らしい音環境でこそ生きるエレクトリックとアコースティックのサウンドの融合です。勿論先に述べたネオヴィコードを始め、様々な音と楽器が登場する予定です。今回演奏予定の楽曲にはそれぞれストーリーがあるので、ステージを通して一本の映画を観るようなステージを目指しています。
??今回の公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
ハクエイ・キム:アコースティック楽器とエレクトリック楽器の融合と、それを操る三人の即興音楽家がビルボードライブという世界屈指の会場とお客様に、どの様に触発されてどの様な情景を描くのかを是非みなさんと共有できたら嬉しいです!
アルバムのトレーラーも是非見てください。
それでは会場でお会いできるのをメンバー一同楽しみにしています!
リリース情報
公演情報
大阪公演
日時:2013年8月30日(金)
会場:ビルボードライブ大阪
東京公演
日時:2013年9月13日(金)
会場:ビルボードライブ東京
More Info:Billboard Live
関連リンク
関連商品