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中孝介×高橋愛(ex.モーニング娘。)対談インタビュー
中孝介がモーニング娘。「雨の降らない星では愛せないだろう?」をカバー。しかもこの曲が歌われていた時代(通称:プラチナ期)のリーダー高橋愛と歌う。この情報を初めて知ったときの高ぶりが忘れられない。
モーニング娘。ファンでなければ知る機会のない、この隠れた名曲が日本の代表曲と並んでカバーアルバム『ベストカバーズ~もっと日本。~』に収録され、中孝介による“地上でもっとも優しい歌声”を通し、新たなリスナーと出逢える。モーニング娘。史上トップクラスのパフォーマンススキルとチームワークを誇りつつも、アイドル不遇の時代に苦しまされた頃のリーダーが、プラチナ期再評価の熱が高まり続けている今、当時のメンバーと大切に守ってきた曲を再び歌う。
なんてドラマティックで意味深いコラボレーションなんだと思った。中孝介がシングル曲でもなかった「雨の降らない星では愛せないだろう?」に心から惚れ込んで歌い、結果的にモーニング娘。プラチナ期の物語はまだ終わっていなかったことを証明する。それが如何に奇跡的で美しい音楽ストーリーであるかお伝えするべく、ふたりの対談を実現した。
当時、一緒にいたジュンジュンとリンリンが思い浮かぶんです
▲中孝介feat.高橋愛「雨の降らない星では愛せないだろう?」MV
--中孝介×高橋愛によるデュエット、PV撮影、そしてこの対談。情報解禁前である今日(2013年6月18日)の時点では誰も想像できない組み合わせですよね?
一同:(笑)
高橋愛:これまでもゲストみたいな形でアーティストさんとコラボレーションさせて頂いたことはあるんですけど、今回は自分たち(モーニング娘。)の曲を中孝介さんにカバーして頂いて、それに自分も参加するというので不思議な感覚ではあります。
--実際に共演してみたお互いの印象を教えてもらえますか?
中孝介:今回のレコーディングで初めてお会いしたんですけど、想像と全然違ってました。すごく気さくでいろいろ話してくれて……
--それまではどんなイメージだったんですか?
中孝介:僕がやってる音楽のジャンル的に、なかなかモーニング娘。さんと御一緒させて頂く機会はなかったので、なんかちょっと「自分がそばにいてもいいんだろうか? ファンの人に怒られちゃうんじゃ?」みたいな(笑)。でも全然壁を作らずに接してくれて、すごく嬉しかったです。
高橋愛:いやいや、私は自分からガッて行けるタイプじゃないんです。でも中さんが方言の話をしてくれたりしたので(笑)、多分私も喋れたんじゃないかなって思います。
中孝介:福井(高橋愛の故郷)の方言と、奄美(中孝介の故郷)の訛りが似てるっていう話をして。何回か福井に行ったことがあって、福井の人の喋り方を聞いて似てるなって思ってたんですよ。そしたら高橋さんが福井県出身って言ってたので、似てると思うか聞いてみようと思って(笑)。そしたら「似てる!」って。
高橋愛:似てたんですよ!
--訛りがふたりの距離を縮めたんですね。
高橋愛:そうですね(笑)。なかなかそんなことないんですけど!
--中孝介さんに対してはどんなイメージを持たれていました?
高橋愛:こんなに喋りやすいと思ってなかったです。表情とかも凛としているので、無口なイメージだったんですよ。でも意外と砕け……
中孝介:よく言われます(笑)。砕けすぎと、たまにスタッフに怒られます。
--そんな2人が奇跡の邂逅を果たした、そもそものきっかけ。『もっと日本。』プロジェクトがどんなものなのか、教えてもらってもいいですか?
中孝介:僕は日本に生まれた訳ですけど、奄美のことですら知っているようで知らないことがたくさんあるし、日本各地にそこでしか見られないものがたくさんあると思うんです。例えば、奄美には大きい川がないので、土手がないんですけど、こっちとかで土手を見ると、見たことがない景色のはずなのに「懐かしいな」って思ったり、すごく郷愁を感じたりする。それは日本の歌にも通ずると思っていて、初めて聴いた曲でも、小さい頃の記憶が甦ってきたとか。そういう音楽がいっぱいあるんだってことを、今回はアルバム『ベストカバーズ~もっと日本。~』で表現できたらなって思ったんです。
--今作『ベストカバーズ~もっと日本。~』の収録曲は、中さんにカバーしてほしい曲を一般からリクエストされたものがベースになってるんですよね?
中孝介:そうです。
--そこにモーニング娘。「雨の降らない星では愛せないだろう?」を歌ってほしいというリクエストも多数あったということですよね?
中孝介:そうなんですよ、実は。
高橋愛:ビックリしました。しかもこの曲を選んでくれたっていうのが、すごく嬉しくて。私たちも大事にしていた曲だったし、当時は中国人のメンバー(ジュンジュン、リンリン)がいて、この曲で橋渡しじゃないですけど、国は違えど、歌で繋がっていられる。それを表現したくて、逆に私たちが歌詞を中国語にして歌ったり、アジアツアーをやったときにも必ずセットリストに入れていた大切な曲で。だからカバーして頂けることになってすごく嬉しくて。大事にしてきてよかったなって思うし、つんく♂さんもすごく嬉しいと思います。
▲高橋愛,LoVendoЯリリースイベント,中島卓偉バンドライブ,RYOTA,LICKS BOX他(7/12/2013)#22
--高橋愛リーダー時代のモーニング娘。で大切に歌われてきた曲。それを自らの声で甦らせるってどんな気分でした?
高橋愛:ジュンジュンとリンリンが思い浮かぶんですよ。当時、一緒にいたメンバーが。その頃の想いを思い出す。それが音楽の力だと思うんですけど、私の中で「雨の降らない星では愛せないだろう?」はその2人のイメージがすごく強いので、「リンリンはこういう歌い方だったな」とか「ジュンジュンはこういう表情だったな」って想いながら歌ってました。
(※高橋愛は、ジュンジュンとリンリンを加入時より見守ってきており、言葉が全く通用しない外国で生活する心細さを知りつつも、リーダーとして泣きながら文化の違いを教えたり、怒ったこともある。それでも「モーニング娘。に入って良かった」とついてきてくれた2人の卒業時、彼女は「心に穴が開いた感じ」と話していた。詳細はこちら)
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リリース情報
ベストカバーズ~もっと日本。~
- 2013/07/31 RELEASE
- 初回限定盤[BVCL-519/20(CD+DVD)]
- 定価:¥3,800(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
ベストカバーズ~もっと日本。~
2013/07/31 RELEASE
BVCL-521 ¥ 3,204(税込)
Disc01
- 01.瑠璃色の地球
- 02.雨の降らない星では愛せないだろう?
- 03.桜
- 04.少年時代
- 05.もしも明日が
- 06.紅一葉
- 07.糸
- 08.花
- 09.歌に形はないけれど
- 10.サンサーラ
- 11.春なのに
- 12.上を向いて歩こう
- 13.明日があるさ
- 14.愛燦燦
- 15.桜ノ雨
- 16.夏夕空
- 17.ありがとう
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