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蟲ふるう夜に×松隈ケンタ×プー・ルイ(BiS)インタビュー

蟲ふるう夜に 『蟲の声』 インタビュー

 中川翔子、柴咲コウなどの楽曲を手掛け、センセーションな話題を次々と振りまくアイドルグループ BiSのサウンドプロデューサーでもある松隈ケンタ。彼が初めてバンドのアルバムをフルプロデュースすることになった。蟲ふるう夜に(むしふるうよるに)なるバンドのアルバム『蟲の声』。

 Billboard JAPAN.comでは、今作の配信&レンタルリリース(敢えてCDリリースなし)を記念し、蟲ふるう夜にのフロントマンとコンポーザー、松隈ケンタ、そして彼の楽曲をデビュー時から歌い続け、オリコン6位を獲得するに至ったBiSのプー・ルイを招集することにした。目的は、時代へ中指立てながらセンセーションな作品やアクションを畳み掛け、革命を起こし得る存在たちの認知。その異端児たちの“声”を腐りきった音楽シーンにお届けすること。

 「CDが売れない」「音楽業界の崩壊」といったネガティブワードを目にするようになって久しいが、「だからどうした?」と自由に表現する彼ら(彼女ら)のソレは、熱くてバカバカしくて切実で苛烈で愛おしい。

全員人見知りの対談スタート「今日も縄ですから。服の下は」

蟲ふるう夜に「犬」
▲蟲ふるう夜に「犬」

--自殺したご主人様を犬目線で描いたりしているバンド(蟲ふるう夜に)と、樹海を全裸で走ってみたりするアイドル(BiS)。松隈ケンタがサウンドプロデュースする人っておかしい人ばっかりですけど。

一同:(笑)

松隈ケンタ:なんか多いですよね。他にも未来人っぽい奴らとか、紙袋かぶってる奴らとか、血だらけのシンガーソングライターとか。変な奴ばっかりですね。

--なんで?

松隈ケンタ:何なんでしょうね!? 俺はわりと普通なつもりなんですけど(笑)。

--変人しかプロデュースしないんだと思われますよ、そろそろ。

松隈ケンタ:本当ッスよね。全く意図的じゃないんですけど! でもそういう人たちが好きなんでしょうね。普通じゃない、他とはちょっと違うことをやろうとする奴が好きなのは確かなので。

BiS「My Ixxx」
▲BiS「My Ixxx」

--プー・ルイと蟲ふるう夜には、これが初対面?

蟻(蟲ふるう夜に/vo):初です。会う前の印象ですか? 縄跳びを水着代わりにしている写真。『プレイボーイ』のグラビアを観て「可愛いな」とは思っていたんですけど。……だから最初のイメージは縄。

プー・ルイ(BiS/リーダー):今日も縄ですから。服の下は。

:縄アイドルなんですね。

--縄アイドルという形で頑張ってるんだよね?

プー・ルイ:はい!

:アハハ!

蟲ふるう夜に 『蟲の声』インタビュー
▲蟲ふるう夜に×松隈ケンタ×プー・ルイ(BiS)

--慎之介さんは、どんなイメージを持たれていましたか?

慎之介(蟲ふるう夜に/g):正直に言うと、バカっぽいなって。

:彼、ドSなんです。「すげぇイジメたい」って言ってましたよ(笑)。

--プー・ルイさんは、蟲ふるう夜ににどんなイメージを?

プー・ルイ:出逢うことのない人種だなって思ってました。頂いた資料を見た限りでは「V系なのかな?」って。でも会ったらそんなことなくて……すみません、今、人見知り発動してます。

:ウチらもかなり。

松隈ケンタ:俺も人見知りしちゃう。

--全員人見知りの対談(笑)。

:でもこうやって(プー・ルイに)会ってみると、印象変わりますね。雑誌とかメディアで見ると、ちょっと威圧感があるんですけど、実際に会うと透明感があったりして。三ツ矢サイダーのCMにでも出られそうな爽やかさがあって、ビックリしてます。

--松隈さんは、中川翔子さんや柴咲コウさん等、ちゃんとした方々の曲も手掛けられて……って言うと、この2組に失礼ですけど。

柴咲コウ「ラバソー ~lover soul~」
▲柴咲コウ「ラバソー ~lover soul~」

一同:(笑)

--そもそもサウンドプロデュース的な仕事って昔からやりたかったことだったんですか?

松隈ケンタ:そうッスね。こういう仕事をする前から自分のバンド(Buzz72+(バズセブンツー))で統括的にサウンドプロデュースはやってましたし。あと、そのバンドはCHOKKAKU(ちょっかく)っていうジャニーズのアレンジをいっぱいやってる大御所の人にデビューさせてもらったんですけど、そこでCHOKKAKUさんの仕事をずっと見ていて「面白いな」とは思っていたんですよ。

--ある意味、CHOKKAKUさんが松隈さんの師匠筋になる訳ですね。

松隈ケンタ:そこでいろんなことが勉強になって。CHOKKAKUさんはファンクやブラスアレンジを得意とする人だったんですけど、俺たちみたいな泥臭いロックバンドを拾ったっていう。だからジャンルのちょっと違う人と仕事する面白さみたいなものは、バンド時代から感じていて、自分が逆にプロデュースする立場になったときも、もちろんロックバンドもやりたいけど、アイドルだったり、自分とは違う畑の人と一緒にやったりしていて。

蟲ふるう夜に 『蟲の声』インタビュー
▲松隈ケンタ

--ただ、バンド時代はバンドで行こうと思っていた訳ですよね?

松隈ケンタ:もちろんそうですね。でも売れなかったの(笑)。

--Buzz72+ってなんで解散しちゃったんですか? avexからメジャーデビューまでした訳ですけど。

松隈ケンタ:まぁよくある、人間性の不一致。

プー・ルイ:よくある!

--君が言うと生々しいから。(※BiSはメンバーがよく脱退する)

松隈ケンタ:(笑)。まぁウチはボーカルが辞める形になっちゃったんで。ただ、ドラムとベースはBiSの後ろで弾いたりとか、レコーディングもBiSの初期からほとんどの曲に参加してもらっているんです。

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