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BEARDS IN ROCK ヒゲとロック
5月のレオン・ラッセル、6月のエドガー・ウィンター、ディッキー・ベッツ、そして7月以降に登場するダニエル・ラノワ、ガース・ハドソン、ドクター・ジョン……と、ここ数ヵ月の[ビルボードライブ]のラインナップには、なぜか「ヒゲのロック・レジェンド」が! ロックのスタイルとして欠かすことのできない「ヒゲ」の効能について、クレイジーケンバンドのヒゲのギタリスト・小野瀬雅生さんと研究してみました。 「レコスケくん」でおなじみの本秀康氏による「ヒゲのミュージシャン名鑑」もチェック!
ロックにおけるヒゲ、結論から言えば、それは「非日常へのパスポート」ではないでしょうか。音楽を聴くとき、特にそれがロックであれば、人は「日常にはない何か」を求めていますし、「何かのトビラを開いてくれる」効果を期待しているわけですよね。そのステージにです、もし「普通の人にしか見えない人」しかいなかったら、トビラが開かないと言いますか、説得力がないと言いますか、とにかく魅力が半減するじゃないですか。
いわば「非日常の人」として、すぐにわかってもらえる。その象徴としてヒゲを自分にプラスしているような気がします。同時に「何か人とは違うことを考えていそうだ」っていう効果もあるかもしれない(笑)。外国で楽器屋さんに入って、僕だけギターを試奏させてくれたことがあったんですね、他の人には断ってるのに。それもヒゲと長髪以外に理由が見当たらなかったですから。
僕は中学生でビートルズにはまったんです。特に後期のビートルズ。当時はビデオもありませんから、フィルムコンサートに出かけたりして、『レット・イット・ビー』は3回観ました。ジャケットでもおわかりの通り、ジョン以外は全員ヒゲ時代。もちろん長髪です。あのヴィジュアルがまさに原点。その後は、アメリカンロックも好きになって、高校ではドゥービー・ブラザーズのコピーバンドもやっていましたし、「ジミヘンの再来」と言われたギタリスト、フランク・マリノにもはまった。彼がストレートの長髪にヒゲなんですね。僕の高校は髪を伸ばしたりできなかったので、「卒業したら絶対にアレをやろう!」と心に決めていたんですが、いかんせんクセ毛でストレートの長髪にならない(笑)。でも、ヒゲだけは頑張って生やしました。
20代の頃、バンドを移籍したときのケジメとしてスキンヘッドになったことがあるんですよ。スキンでヒゲ、しかも当時は痩せてましたから、かなりエッジが効いてました。そうなるとバイトも見つからないし、電車でとなりに人が座ってくれないし、ちょっと「非日常へのパスポート」が過ぎていたと言いますか(笑)。その頃に同じスタジオで練習していた(横山)剣さんに出会うんですけど、向こうは「スタジオに怖いヤツがいる」って思っていたらしいです。こっちこそ向こうのことをそう思ってたんですけど(笑)。
クレイジーケンバンドに入ってから、一度だけヒゲを剃ったことがあるんですよ。そうしたら、なんだかツルッとしちゃって引っかかりのない人になっちゃった(笑)。それからはクレイジーケンバンドにいる限りヒゲは剃らない! 帽子も脱がない! って決めました。
これはミュージシャンに限った話ではなくて、「格好」が自分で腑に落ちていないと、伝えたいことも伝わらないんじゃないかって思います。クレイジーケンバンドは、その「格好」の部分は変わらないけれど、だからこそ時代時代で変化できる。変わらないからこそ時代に対応できるのではないかと、長年やってきて思うところです。
ロック・ミュージシャンのヒゲは、その「変わらない」ことへの意思表示なのかもしれません。
HIGE ILLUSTRATION:本秀康
プロフィール
小野瀬雅生/おのせまさお最新アルバム『FLYING SAUCER』が絶賛発売中のクレイジーケンバンド
のリードギタリスト。作詞作曲、アレンジでも活躍、さらに自身の
バンド=小野瀬雅生ショウ、イラストレーターの安齋肇とのバンド=
フーレンズでとしても活動中。執筆家や声優としての顔も見せる。
ひげのおじさんが続々来日決定!
Daniel Lanois / ダニエル・ラノワ
U2、ピーター・ゲイブリエルなど数多くのアーティスト
を手掛けてきた名プロデューサー。
東京公演
日時:2013年7月31日(水)-8/1(木)
大阪公演
日時:2013年7月29日(月)
Garth Hudson / ガース・ハドソン
伝説のロックバンド“ザ・バンド”のマルチプレイヤー
が、自身の76歳を祝う豪華バースデー・ライブ。
東京公演
日時:2013年8月2日(金)
大阪公演
日時:2013年7月30日(火)
Dr.John / ドクター・ジョン
第55回グラミー賞にて最新作『ロックト・ダウン』が、
「最優秀ブルース・アルバム」賞を獲得したことも
記憶に新しいニューオーリンズの生き証人。
東京公演
日時:2013年9月30日(月)-10月1日(火)
大阪公演
日時:2013年10月2日(水)
Michael Franks / マイケル・フランクス
洗練されたサウンドと囁くような独特のヴォーカルで
高い人気を誇るシンガー・ソングライターが贈る
成熟したステージ。
東京公演
日時:2013年10月28日(月)-10月29日(火)
大阪公演
日時:2013年10月31日(木)
SPECIAL COLLABORATION
ビルボードライブ6周年とひげのおじさんたちの来日を記念し、“ひげおじさん”でおなじみのウイスキー ブラックニッカとのコラボレーションが実現。ひげハイボール、ひげモヒートなど、ブラックニッカスペシャルを使用した“オリジナルひげカクテル”がビルボードライブに期間限定で登場します。
ひげのロックを聴きながら、ひげのカクテルで乾杯!
期間:
ダニエル・ラノワ公演(東京:7月31日、大阪:7月29日)
~マイケル・フランクス公演(東京:10月29日、大阪:10月31日)
メニュー:全7種類
ひげハイボール/ひげミスト/ひげバック/ひげコーク/ひげロック/ひげメアリー/
ひげモヒート
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