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JASMINE 『High Flying』インタビュー
やっぱり世界を見てます。「こっちにもいるぞ!」って言いたい。
日本の音楽シーンに“新たな夜明け”を感じさせた1stアルバム『GOLD』から3年弱。JASMINEは定期的に新作をリリースしながらも悩んでいた。大事なものを失いながら、勢いが減速したと感じながら、世界への想いの前に立ちはだかる現実に翻弄されながら、でも確かに進化の一途を辿りながら。当編集部では、2010年代の主役に成り得る天才の魅力を今一度伝えるべく、NGワードなしのぶっちゃけインタビューを敢行した。
アルバム『GOLD』までの勢い「減速した感じはあります」
--こうしてインタビューさせて頂くのは、2010年夏のアルバム『GOLD』リリースタイミング以来、3年弱ぶりになります。JASMINEにとって名盤『GOLD』から今日まではどんな日々でした?
JASMINE:大きく成長したかもしれないです。自分が出来ることを増やそうと必死になってましたし、考え方とかも変わったと思います。逃げがちだったところも変わったし、生きる上での知識も増えたかもしれないです。あと、人との関わり合い方。前の方が何も考えてませんでした。他人のこともそうだし、自分のことも。でも今はもっとひとつひとつのことに自分の意思を置いて……みたいな。
--なんでそんな風に変わろうと思ったんですか?
JASMINE:後悔したことがあったから。後悔しない為にはどうしたらいいか?みたいなことを考えるようになったんですかね。思いっきりヘコむときもあったんですけど、そういうときは伸びるときだから自分探しとかもしたし。冷静に周りを見渡してみて、今、自分に足りないものは何なのか? そのヒントをガーッと探すというか。
--そんなモードになったキッカケ、もう少し具体的に知りたいです。
JASMINE:……めっちゃ怒られたんです!
--(笑)
JASMINE:プロデューサーに。「おまえは歌を辞めんのか?」って言われて。辞める気なんかなかったけれど、どこを大事にしなきゃいけないか、どこをないがしろにしちゃいけないか、みたいなところが分かってなかったので。それで失ってしまったものもあったので……。だから悔しくて…………“おこ”です(笑)。
--JASMINEも怒ったと。
JASMINE:おこがアレらしいですよ。人間が行動に移る一番の種になる。で、怒らせてくれるのも愛情かなって思ったから、ちゃんと自分の中で吸収して、分解して、筋肉に変えようかなって。後悔するのは嫌だから。みんな後悔しないように生きていると思うんですけど、私は何が後悔か分かってきた。「こうなっちゃうのは嫌だ」っていうのが。だから『GOLD』から3年あって、自分のやりたいこととか、自分の失いたくないものの輪郭がだんだんハッキリ見えてきている感じがするんです。
--そうなると、どう生きたいかも見えてきますよね。
JASMINE:そもそも自分が誰だかよく分からない、みたいなところから始まっている訳じゃないですか。でもだんだん自分が一体何者なのかと、自分がどうなりたいのか。そこをどう組み合わせたらいいのか、みたいなところも見えてくる。なので、成長してる感じです!
--“自分の失いたくないもの”ってどんなものなんでしょう?
JASMINE:大事に思ってくれる人ですね。今まで残念ながら凄く自己中な性格で、“自分、自分”みたいな。自分のしたいことだけを一生懸命見ようとしていたんです。そこが答えだ、正解だと思って必死に追い掛けてて。でも自分が正しいと思ってやっていることでも、全然ダメなことって起こるから。当時はそれが分からず、ひとつの見方しかできなかったんです。
▲JASMINE 『High Flying -Behind the Scene』
--それで一度は失ってしまった?
JASMINE:そうですね。さっき「失ってしまった」と言ったのは、当時のスタッフのことです。取り上げられてしまった、みたいな。「甘えすぎだ」って言われて……。でも今考えると、本当に自立してなかった。そのときは本当に分かんなかったんですよね。甘えてる感覚もなかったし。でもそこをバコーン!ってされたことで気付けた。きっとこの先もずっといろんなことに気付いていくんでしょうけど。
--でも取り上げられた当初は納得いかない訳ですよね?
JASMINE:納得できなくても納得できるものに変えていくのは自分じゃないですか。私はどんなこともマイナスなことじゃないと思うようにしてるんで……チャンス!?みたいな。逆に凄くエネルギッシュになりました。
--今、自分の中で『GOLD』ってどんな作品という印象ですか?
JASMINE:作っているときは何もかもが初めてで、必死だった。でも必死ながらも物凄く楽しんで作ってた。「いいんだろうか? こんなに幸せで!」ぐらいの域。…………神様からの贈り物ですね、『GOLD』は。
--自分はその『GOLD』でもって、JASMINEはJASMINEと同じような思春期を送っている女の子たちのリーダーになると確信したし、これから音楽シーンにもどんどん衝撃を与え続けていくと思っていたんですが、当時、本人的にはどんなモードだったんでしょう?
JASMINE:曲を出しながらも、リリースがありながらも、どういう風にしていくのがJASMINEとしていいのか、求められているものは何なのか。JASMINEを形作っていく上で結構悩んでました。
--あれだけのアルバム作ったら売れて当然だし、これからJASMINEは好きなことやりたい放題だなって思ってたんですけど、ぶっちゃけると『GOLD』までの勢いって減速しましたよね。自分ではどう思ってました?
JASMINE:うん、減速した感じはあります。
--その要因は、今話してくれた悩みですよね?
JASMINE:そうです。自分がやりたいことをやることが全てじゃないから。世間とどうフィットしていくのかもそうだし、自分が出来ることと出来ないことを理解した上で、自分は何に挑戦していったらいいのか、とか。勢いよく『GOLD』を作った分、自分の器の小ささとかも感じて。
--なんで“器の小ささ”を感じたの?
JASMINE:夢はあっても、その夢に器が間に合ってない。自分でどんどん成長していかないことには、っていうところですかね。
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リリース情報
High Flying
- 2013/05/29 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2540(CD)]
- 定価:¥1,020(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
High Flying
2013/05/29 RELEASE
AICL-2541 ¥ 1,068(税込)
Disc01
- 01.High Flying
- 02.BED
- 03.High Flying (Instrumental)
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