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イェンス・レークマン 来日インタビュー

イェンス・レークマン 来日インタビュー

 2004年のアルバム・デビューから、独自の感性と快活なユーモアのセンスを湛えた良質なポップ・ソングを紡ぎ続けてきたスウェーデン出身のシンガーソングライター、イェンス・レークマン。2007年の『Night Falls Over Kortedala』がピッチフォークやガーディアン紙などの海外メディアより好評価を受け、その人気を不動のものに。トレイシー・ソーン、オーウェン・パレット、イゾベル・キャンベルなどとのコラボレーションを経て、昨年5年ぶりとなる新作『I Know What Love Isn't』をリリース。約7年ぶりの来日を果たしたイェンスに、最新作などについての話を訊いた。

時の流れに左右されない場所というのは、今の時代とても貴重だよね

??約7年ぶりの来日となりますね。

イェンス・レークマン:そうか~、もうそんなに経つんだね。

??7年前と今では、街並みがかなり変わってると思いますが、街には出てみましたか?

イェンス:少しだけね。結構時差ボケが酷くて。着いた日に代々木公園に行って、原宿で迷子になって…(笑)。公園では、多分伝統的なものだと思うけど、舞踊を観た。ホーンを吹いてる人もいて。とても歓迎されている気分になったよ。

??今まで様々な国を転々としていますが、現在はどこを拠点にしているのですか?

イェンス:自分のスーツケース。冷蔵庫みたいに大きいんだ(笑)。

??(笑)。ひとつの場所に縛られない方が気が楽?

イェンス:ほんとは、スウェーデンのヨーテボリに今住んでいるけど、メルボルンに"住んでるフリ"をしている時は、変な感じだった。ビザを持っていなかったから、本当の意味では住んでいなかったけど。やはり旅をするというのはいい気分だよね。東京に来れたり、メルボルンやアメリカにも行くことが出来るし。

??色々な国に拠点を移していたのは、シンガーソングライターとして人生の経験値を積む為?

イェンス:メルボルンは元々とても好きな場所だった。アヴァランチーズやチャプターミュージックに所属しているバンドなど、メルボルンから生まれる音楽は素晴らしくて、初めてツアーで訪れた時にも大勢のいい人達に出会った。でも孤立した場所でもあるので、住んでいる人々はそこから離れることをしないことが多い。僕にとっては良いところ、いつ行っても何も変わっていないから。時の流れに左右されないというのは、今の時代とても貴重だよね。

??イェンスの作品は、私たち日本人が連想するスウェーデンのポップ・ミュージックとは少し変わっていて…たとえば少し古いですが…カーディンガンズだったり、シャウト・アウト・ラウズ、アイム・フロム・バルセロナなどキラキラしたハッピーなポップ・バンドが多いでよね。

イェンス:うんうん。

??もちろんザ・ナイフのようなバンドもいますが、ホセ・ゴンザレスだったり、ポップでもひねくれていて、少しダークなイメージで。

イェンス:実はホセとは幼稚園が一緒だったんだ。

??そうなんですね!ある意味すごく濃い幼稚園ですね(笑)。

イェンス:アハハ。

??今名前を挙げたものを含め、英語で歌っているアーティストが比較的多いと感じます。母国語であるスウェーデン語と英語では、曲の印象が変わると思いますか?スウェーデン語より英語で詞を書く方が自然?

イェンス:英語で書く方が、自然ではあるね。全ての言語には、独特のフレイヴァーがあると思う。スウェーデン語は、僕にとってリンゴのフレイヴァーなんだ。スウェーデン語には、直訳すると“リンゴほっぺ”という言葉があって、元気とか健康的という意味。考えてみれば、カーディンガンズぽい感じだね。それを避けたいというのは、ずっと思っていた。スウェーデン語で曲を書くと、どの曲も"リンゴ"っぽくなってしまうから、もっと中立的だと感じる英語で書こうと思ったんだ。

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イェンス・レークマン「アイ・ノウ・ホワット・ラヴ・イズント」

アイ・ノウ・ホワット・ラヴ・イズント

2012/09/19 RELEASE
HSE-60137/8 ¥ 2,200(税込)

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Disc01
  1. 01.Every Little Hair Knows Your Name
  2. 02.Erica America
  3. 03.Become Someone Else’s
  4. 04.Some Dandruff on Your Shoulder
  5. 05.She Just Don’t Want to Be With You Anymore
  6. 06.I Want a Pair of Cowboy Boots
  7. 07.The World Moves On
  8. 08.The End of the World Is Bigger Than Love
  9. 09.I Know What Love Isn’t
  10. 10.Every Little Hair Knows Your Name

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