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さめざめ 『さめざめ問題集』インタビュー
女性の本音を綴った歌詞で注目を集め、昨年末にメジャーデビューした期待の新人 さめざめが、早くもベストアルバム『さめざめ問題集』をリリース。それに伴い、ユーザーから悩み事をTwitterで募集し、笛田さおり(作詞・作曲・ボーカル)による回答インタビューを実施した。
彼氏に依存してしまう人、流れで男女の関係を持ってしまう人、男性へ恐怖心を抱いている人 etc...。様々な悩みを抱えている女子必見の内容だ。
◆アリ地獄のような恋愛をしている人へ
“何もしないてい”でホテルに行く男女はよくいる
悩み1:【私の恋愛状態はさめざめの「恋人みたいに。」のような状態が多いです。いざというとき、相手から触られると最近くすぐったいという感覚を覚えます。どうやったら、こういう恐怖を感じなくなりますか?】
--…という内容のお悩みですけど、まず「恋人みたいに。」(注1)のような状態から抜け出すにはどうしたらいいと思いますか?
笛田さおり:ハマり方なら幾らでもアドバイスできるんですけどね(笑)。
--いや、是非とも抜け出し方を…(笑)。こういう友達以上恋人未満な関係で悩んでいる女性は多いと思うので。
笛田さおり:「恋人みたいに。」のような恋愛は、何回も“もう二度とこんな恋しない”って決意するのに、またダメな男にハマって、また“こんな恋はやめよう”と決意して…っていうのを繰り返してしまうんですよね。アリ地獄と一緒で、なかなか抜け出せない。だから、本当に抜け出したいなら、痛い目にあって、本当に落ち着きたいと思って、真剣に刺激よりも安定した暮らしを求めないといけないと思います。付き合ってもいないのにキスされて、そのままの流れで…とかよく聞きますけど、そういう誘惑にも負けずに自分でちゃんと線引きをしていかないと駄目。付き合っているのかいないのか、分からないままズルズルいかないようにすることが大切だと思います。
--そのままの流れで…って、結構よく聞きますよね。
笛田さおり:意図的ではなくても、本当に終電を逃してしまって、「まだ1時半だよね? カラオケ行くとしても私そんなに歌うの好きじゃないし~…」「オレ眠くなってきちゃった」「じゃあ…行っちゃおうか」「別にホテルに行っても何もしないしね♪」みたいな男女の流れって割と普通にありますよね。“何もしないてい”でホテルに行くという。今夜の渋谷も、そんな出来事がたくさん起きるんじゃないですかね(笑)。 ※この日は渋谷でインタビューを実施
男性について考えていないときの方が、いい男は寄ってくる
--確かに、男の人ってよく「眠くなっちゃった」って言いますよね。
笛田さおり:あれ、何ですかね。眠くなられても…って感じですよね(笑)。でも、「恋人みたいに。」のような恋愛から卒業したいのであれば、そういう人に惑わされないで、ちゃんと自分を大切にしてくれる人を見つけた方がいいと思います。そのうえで、自分も本当に好きだと思える人と巡り会うのって、時間は掛かってしまうかもしれないけど、その間に自分磨きをしながら毎日を生きていけばいいんじゃないですかね。
--では、相談者の方のように、男性に対して怖いという感情を無くすためにはどうしたらいいでしょう?
笛田さおり:怖いっていうのは少しビックリですね。何で怖くなってしまったのかなぁ。過去の何かがトラウマになっているのかもしれないし、色々原因はあるのかもしれないけど、怖いなら今は無理をして恋愛しようとする必要はないと思います。触れられて嫌だと思うなら、嫌な気持ちにならない環境に行った方がいい。今は男の人について考えすぎない方がいいんじゃないかなぁ。それでも恋愛をしたいと思うなら、体の関係とかではなくて、普通に健康的な恋愛をするように心がける。男性について考えていないときの方が、いい男は寄ってくると思いますよ。
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Interviewer:武川春奈
◆恋愛依存&自分に自信がない女の子へ
さめざめの曲、ほとんどが恋愛依存に当てはまりそう…
悩み2:【恋人ができたら何よりもそれに依存してしまうのですが、どうやったら治るのでしょうか?】
--というお悩みですが、「コンドームをつけないこの勇気を愛してよ」(注2)など、さめざめの楽曲で描かれる女性も異性に依存してしまうタイプが多いですよね。
笛田さおり:「コンドーム~」の女の子は本当に彼が全てというか、恋愛が一番だったりするので、依存に近いかもしれないですね。
--今回、ネットで恋愛依存症について色々と調べてみたんですよ。
笛田さおり:え、怖い……(笑)。
--(笑)。そしたら、恋愛依存症の人がやりがちな行動の中に“恋人のためならどんなことでもする”“何でも我慢する体質”というものがあって。これってまさに「コンドーム~」の女の子ですよね。
笛田さおり:いやぁ~怖い…。まさにですね。さめざめの曲、ほとんどが恋愛依存に当てはまりそうですね。相手が一番で自分は二番っていう日常を送っている子たちが、そうなりやすいのかなぁ。
--でも、世間的にはそういう女性よりも奔放な女性の方がモテません?
笛田さおり:そうなんですよねぇ(しみじみ)…。ただ、中にはウザイとか言いつつ、自分に合わせてくれる女の子の方が好きだと思ってくれる男性もいると…信じています。
何かに依存していることは自然なこと
--そもそも、相手に依存してしまう人は自分に自信が無いからなのかなとも思うのですが。
笛田さおり:そういう人が多いかもしれないですね。ただ、自信を持っている人でも、彼のことを好きになりすぎたり、恋に落ちるとそうなってしまうことはあると思います。
--新曲「ぶりっこぶりっこ」はそういう自信のない女の子にこそ聴いてほしい楽曲ですよね。
笛田さおり:目立たない女の子が、男の子と楽しそうに喋っている女の子に嫉妬しつつ、憧れを抱く心情を綴った曲ですね。ぶりっこに対して批判的な意見を持ちつつ、自分も気になる男の子にはぶりっこしていることに気づいて、結局“女の子のぶりっこは基本だよね”ってなる。女の子にはけっこう共感してもらえる曲だと思います。
--地味な女の子の応援歌とも言える曲ですよ。
笛田さおり:地味な学生生活を送ってきて良かったです(笑)。
--地味だったんですか?
笛田さおり:今さめざめをやっているなんて同級生が知ったら、「あの子がセックスなんて歌っているの!?」って驚くと思います(笑)。地味な学生だったけど恋はしていて、気持ちは伝えたいから告白もしていたんですよ。「あなたと私なんて釣り合わないのは分かっているけど、この気持ちは伝えたくて」みたいな感じで告白して。男の子からしたら「こんな地味な女の子と付き合いたくないよ」って感じだったと思います(笑)。
--では、この相談者の方にアドバイスするとしたら、どのような言葉をおくりますか?
笛田さおり:バッサリ言ってしまうと、その気持ちは終わらないというか、これからも何かしら依存しながら生きていくと思うんですよね。今は彼に依存しているけど、それが好きなアーティストになるかもしれないし、買い物になるかもしれないし。だから、ストーカーしたり盗聴器を掛けたり、度が過ぎる行動はダメですけど、何かに依存していることは自然なことだと思います。
--そこまで思い詰めなくても大丈夫だと。
笛田さおり:ただ、彼に依存している自分が本当に嫌なら、彼のことを考えない時間を作る。彼のことも今まで通り大切に想いつつ、趣味でも仕事でも何でもいいので、もっと自分のことに集中できるように努力してみたらいいと思います。自分の好きなモノでそういう時間を増やしていけたら、もう少しラクになれるんじゃないですかね。
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Interviewer:武川春奈
◆彼と“合わない”ことに悩んでいる女性へ
“彼氏”という存在を失うことが怖かったり
悩み3:【恋人が自分と性格も好みも特技も全部が全部まるで正反対です。喧嘩も、以前ほどではないのですがそれなりにします。今月で交際半年なのですが、これから二人もっと馴染んでいけるのかなぁと、日々悶々としています】
--これが最後の相談ですけど、何か言いたげな顔をしていますね(笑)。
笛田さおり:いや、好きだから一緒にいるのになぁ、と思って。喧嘩もして性格も合わないのに、それでも一緒に居るっていうことは、どこか惹かれる部分があるからなんじゃないかなって。それに、個人的には合わなくてもいいと思うんですよね。全て一緒だとお互いの世界が狭くなる気がするので。合わないから上手くいかないということよりも、それでも一緒にいる理由や気持ちをもっと大切にした方がいいんじゃないかなぁ、って思うんですよね。
--ただ、この方の年齢にもよるのかなと。相談者が10代だったら私も「これからだよ」と思いますけど、大人になってからの恋愛で、半年経ってもあまり馴染めない状態でいるというのは、悶々としてしまうものかもしれないですよね。(相談者の方の年齢は不明)
笛田さおり:あ~、年齢にもよるのかぁ。そのうえ結婚を見据えているなら、早めに見切りをつけた方がいいかもしれないですね。“惹かれ合っているから一緒にいる”という気持ちよりも、嫌な気持ちの方が強くて、それが我慢になって、本当に辛くなってしまっているなら、多分その方は運命の人ではないと思うので。
--笛田さんは早めに見切りをつけられるタイプですか?
笛田さおり:いや………(笑)
--その彼と別れることよりも“彼氏”という存在を失ってしまう恐怖を抱くこともありませんか? これも一種の依存なのかもしれないですけど。
笛田さおり:そういうの、よく聞きますし、実際ありますよね。私も寂しがり屋な人間なので、その人と別れることよりも“彼氏”という存在を失うことが怖かったりはしますね。あと、彼氏がいなくても、日々「こんなことがあってさ~」って報告できる男の子は欲しいと思う。
恋は体に良い。色々な人に恋しています。
--常に恋はしていたい?
笛田さおり:はい。恋は体に良いので。最近は妄想の恋がヒドくて…色々な人に恋しています。出逢ったことのない人とか(笑)。
--この相談者の方にも恋愛を楽しんでもらいたいですね。さめざめの唯一の幸せソング「ズボンのチャック」を聴いて、なんだかんだ彼と仲良くしてほしいです。
笛田さおり:この曲はお互いがお互いを求め合っているような歌詞なんですよね。彼は「お前デブだな、ブスだな、太ったな」とか暴言を吐きつつも彼女のことが大好きで、彼女も「ふざけんなよ!」って反抗しながら、そんなことを言われるのも好き、みたいな。相思相愛な男女の歌なので、相談者の方にもお互いを認め合える関係になってほしいですね。ただ、今の状態が辛いなら早く見きりをつけた方がいいと思います。
--お悩みは以上になるのですが、どの相談者の方にもベストアルバム『さめざめ問題集』を聴いて欲しいと本当に思いました。新曲「みんなおバカさん」は「愛とか夢とか恋とかSEXとか~シングルバージョン~」に次ぐ人生の応援歌ともいえる曲だし、女性の色々な心情が詰まった作品になっているので。ただ、メジャーデビューしてから約半年でベストアルバムって少し早くないですか?
笛田さおり: 40~50枚くらいシングルを出してから発売するのが、通常の世間一般で言うベストアルバムだと思うんですけど、『さめざめ問題集』は入門ベストという意味を持っていて。最近さめざめの音楽に興味を持ち始めている人にも聴いてほしくて、今のさめざめの名刺代わりになるような作品を作ったんです。
--以前インタビューさせて頂いたとき、“「SEX」や「コンドーム」と歌う事に対して恥ずかしさはない”“さめざめの曲が賛否別れることは自分でも覚悟したうえで作っている”と仰っていましたけど、それはメジャーデビューして約半年経った今も変わっていない?
笛田さおり:メジャーデビュー曲のタイトルが「愛とか夢とか恋とかSEXとか」ですからね(笑)。
--確かに。ベストアルバムも、“髪を切って 腕を切って 煙草吸って お酒呑んで そんぐらいで そんぐらいで 忘れられるもんじゃないだろ、おバカさん”(1曲目「みんなおバカさん」)という衝撃的な歌詞からスタートしますしね(笑)。
笛田さおり:そういうのがさめざめの一つのテーマだったりするので、隠すわけでも、それを押っ広げるわけでもなく、これからも今まで通り、更におもしろいものを作っていきたいです。
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Interviewer:武川春奈
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