ATLANTIC in TOKYO～アトランティックの名盤を東京ソウルバーチョイスで

Special

アレサ・フランクリン

ATLANTIC in TOKYO

　創立65年となるアトランティックからこれまでにリリースされてきたソウル史上に渾然と輝き続ける名盤の数々がオール1,000円で最新理マスター復刻。2012年末に100タイトルがリリースされ、名盤や入手困難であった作品たちに各所で話題となった。その好評を受け、第三弾、第四弾が次々とリリースされ、計200タイトルがラインナップされた。今回、アトランティックのR&Bを愛して止まないソウルバーの名店が第四弾の名盤をピックアップ。レーベル屈指の膨大なカタログの中からチョイスされた厳選の名作を紹介したい。

●日本最古の名店『George's』●

西麻布

　まずは、日本最古のソウルバーとして日本全国にその名前を知られる西麻布『George's』からのピックアップ・タイトルを紹介。店の主役として現役の活躍を続けるジュークボックスをバックに「ベタだけどね。」と店長がチョイスしたのは、70年代のアレサ・フランクリンを代表するアルバム『輝く愛の世界』、R&B、ポップ両チャートでトップ3に入る大ヒットとなったロバータ・フラックの代表作『やさしく歌って』、全力過ぎるオーティスのソウルがそのまま収録された『ヨーロッパのオーティス・レディング』の3枚。1964年から愛される店が選んだ珠玉の名作を楽しみたい。

アレサ・フランクリン
『輝く愛の世界』

ジェリー・ウェクスラー&アリフ・マーディンとの黄金のコネクションが復活し、名セッションマンたちの支えもあり、アレサの歌が一段と輝いた。スティーヴィー・ワンダーが作曲に加わった〈アンティル・ユー・カムバック・トゥ・ミー〉は流れるようなグルーヴでR&Bチャート1位を獲得。さらにボビー・ウーマック作でウィルソン・ピケットの名唱も忘れられない壮大なバラード〈アイム・イン・ラヴ〉もチャートを制覇した。
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ロバータ・フラック
『やさしく歌って』

クラシックやジャズを学び、新時代のソウル・ミュージックを生み出したロバータ・フラックの通算5作目。全体に静謐な空気が流れ、ロバータの滋味溢れる芯のある歌声を浮き立たせる。エレクトリック・ピアノの静かに揺れる音が印象的な〈やさしく歌って〉は全米ポップ・チャートで見事1位に輝き、数多くのカヴァーを生んだ。ジャニス・イアン作の〈我が心のジェシ〉もR&Bチャート19位のスマッシュ・ヒットを記録している。
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オーティス・レディング
『ヨーロッパのオーティス・レディング』

1967年、「スタックス／ヴォルト・レヴュー」のヨーロッパ公演に参加した際の熱狂を見事にとらえた傑作ライヴ盤。本国アメリカ以上の人気を得て、ヨーロッパの聴衆に大歓迎されたオーティスは、気持ちを抑えきれないように代表曲を惜しみなく披露し、歌に情熱を注ぎ込む。それに応える観客との一体感がすさまじい。ブッカー・T.&MG’sを中心としたバック・バンドの演奏もオーティスの熱気にあおられ激しく会場を盛り上げる。
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西麻布『George's』

東京都港区西麻布 1-10-7 ウェストフローラAZABU 2F
OPEN 20：00〜5：00 月曜〜土曜
PHONE 03-3401-8335

●知る人ゾ知る隠れ家ソウルバー『Ali-Ollie!!!!』●

恵比寿

　続いては恵比寿駅西口から3分、知る人ゾ知る隠れ家ソウルバーとして人気を誇る『Ali-Ollie!!!!』から。小野田氏がチョイスしたのは、無いわけじゃないけど、レコードを掘ってもなかなか入手し辛かったというインパクト世界初CD化のセルフタイトル『インパクト』、ソウル・ミュージックに触れるきっかけとなったアトランティックのオムニバスに収録されていたキング・カーティス『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』、「最高のベースライン！」と大絶賛した「ワッチング・ユー」が収録されるスレイヴの『ストーン・ジャム』の3枚。今回リリースされたリストを見て「渋いの並んでますね、印象深いタイトルが多いです。」と語ってくれた。

インパクト
『インパクト』

元テンプテーションズのファルセット・リード・シンガー、デイモン・オーティス・ハリスが結成した4人組ヴォーカル・グループのデビュー・アルバム。フィラデルフィア・ソウルの要人、ボビー・イーライがプロデュースし、同地のセッションマンが参加した本作からは、フィリーの王道サウンドが溢れ出てくる。軽快なダンサー〈ハッピー・マン〉と〈ギヴ・ア・ブロークン・ハート・ア・ブレイク〉がR&Bチャート入りするヒットに。
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キング・カーティス
『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』

1971年、歴史的な夜となったフィルモア・ウェストでのアレサ・フランクリンのコンサート。そこでバックを務めたキング・カーティスとそのバンドの演奏を記録した本作は、コーネル・デュプリー、ジェリー・ジェモット、バーナード・パーディーら、達人ミュージシャンたちが生み出す極上グルーヴを鮮度そのままにパックした傑作。〈メンフィス・ソウル・シチュー〉での「音の会話」が生み出す熱気に興奮を抑えることはむずかしい。
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スレイヴ
『ストーン・ジャム』

スティーヴ・ワシントンをリーダーに、1977年にアトランティックからアルバム・デビューしたスレイヴは、大所帯ファンク・バンドの代表的存在。屈強なベースとタイトなドラムが生み出す太いグルーヴを軸に、洗練されたメロディでヒットを飛ばした。本作からは〈ワッチング・ユー〉がR&Bチャート6位を記録している。スティーヴ・アリントン、カート・ジョーンズ、スターリナ・ヤングのヴォーカル陣も実力者揃い。
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恵比寿『Ali-Ollie!!!!』

東京都渋谷区恵比寿西1-3-2　東栄第2ビル501
OPEN 20:00〜3:00 月曜〜土曜
PHONE 03-5458-6005

●新宿三丁目ので楽しむ『Soul Joint』●

　色あせることのないDooｰWopから、Deep、Sweet、Funkまで楽しめる新宿三丁目の『Soul Joint』。アパレル関係から脱サラして始めたというこの店もすでに11周年を迎えた。音楽への愛が強いマスターはつい先日まで、メンフィス、ニューオリンズなどアメリカ音楽の聖地を探訪していた。そんな高島氏がチョイスしたのは、「レコードも持ってなかったから必ず買います！」と興奮を隠せなかったスピナーズのリード・シンガーとしても活躍したジョン・エドワーズの意欲作『ライフ、ラヴ・アンド・リヴィング』、「これはマスト過ぎる」と語ったパーシー・スレッジがソウル・バラード・シンガーとしての評価を確立した2作目『ウォーム・アンド・テンダー・ソウル』、最後は「ウィルソン・ピケットは全部だけど・・・」と苦悩しながら選んでくれたアトランティックでの7作目『ライト・オン』の3枚。

ジョン・エドワーズ
『ライフ、ラヴ・アンド・リヴィング』

ジョン・エドワーズのソロ第2弾となる本作は、アイザック・ヘイズとのコンビで数々のソウル名曲を生み出したデイヴィッド・ポーターがプロデュースを担当し、南部で制作された。サム・クックからの影響も濃い、柔らかさと力強さをあわせもったジョンのテナー・ヴォイスが、全編で心地よく響き渡る。中でもヒットしたバラード〈ベイビー、ホールド・オン・トゥ・ミー〉と〈ノーバディ・バット・ユー〉がハイライトだ。
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パーシー・スレッジ
『ウォーム・アンド・テンダー・ソウル』

実直な歌声に胸を打たれるソウル・バラードを数多く収録したパーシー・スレッジのセカンド・アルバム。オルガンが切なく響く〈ウォーム・アンド・テンダー・ラヴ〉はR&Bチャート5位、名ソングライター・チーム、ダン・ペン&スプーナー・オールダムが書き贈った〈イット・ティアーズ・ミー・アップ〉は同7位を記録し、バラード・シンガーとしての揺るぎない評価を獲得した。オーティス・レディングやエルヴィス・プレスリーのカヴァーも聴かせる。
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ウィルソン・ピケット
『ライト・オン』

スケールの大きい歌がミディアム・テンポに心地よく乗った〈シュガー・シュガー〉がR&Bチャート4位を記録。マイアミのクライテリア・スタジオなど南部録音を軸にした本作もまたピケットの代表作のひとつに挙げられる。ダイアナ・ロス&スプリームス〜ヴァニラ・ファッジで有名な〈ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン〉、名プロデューサー、デイヴ・クロフォードが手掛けた〈シー・セッド・イエス〉もヒット。
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