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japan(finds) vol.3: Wild Nothing
来日アーティストに様々なものを日本で探求、発見してもらう企画、japan(finds)!第三弾は、ヴァージニア出身のジャック・テイタムによるドリーム・ポップ・バンド、ワイルド・ナッシング。2012年度のiTunesベスト・アルタナティヴ・アルバムに選出された話題作『ノクターン』を引っさげた初来日公演をソールド・アウトさせたジャックとともに六本木21_21 DESIGN SIGHTにて6月2日まで開催中の『デザイン あ展』で日本の日常に溢れるデザインをインタラクティヴな展示を通じて体感してもらった。
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NHKEテレで放送されているデザインを題材とした子供向けTV番組『デザイン あ』を展覧会へと発展させた『デザイン あ展』は、シンプルながら革新的な展示が溢れ、子供はもちろん大人も時間を忘れて楽しめる内容となっている。今回はジャック自身にもiPhoneで興味を持ったものを撮影してもらった。
まず入り口を入ると会期中の100日間で、徐々に変化していく大きな「あ」の文字の広場をパチリ。メインの会場となるB1Fへ降りていくと幅広い世代の投稿による「あ」の作品が飾られた壁が来場者を迎える。中でも和テイストの作品を熱心に見ながら撮影していた。対面する壁には、前に立つ人の動きに合わせて「あ」の文字が動くインスタレーション【動く「あ」】が。さっそくジャックもチャレンジ!
TV番組『デザイン あ』の音楽、さらに今回の展覧会のディレクターを務めるコーネリアスこと小山田圭吾が手掛けた番組音楽に合わせ、モノと映像が部屋いっぱいにシンクロする【モノ・オトと映像の部屋】では、「クール!」とジャックも楽しそう。ここでは幼い頃に両親の影響で様々な音楽を聴きはじめ、父親からギターを教えてもらったこと、大学ではコミュニケーションと英文学を専攻していたが、大学4年生の時に現在のレーベルCaptured Tracksと契約して"日本にまで来れるようになった"経緯を話してくれた。
そして「お寿司」「本」「器」「お金」「学校」の5つのテーマに分かれたコーナーでは初来日ということもあり、やはり日本を代表する食べ物「お寿司」にまつわる展示に興味津々。「お寿司」を楽しむ為に必要な用具、バラバラに解体された「お寿司」の要素などをしばらく眺めていた。特に「お寿司」のちょうどいいサイズを当てる展示に興味をもったようで「これは何で出来ているの?とても精巧!」と愕き、「普段何げなく見ているものでも大きさが変わっていったり、そのパーツを分解していくとまったく違うものの見方が発見できて面白いね。」とコメント。
次は日本の伝統遊び「おりがみ」に挑戦。隣に座った子供たちと肩を並べ、モニターに映し出された"ふね"の折り方に習って、真剣な表情を見せる24歳。大きな身体ながら、器用な手先で丁寧に折っていく。"ふね"は初挑戦の彼にも容易かったようで、完成品に余裕の笑顔を見せた。
続いては「器」のコーナーへ。醤油さしの中身が見える展示では「中が見えなかった時は、なぜこういう形になっているか気にとめなかったけれど、ものというのは何でもちゃんと考えられて作られているんだね。」と感心。様々な「器」の模様を分解した展示では、カップヌードルのパッケージなどを写真に収めていた。
そして「お金」のコーナーで一番興味を持ったのが、千円札が8つのレイヤーに分解された【お金の解散】。長身を生かして上からカメラを向けるものの「あまりうまく撮れなかったよ~。」と嘆いていた。さらに100円で買える色々なものや各国のコインが並べられた展示では「色々な国にツアーで行ってるけど、ここにある1/3にも達してないな。」とのこと。他にも壁に空いた穴から様々な「あな」の役割を学ぶコーナーでは、思わず「あ!」と言葉に出していた。
楳図かずお、さかなクン、坂本慎太郎など、性別、年齢、職業などが異なる参加者が同じものを囲んでデッサンするTV番組でもお馴染みのコーナーでは、「いす」のデッサンにチャレンジ。これが意外とうまく、iPadで太さの異なるブラシを使い分けながら巧みに描いていく。最後に書き足したスマイルマークにもしっかり影をつけて完成した作品を投稿。すると他の来場者が描いたものとともに、会場内のスクリーンに映し出されていた。ジャック画伯による「いす」は上の段の左から2番目の作品。
そして最後に体験したのは音を使った2つの展示。一つめは、一見真っ白な3つのスクリーンを「音めがね」で覗くと、音のパーツが映像と組み合わさり浮き上がるというもの。そして二つめは廊下に響く音楽。普段展示には使われていない細い廊下を歩くと「あ」のハーモニーが何処からともなく聞こえ、まるで音に追いかけられるような不思議な感覚に。ワイルド・ナッシングの1stアルバム『ジェミニ』はすべて自身で録音し、制作したということもあり、やはり音の分解や組み合わさる模様が視覚的に体感できる展示が一番印象に残ったようだ。
21_21 DESIGN SIGHTを後にすると東京ミッドタウンを囲む桜並木を通り帰路へ。残念ながら桜はまだ咲いていなかったが、春の陽気な風に誘われ、欠伸をするジャック。この日はまだ始まったばかりで、初来日ゆえの過密スケジュールが続くそう。とはいえ、渋谷、原宿はもちろん高円寺にも足を伸ばしたそうで、時間があれば下北沢にも行きたいと来日を満喫している様子。初となる日本での公演にも手応えを感じた模様で、とても印象に残るライブになったと嬉しそうに語っていた。
ジャックが撮影した写真
展覧会情報
『デザイン あ 展』
開催期間: 2013年2月8日(金)~6月2日(日)
場所: 21_21 DESIGN SIGHT
東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
展覧会ディレクター: 佐藤 卓、中村勇吾、小山田圭吾
入場料: 一般 1000円、大学生 800円、中高生 500円、小学生以下無料
INFO: 21_21 DESIGN SIGHT オフィシャル・サイト
ヴァージニア出身のジャック・テイタムによるドリーム・ポップ・バンド、ワイルド・ナッシングの一夜限りの初来日公演が、3月15日に原宿アストロホールにて行われた。チケットはソールド・アウトということもあり、ステージフロアは入り口辺りまで観客で埋め尽くされ、ジャックを含むバンド・メンバーがステージに登場すると来日を待ちわびていたファンから大歓声が上がる。
ザ・スミス、オレンジ・ジュースなどの80年代UKギター・ロックを彷彿とさせる疾走感溢れるギター・リフが印象的な2ndアルバム『ノクターン』からのオープニング・トラック「Shadow」でライブがスタート。チープなシンセとジャックの切ないヴォーカルが絶妙に絡み合う「Chinatown」、ドリーミィーな胸キュン・ナンバー「Only Heather」など80年代インディ・ロックのエッセンスや"良心"を体現した淡く、初々しいポップ・ソングを次々と紡いでいく。
ミシェル・ウィリアムズがミュージック・ビデオに出演したことで話題となった「Paradise」のどこか切なく甘美なメロディ・ラインは、彼女が出演した『ブルーバレンタイン』の世界観に通じるものがある。『ノクターン』というタイトル通りに大半の曲が夜書かれたという今作は、映画同様、ノスタルジアや孤独感が感じられるのだが、不思議と記憶に残るのはみずみずしさや希望という対立する要素。さらにライブ・バンドによって演奏されることでフィジカルな要素が加わり、今作でこだわった繊細なサウンドメイキングと精巧なアレンジ、そして溢れ出るエモーションがよりダイレクトに伝わってくる。
アンコールでは、日本へ来る前にツアーを行っていたオーストラリアにちなんで80年代ネオアコ/ギターポップシーンを代表するゴー・ビトウィーンズの「Head Full Of Steam」のカヴァーを披露。客層が比較的若めということもあり、ちょっと反応は薄めだが、アーティストとしての影響が垣間見れる彼らしいセレクトに。そして待ちに待ったデビュー作からの「Summer Holiday」では自然とシンガロングが沸き起こり、会場は程よい心地よさとユーフォリアに包まれ、一足早い夏の訪れが感じられるライブとなった。
【Wild Nothing セットリスト】
2013.03.15 @ 原宿アストロホール
Shadow
Confirmation
Counting Days
Golden Haze
Only Heather
Chinatown
Nocturne
Live In Dreams
Paradise
This Chain Won't Break
Gemini
Rheya
The Blue Dress
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Our Composition Book
Head Full Of Steam (Go-Betweens cover)
Summer Holiday
ノクターン
2012/09/12 RELEASE
YRCG-90080 ¥ 2,409(税込)
Disc01
- 01.シャドウ
- 02.ミッドナイト・ソング
- 03.ノクターン
- 04.スルー・ザ・グラス
- 05.オンリー・ヘザー
- 06.ディス・チェイン・ウォント・ブレイク
- 07.ディサピアー・オールウェイズ
- 08.パラダイス
- 09.カウンティング・デイズ
- 10.ザ・ブルー・ドレス
- 11.レヤ
- 12.フィール・ユー・ナウ (日本盤ボーナス・トラック)
- 13.ノーホェア (日本盤ボーナス・トラック)
- 14.ウェイト (日本盤ボーナス・トラック)
- 15.ゴールデン・ヘイズ (日本盤ボーナス・トラック)
- 16.クワイエット・アワーズ (日本盤ボーナス・トラック)
- 17.テイク・ミー・イン (日本盤ボーナス・トラック)
- 18.ユア・ラビット・フィート (日本盤ボーナス・トラック)
- 19.アスリープ (日本盤ボーナス・トラック)
- 20.ヴァルチャーズ・ライク・ラヴァーズ (日本盤ボーナス・トラック)
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