Special

フジファブリック『VOYAGER』 インタビュー

フジファブリック『VOYAGER』 インタビュー

フジファブの新アルバムは聴後感が凄い!

現在も好評オンエア中のアニメ『宇宙兄弟』オープニング「Small World」をはじめ、人気を博したシングル曲が満載の1作について、メンバー3人に話を訊いた。
現体制で再始動した前アルバムから1年半。周囲から真価を問われる作品ともいえるが、「感じる暇がなかった」というほど多忙な時期を経て、凄腕ドラマーと共に完成させた『VOYAGER』の凄味を語る。

『宇宙兄弟』はむちゃくちゃ面白い!

フジファブリック 『Small World (short version)』
▲フジファブリック 『Small World (short version)』

--『宇宙兄弟』、アニメも原作も本当に面白いですよね!

山内総一郎(vo,g):むちゃくちゃ面白い! 元々加藤さんが読んでいたんですけど、面白いとは聞いていたし読みたいと思った所で、ちょうどこのお話を頂いて。読んでみたら「ぉぉおおおお面白い!」って。今でも先が気になります(笑)。

金澤ダイスケ(key):僕はすぐに読み切っちゃうのが勿体無いと思って……、勿体無い病? なのでちょっとずつ読みました。うちの実家は非常に星が綺麗に見えるんですよ。日本でも有数のスポットだったりするので、そうやって星を見ていたり、流星群の時とかは実家の駐車場に布団を引いて寝たりしてましたね。うち、レストランだから駐車場が広いんですよ。

山内総一郎:……そういうのを言っていこうよ。

金澤ダイスケ:え?

山内総一郎:何で今まで言わなかったの?(笑)

金澤ダイスケ:え、何か……、あんまり自分を出しすぎるのもいけないかなって思って(笑)。でもアレですよ、星と星の間にもっと小さい星があるのを発見して、天体望遠鏡で見てみたりとか。太陽も見てましたよ! 望遠鏡に付ける太陽観察用のアダプターとかありましたし、月も見てましたね。……って、今思い出しました(笑)。

--ちなみに、『宇宙兄弟』で好きなエピソードとかありますか?

山内総一郎:たくさんあるんですけど、良い話具合が胃もたれしない感じがあるんですよね。僕は(宇宙飛行士選抜試験の3次試験で)南波六太たちと同班になった関西人(=古谷やすし)のエピソードが好きなんですよ。合格した人間が居酒屋で祝杯を上げている時に、六太の携帯にメールを送る話とか、めっちゃ泣けるんですよね。

金澤ダイスケ:関西の人のくだりはいいよね~!

--また、アニメ『宇宙兄弟』は放送時間が日曜朝7時からということで、オープニングテーマ「Small World」を広い世代に聴いてもらうことができますよね。

山内総一郎:さっきもちょうどライブのお客さんの年齢層はどの辺なんだろうってメンバーで話してたんですけど、やっぱり同世代の方が多いのかなって。それは当然嬉しいことなんですけど、もっと下の方だったり学生の方だったり、小中学生から年配の方までと幅広い層に届けたいとは思います。
ライブに来てくれた時に味わったことのない感覚の演奏と言いますか、それを知ってもらうためのきっかけになるんじゃないかって。朝7時にお子さんが観ていたら、お父さんだって一緒に観るかもしれない。そうやって幅が広がっていったら良いですよね。

このアニメにはこの歌がないと成立しないという感覚

フジファブリック 『徒然モノクローム (short version)』
▲フジファブリック 『徒然モノクローム (short version)』

--昨年アニメ『つり球』OPに起用された「徒然モノクローム」では、サビの歌詞に主人公たちの名前を忍ばせるギミックがありました。フジファブリックは起用される作品を考慮した楽曲制作を心がけていますよね。

加藤慎一(b):こういったらアレかもしれないですけど、本来的には物語に沿ったことをしなくてもいいって言われてはいたんですけど、「それじゃ何かなァ……」って想いもあって、そういう仕掛けを作ってみたりしますね。

山内総一郎:僕らの世代には“このアニメにはこの歌がないと成立しないよな~”って感覚があるので、そういう所は意識しますね。この曲を作った時にイメージしていたのは『ふしぎの海のナディア』(※1)で。青々とした海が広がる映像から始まるオープニングがあって主題歌の「ブルーウォーター」があるから、あのアニメなんですよね。だから“この曲じゃなくても良いんじゃないか?”って思われちゃうのは嫌なんですよ。映像や物語が出てくるような曲、ですね。

--また、シングルのカップリングに収録された「Time」は金澤さんが作詞作曲を担当していますが(作詞は加藤と連名)、こちらも『宇宙兄弟』の世界観にフィットしていると感じましたよ。宇宙飛行士を目指す前の六太というか。

金澤ダイスケ:おぉ! それは初めて言われましたね。言われてみれば確かにそうかもしれない……。勉強になります(笑)。この曲は最初にメロディとコードがあったんですけど、コードやアレンジは4回くらい変えていて。その中で山内くんがポリリズム的なループ感のあるフレーズを弾いていたので、それがピアノと重なった時に“これでいこう!”と。そのループ感が繰り返す日常のループ感とリンクして歌詞ができて。

NEXT PAGE
  1. < Prev
  2. 常に変わっていかなければいけないという認識
  3. Next >

フジファブリック「Voyager」

Voyager

2013/03/06 RELEASE
AICL-2515 ¥ 3,204(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.徒然モノクローム
  2. 02.自分勝手エモーション
  3. 03.Magic
  4. 04.Time
  5. 05.Upside Down
  6. 06.透明
  7. 07.こんなときは
  8. 08.Small World
  9. 09.Fire
  10. 10.流線形
  11. 11.春の雪
  12. 12.Light Flight <album version>

関連キーワード

TAG

関連商品

PORTRAIT
フジファブリック「PORTRAIT」

2024/02/28

[CD]

¥6,600(税込)

PORTRAIT
フジファブリック「PORTRAIT」

2024/02/28

[CD]

¥3,300(税込)

プラネタリア
フジファブリック「プラネタリア」

2023/10/25

[CD]

¥3,300(税込)