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japan(finds) vol.2: Van Dyke Parks
来日アーティストに様々なものを日本で探求、発見してもらう新企画、japan(finds)!第二弾は、プロデューサー、ソングライターとして60年代から活躍を続け、ビーチ・ボーイズの『スマイル』の制作に携わったことでも知られるアメリカン・ミュージックの鬼才 ヴァン・ダイク・パークス。
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今回ヴァン・ダイク氏と一緒にお邪魔したのは、東京・武蔵小山駅前のCD&レコード店[PET SOUNDS RECORD/ペット・サウンズ・レコード店]。名前の通りビーチ・ボーイズ関連商品はもちろんのこと、珠玉のビンテージ・ポップスから知る人ぞ知る隠れた名盤、そして最新作まで、音楽をこよなく愛する店主の森 勉さん、森 陽馬さん親子による心のこもった独自のセレクトが魅力のお店。時間を忘れてじっくり店内を堪能するもよし、店主と音楽談義に花を咲かせるのもよし。そこにふらりと立ち寄れば、お気に入りの作品がきっと見つかる…32年間に渡り、地元の人々にはもちろん、多くの音楽ファンに愛され続けているお店と聞かされ、今回の訪問を楽しみにしていたというヴァン・ダイク氏。
お店に入るとまずは店主にご挨拶。「メイシ・ターイム!」といって自作の名刺をポケットから取り出して、名刺交換。さすが、日本のビジネス・マナーもばっちり心得ていらっしゃる!武蔵小山名物の人形焼などをプレゼントされ「エクセレント!」と、嬉しそうなヴァン・ダイク氏のにこやかな表情で店内は和やかムードに。
ご挨拶を終えると、早速CD選びスタート。今回、ヴァン・ダイク氏が自ら掲げたテーマは"音楽リスナーに必ず聴いて欲しい、音楽史にとって重要な作品"。テーマが決まると、迷う様子もなく次々とアーティスト名を挙げ、店内を歩き回って商品をピックアップしていく。そして商品を手に取ると、それらを並び替えている。どうやら"重要度ランキング"を作成してくれているようだ。
それでは、彼が選んだ作品の数々をランキング上位順に本人解説付きで紹介しよう。
ファンの為に購入した作品
『GREATEST HITS!』
ジム・クウェスキン&ザ・ジャグ・バンド
クウェスキンは、アメリカのルーツ・ミュージックには欠かせない人物だ。この素晴らしいグループを初めて観たのは1964年のマサチューセッツ州・ケインブリッジ(ハーヴァード大学、マサチューセッツ工科大学などがあり、秀才が集まる地)だ。彼は"フォーク・ハングアウト"という集まりをClub 47で行い、このグループには若きマリア・マルダー、その夫ジェフ、さらにウォッシュタブ・ベーシストのフリッツ・リッチモンドも参加していた。その時に彼が使用したウォッシュタブは、ワシントン州のスミソニアン美術館で保管されている。このクラブは、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ミシシッピ・ジョン・ハート、トム・パクストン、タジ・マハール…など様々なアーティストがキャリアをスタートさせた場所でもある。クウェスキンは、その時も、そして今でも、一番エネルギーに満ち溢れていて、豊かな"アメリカーナ"の守衛と言うべき存在だ。このアルバムは、そのフォークのジャンルの扉を開くもので、必聴盤だね!
『Ryuichi Sakamoto 映画音楽ベスト 「UF」』
坂本龍一
坂本龍一の作品の中から一枚選ぶというのはとても難しく、それはつまり、彼が多才だという証拠でもある。彼が『ラストエンペラー』の映画音楽でアカデミー賞を獲ったという事実は、そのキャリアのほんの一部分でしかない。彼は不真面目な音楽に真面目に向き合い、そのスリリングなアイディアで才能を開花させ、そして、彼こそ真面目に評価されなければならないことを、作品を通して証明している。彼が奏でる音楽はいかなる境界線をも越える。素晴らしい音楽の旅に必要なパスポートだ。これも必聴盤だね!
2,940yen(tax in) / WPC6-10243 詳細・購入はこちらから
『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』
ザ・バンド
これを選んだ理由は単純だよ。これまで制作されたロックン・ロール・アルバムの中で群を抜いている。ハングリー精神、洒脱、クレイジー、苦悩、穏健、"カントリー"育ち、すべてを持ち合わせている。ロックと言うジャンルが組織化される以前の、デニム・カルチャーが培った"生"の音楽だ。このアルバムは、絶対に聴いて欲しいね。ボブ・ディランの人生を変えた理由がきっと見えるはず。これも必聴盤だよ!
2,600yen(tax in) / TOCP-67391 詳細・購入はこちらから
『ゲッツ/ジルベルト』
スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
これが真の"サザン・コンフォート"だよ。ブラジル…なんてロマンチックなんだ。2人きりの時間、ダンスへの誘い、もしくはベッドルームへと導いてくれるかも。"ニュー・ビート"であるボサノヴァの基本で、その永遠の若さという魅力で、私達自身すら若返らせてくれる。一目惚れとはこのことを言うんだね。まさにデリシャスだよ!
1,800yen(tax in) / UCCU-6003 詳細・購入はこちらから
『Sparromania!』
マイティ・スパロウ
ロード・キチナーと共に、トリニダード発祥のカリプソとその黄金時代の皇帝とも言うべき存在。このアルバムは彼の最高傑作で、聴覚への最高の贈り物だ。私のこのジャンルへ対する愛は、言葉では表現できないね。不可欠な作品だよ。
『Live at Carnegie Hall』
カエターノ・ヴェローゾ/デヴィッド・バーン
デヴィッド・バーンは、やはり嗅覚が冴えてるね!このカエターノ・ヴェローゾとのアルバムは、南アフリカが誇る最高のミュージシャンを紹介するのに最適だ。北米と南米音楽のクロスオーヴァーによる音楽的発見。ただならぬ空気感があって、高まる期待感をも凌駕する歴史に残るライブ、忘れられないコラボレーションだ。
『ジャン・ジャン』
ジャン・ジャン(ママドゥ・ジャバテ/ボビー・シン/ジェフ・ラング)
時間が経つのを忘れてしまうぐらいのめり込める一枚。鼓動が早まるような強靭なリズムが待っていて、人生はセレブレーションだということを思い起こさせてくれるんだ。
2,625yen(tax in) / PCD-17357 詳細・購入はこちらから
『CHEGA DE SAUDADE』
ジョアン・ジルベルト
『NEO GEO』
坂本龍一
この2枚のアルバムをお気に入りに選んだのは、パラレルワールド中での2人の尽きない才能を忘れないためだ。優雅に並行飛行していく2羽の鳥…そして、果てしない青空が広がっている。
『NEO GEO』 / 2,520yen(tax in) / MHCL-1363 詳細・購入はこちらから
そして、ヴァン・ダイク氏は、店主や今回のお店訪問に同行してくださった音楽評論家・小倉エージ氏おすすめの国内盤や、今後一緒に作品を作る予定になっているアーティストの作品などを自分用に購入。ここでは、実際にそのCDを聴いてみた本人の後日談とともにそれらを紹介しよう。
自分の為に購入したCD
『Sweet Sound of Africa』
ミリアム・マケバ
この官能的なパワーを秘めるミリアム・マケバによる作品が無ければ、ネルソン・マンデラは自由を手にすることが出来なかったかもしれない。友人であるトランぺッターのヒュー・マセケラと共に彼女は人生を"セレブレイト"している。彼女は女性的な魅力と気品でアメリカの目をアパルトヘイトに向けさせてくれた。これも一目惚れした一枚だ。魅力的で、洗練されている。
『コンプリート・インペリアル・リバティ・シングルズ Vol.3』
ジャッキー・デシャノン
なんと美しいコーラスなんだ。そしてタイムレスで素晴らしい歌声。今になってより価値が上がった楽曲。私は、彼女に恋している。私たちは、オーケストラと共に再び音楽を一緒に作ることになるだろう。ここで打ち明けるが、彼女による私の「High Coin」のカヴァーが一番気に入っている。少年はいつになっても少年だ。ジャッキーは、私がいつまでも少年だということを思い出させてくれる。
3,150yen(tax in) / MSIG-822 詳細・購入はこちらから
『泣かせて頂戴 コケティッシュ・エキゾチック編』
川畑文子
このアルバムは絶対に聴いて欲しい。東洋と西洋の出会い。エルヴィス・プレスリーなんかより全然前に、日本には真の音楽探究家がいた。日本の音楽の歴史や作品を振り返る上で、必聴盤だ。"ワールド・ビート" 紀前、今でも重要な作品だ。
『サザン・ナイツ~アラン・トゥーサン・ソングブック』
V.A.
私は71年にワーナー/リプリーズへ彼を契約し、そして『サザン・ナイツ』のプロデュースを手掛けた。彼はニューオリンズそのもので、他に彼みたいなピアノ作曲家はいない。ハリケーン・カトリーナから生還したように、温暖化も平気だろう。彼の多くの作品は、カトリーナと共になくなってしまったけれど、残った素晴らしい楽曲がこのアルバムの中に詰まっている。
3,150yen(tax in) / MSIG-821 詳細・購入はこちらから
『トロピカルダンディ』
細野晴臣
このアルバムは、自分の信念を貫いたユニークな日本のスーパースターを紹介するのにピッタリな作品だ。日本から見た東洋と西洋の融合を表現する為にただならぬリスクを背負い制作された。彼は海外に向けて、日本の文化、ルーツ、ネオン、都市を色鮮やかに、その"イエロー"なマジックで照らし出してくれた。ブラザー・ハルオミ!
『嘉手苅林昌ベスト名演集 ~うた遊(あし)びの世界~』
嘉手苅林昌
生の食べ物を食したこと、または核爆発後の空気を吸ったことはあるかい?このアルバムは、水辺に育つ木のように、地面に足が着いていることを思い起こさせてくれる。もし音楽が宗教に勝てるのであれば、これがそのいい例だ。シンプルでありながらファンシーで、驚きに満ち溢れている。過去はまだ過ぎ去っていないこと。心が壊れるほど美しく、蝙蝠の洞窟から脱出を可能にする唯一のサインだ。
2,500yen(tax in) / COCJ-35010 詳細・購入はこちらから
お店での滞在時間はおよそ1時間強。最後に、店内に設置された来日記念コーナーの前での記念撮影&『スマイル』にサイン。そして、「ドモー!オツカレサマデシタ!」というヴァン・ダイク氏自ら日本語で今回の企画を締めくくってくれた。ちなみにこの後、ヴァン・ダイク氏は都内最長のアーケード街[武蔵小山商店街PALM]でランチにすき焼きうどんを食べ、大いにご満悦だったそうだ。
【Present】ヴァン・ダイク・パークスが選んだCDを抽選でプレゼント!
2月1日(金)〜3月31日(日)までの期間中にClub BBL会員に新規入会し、[ビルボードライブ]での公演をご予約されたお客様、または入会中で公演をご予約されたお客様の中から、ヴァン・ダイク・パークスが選んだCDを抽選でプレゼントします。 詳しくはこちら!
・プレゼント当選者発表は、発送をもってかえさせていただきます。ディスカヴァー・アメリカ
2007/12/26 RELEASE
WPCR-12755 ¥ 2,305(税込)
Disc01
- 01.ジャック・パランス
- 02.イントロダクション
- 03.ビング・クロスビー
- 04.スティールバンド・ミュージック
- 05.4人のミルス・ブラザーズ
- 06.気をつけて
- 07.ジョン・ジョーンズ
- 08.トリニダードのF.D.R.
- 09.スウィート・トリニダード
- 10.オカペラ
- 11.セイリン・シューズ
- 12.リヴァーボート
- 13.トバゴに捧げる詩
- 14.ユア・オウン・カムズ・ファースト
- 15.Gマン・フーヴァー
- 16.星条旗よ永遠なれ
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