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JUJU 『BEST STORY ~Life stories~』 インタビュー
11月7日にベストアルバム『BEST STORY ~Life stories~』『BEST STORY ~Love stories~』を2枚同時リリースするJUJUが登場。週7でクラブに通っていたNY時代や、テレビ出演が嫌だった時期。挫折を味わった故に気付いたこと、さらに“トキメキ依存症”だと言う自身の恋愛観について etc... 包み隠さず語ってくれた。
売れない不遇の時代を経て人気シンガーとなった彼女の赤裸々トークを、お酒のつまみにどうぞ。
NYはワガママに生きていいんだってことを教えてくれる街
--メジャーデビューから8年、遂にベストアルバムがリリースとなります。
JUJU:去年のツアーが終わる頃に話が出たんですけど、最初は正直“8年で!?”って思いました。ベストは10年とか20年とか、節目のときに出すものだと思っていたので。あと、ベストを出す=契約が切れるというイメージが強かったので、契約を切られるのかな?って(笑)。ただ、ファンの方からも「ベストを出してほしいです」っていう意見は以前から頂いていたし、2011年の後半の時点で、2012年は今までにない年になるだろうと思っていたので。
--というと?
JUJU:まず、10月10日(JUJUの日/日本記念日協会認定)に日本武道館で【ジュジュ苑】を開催することが決まっていたんです。それに、JAZZツアーを開催すること、MTV Unpluggedへ出演させて頂くことも決まっていて、私にとっては特別な1年になりそうだなと。さらに、7年前に作った「ありがとう」という曲が映画主題歌に決定して、2012年10月10日にリリース出来ることにまでなって、これはもうベストを出さずにはいられないかも!ってなりましたね。いつも聴いてくださっている皆さんへ感謝の想いを伝えたかったし、このタイミングでベストを出すことはありなのかもしれないなと思ったんです。
--JUJUさんはデビュー前、18歳で単身渡米してNYで音楽を学んでいたそうですが、NYというのはどのような街だと思いますか?
JUJU:大人がブラブラしている街(笑)。一体何をやっているんだろう?っていう人が多くて、人はワガママに生きていいんだってことを教えてくれる街です。自分のやりたいことをやるためだったら、誰かに合わせなくていいし、自分の時間割は自分しか決められないでしょ?っていうものが大前提にある。心さえしっかりしていれば、誰かに多少迷惑をかけたりしても、みんな許してくれるし、良い意味で大人のワガママがまかり通る街だと思います。
あの時あの場所にいなければ今の自分はいない
--しかも、その頃は本当に毎日クラブへ通っていたらしいですね。
JUJU:クラブの入り口にバウンサーと呼ばれる人がいて、そのバウンサーが気に入った人しか入れてくれないから、クラブにはイケてる人たちしかいなかったんですよ。当時は日本人が1人で遊んでいることが珍しかったし、私は変わり者だと思われていたから色々なクラブに入れてもらえることが出来たんです。 そこには有名な人もそうじゃない人もいるけれど、みんなDJの音楽が好きでクラブに来ているから、“この音楽が分かるなら気が合うよね”っていう感じで繋がりが広がっていく。音楽ありきで集まっているから、変なナンパとかもないし。音楽を通した人間同士の付き合いが、すーっごい楽しかったです。
--日本のクラブとは違いますか?
JUJU:全く違いますね。特にNYのクラブは法律で朝4時以降の営業は禁止されていて、夜11時頃~4時まで1人のDJが回すんです。だから、DJも起承転結をつけてドラマを作る。それも凄く楽しかったですね。
--ちなみに、クラブ以外の時間はどのように過ごしていたのでしょうか?
JUJU:寝ているか、呑んでいるか、食べているか(笑)。4時まで遊んでご飯を食べて、7時くらいに帰って寝て、起きたら夕方の4時くらいで。またご飯を食べてダラダラしていたら9時くらいになって、支度をして出掛ける。そんな生活を4年間続けて、3年を過ぎた辺りから本当に駄目だと思いましたね(笑)。 4年間遊び続けたあとは“うわ~時間を無駄にした!”って思いましたけど、人との繋がりを得ることが出来たし、あの時あの場所にいなければ今の自分はいない。今こうして歌の仕事をさせて頂けているから肯定できることなのかもしれないですけど、無駄ではなかったなと思います。
リリース情報
BEST STORY ~Life stories~
- 2012/11/07 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2462/3(CD+DVD)]
- 定価:¥3,300(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[AICL-2465(CD)]
- 定価:¥2,800(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
BEST STORY ~Love stories~
- 2012/11/07 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2460/1(CD+DVD)]
- 定価:¥3,300(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[AICL-2464(CD)]
- 定価:¥2,800(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:武川春奈|Photo:杉岡祐樹
歌いたくない曲が一切なくなった
--そして、2004年にデビューシングル『光の中へ』をリリースするわけですが、セールス的には…
JUJU:(くい気味で)すみません!
--やっぱり悔しさはありました(笑)?
JUJU:売れたらいいなという想いもあったけど、そう簡単に売れるものでもないだろうと思っていたし、“売れても売れなくても関係ない”って格好つけている自分がいました。それに、注目されることが苦手で、デビューするときもJUJUとしてではなくて、“プロデューサーのDJ HIROnycのプロジェクトで歌っている人”くらいがよかったんです。JUJUとして私が矢面に立つということは、良いことを言われるのも、悪いことを言われるのも全て私だし、怖かったんですよね。 あと、インタビューとかで恋愛の話題になったときも、当時長く付き合っていたボーイフレンドのことを気にして、言いたいことを全く話せなかった。向き合えていなかったんですよね、JUJUとも世の中とも。だから、楽曲が誰にも届かなかったんだと思います。
--ただ、2006年にリリースした3rdシングル『奇跡を望むなら...』が話題となり、徐々に認知度が高まっていきます。
JUJU:私、サラ・ヴォーンというJAZZシンガーが大好きなんです。JAZZってスタンダード曲を皆がそれぞれ好きなように解釈して歌っているから、歌い手によって表情や意味合いが変わるんですけど、彼女は全ての曲に対してスタンスが変わらない。感情で歌うよりも“物語りを聴かせる人”として歌っている気がして、そこが好きなんです。
--なるほど。
JUJU:だから私もサラ・ヴォーンみたいに歌えたらいいなと思っていたものの、最初は単純に歌が好きだから歌っていた。でも、ある時ライブで「奇跡を望むなら...」を歌ったときに、お客さんが“ありがとう”と言ってくれて、そこで初めて自分がどこに対して歌えばいいのかが見えたんです。 “リスナーが聴きたいものを歌いたい”と思ったし、歌いたくない曲が一切なくなった。それから今日まで私は“良い語りべでありたい”と思って歌ってきたから、私にとって楽曲は物語りなんです。だから今回のベストを“Life stories”と“Love stories”に分けたのも、今まで歌ってきた物語りを2つの短編集みたいにできたらっていう想いがありました。
全身全霊でこの曲に向かおうと決意した
--「奇跡を望むなら...」は歌うことに対する想いを変えたほど、大切な曲なんですね。
JUJU:1st、2ndシングルが売れなくて、最後の勝負曲としてリリースした作品なんですけど、本当は「ありがとう」を出す予定だったんですよ。それが色々な諸事情によってリリースを待つことになり、だったら「奇跡を望むなら...」しかないなと。私の中では“本当にこの曲でいいの!?”という想いがあったけど、せっかくリリースするなら今度は格好つけずに自分をさらけ出して、全身全霊でこの曲に向かおうと決意したんです。今思うとあの時は「奇跡を望むなら...」を出すべきだったなって納得いきますけどね。
--それは何故ですか?
JUJU:私自身も辛い時期で、“しんどいけど頑張っていきたい”という私のリアルな想いが聴く人の心に届いたからこそ、ライブで“ありがとう”という言葉を頂けたと思うんです。「ありがとう」は幸せな曲ですし、7年経った今リリースすることの方が納得できますね。
--JUJUさん自身にとっても、色々な状況を打破した楽曲だったわけですね。
JUJU:2005年くらいにそのボーイフレンドともお別れして、晴れてフリーの身になった私は、基本的に訊かれたことに対しては何でも答えるようになりました。年齢は公開していないですけど(笑)。それが「奇跡を望むなら...」を出した辺りですね。
--では、その彼と別れたことも大きかったりするのでしょうか?
JUJU:かなり大きいですね。むしろ、別れていなかったら今出来ていないことが凄く多い。
--その後も着実に人気を重ねていき、2009年の「明日がくるなら」リリース後からは、テレビ出演も増え始めていきます。そういう環境の変化に戸惑いは?
JUJU:最初はテレビとかには全く出たくなかったですよ。なんせ注目されることが嫌いなので。でも、ライブに来ることができない人のためにテレビがあるのかなって思うようになってからは、嫌じゃなくなりましたね。
リリース情報
BEST STORY ~Life stories~
- 2012/11/07 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2462/3(CD+DVD)]
- 定価:¥3,300(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[AICL-2465(CD)]
- 定価:¥2,800(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
BEST STORY ~Love stories~
- 2012/11/07 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2460/1(CD+DVD)]
- 定価:¥3,300(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[AICL-2464(CD)]
- 定価:¥2,800(tax in.)
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Interviewer:武川春奈|Photo:杉岡祐樹
私は“トキメキ依存症”
--「素直になれたら」や「明日がくるなら」をリリースした辺りから“着うた系歌姫”と呼ばれるようにもなりましたが、自分ではその表現をどう捉えていました?
JUJU:手軽に音楽を手に入れられる環境は素晴らしいと思いますけど、そこだけで括られることに対しては、ありがたい一方で「そこだけじゃないんだけどなぁ」っていう気持ちもありましたね。
--ただ、あの頃から曲を届ける人の年齢層を選ばなくなりましたよね?
JUJU:私の年齢的にも大人の方に聴いて欲しい思いはあるし、そういう音楽はこれからも続けていきますけど、若い方たちにも聴いてほしいという気持ちは強くあるんですよね。
--ちなみに、JUJUさんは他の女性アーティストに対して羨ましいと思うこともあります?
JUJU:ないですね。サラ・ヴォーンとディー・ライトのレディ・ミス・キアーと、キャロン・ウィーラーとシャーデーくらい(笑)。
--【ジュジュ苑】でもカヴァーした松任谷由実さんは?
JUJU:ユーミンは憧れすぎて違う場所に君臨しています。雲の上の、そのまた上くらい。他にも、山下達郎さん、サザンオールスターズさん、竹内まりやさん、キリンジさんとか好きです。
--そう言えば、髭も好きでしたよね?
JUJU:髭いいですよね! 大好きなんですけど、最近ライブにはあまり行けていないですね。でも音源は聴いてますよ。この前リリースしたソロアルバムも良かったですよね。
--また、“Love stories”編はラブソングを中心に収録されていますけどJUJUさんにとって恋愛とは何ですか?
JUJU:人間にとって必要なもの。そもそも私は“トキメキ依存症”だから、近所のコンビニやカフェ、ラジオ局の人とか、色々な場所にちょっとしたアイドルを見つけておくんです(笑)。そうすると、忙しいときでも「あそこに行ったらあの人がいるんだ」って頑張れる。そういうトキメキが好きなんですよね。だから、恋愛をしていない時はつまらないです。
周り道とか迷子になったりとか、色々あるけど全てに理由がある
--最近では「bouquet」「YOU」「sign」など深い愛を歌った楽曲が多くなっていますが、それは年齢なども関係しているのでしょうか?
JUJU:昔より考えられるようになったこともあるし、昔より考えなくなったこともある。やっぱり年齢的な部分は大きいと思います。8年前には歌えなかったなっていう曲もありますし。
--昔より考えられるようになったこととは?
JUJU:“全てのことに理由がある”なんて考え方は、8年前にはできなかった。嫌なことがあっても、今日はそういう日なんだなってうまくやり過ごせるようになったり、嫌なことも含めて不必要なものはないと思えるようになりましたね。
初期の頃に曲が売れなかったこととか、あの頃に言われた言葉だったりとか、「あんなこと起こらなかったら良かったのに」と思うことも多かったけど、それがなければ今の自分はいないですし。周り道とか寄り道とか迷子になったりとか、色々あるけど全てに理由があるんですよね。
--それは恋愛観にも反映されていたりします?
JUJU:恋愛は基本的にトキメキですから、そこだけずっと変わっていないですね。8年前に「Cravin'」という2ndシングル曲を作ってから、ずっとそんな感じです。
--でも「sign」みたいな曲(※1)もありますよね?
JUJU:そうですねぇ。なんて言うんだろう………いつか失うときがやってくるみたいな、常に諦観が自分の中に大きくあるんです。だから「sign」みたいに、失ってしまっても心に残っているモノがあるから前へ進めるっていう気持ちは、以前から持っている気がします。
--では最後に、今回ベストアルバムをリリースする理由を改めて教えてください。
JUJU:一区切りです。8年でまとめを作るなら、もう8年周期で生きていこうと思います。NYにいる友達は8年間髪の毛を伸ばし続けて、8年経ったら一回丸坊主にするんですよ。8年で一回、人は生まれ変わるんだって。それ、いいなと思って。“8”は無限大にもなるし、漢字の“八”だと末広がりだし、私には“8”がぴったりなんだと思います。
--今はどんなモードで音楽と向き合っているんですか?
JUJU:昔よりもすっごくニュートラル。何が来てもあまり変わらないというか、凪みたいな感じなんですよね。
Music Video
リリース情報
BEST STORY ~Life stories~
- 2012/11/07 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2462/3(CD+DVD)]
- 定価:¥3,300(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[AICL-2465(CD)]
- 定価:¥2,800(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
BEST STORY ~Love stories~
- 2012/11/07 RELEASE
- 初回限定盤[AICL-2460/1(CD+DVD)]
- 定価:¥3,300(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[AICL-2464(CD)]
- 定価:¥2,800(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:武川春奈|Photo:杉岡祐樹
BEST STORY ~Life stories~
2012/11/07 RELEASE
AICL-2465 ¥ 2,934(税込)
Disc01
- 01.光の中へ -Life stories Mix-
- 02.奇跡を望むなら...
- 03.Wonderful Life -Life stories Ver.-
- 04.空
- 05.LOVE TOGETHER
- 06.明日がくるなら
- 07.PRESENT
- 08.S.H.E.
- 09.Trust In You
- 10.また明日...
- 11.願い
- 12.花がめぐるところへ
- 13.ありがとう
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