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たむらぱん 『wordwide』インタビュー
本文で、たむらぱん自ら「一区切り」と発言しているが、前作より僅か9ヵ月のインターバルで発表されるニューアルバム『wordwide』は、彼女のこれまでのキャリアにおけるひとつの到達点。音楽的にも、メッセージ的にも、アートディレクション的にも、あらゆる面でひとつの高みに達した大傑作となっている。
それだけの作品を生み出した側らで、彼女は松平健『マツケンカレーの唄』を手掛け、ヴィジュアル系とアイドルとの対バンに挑み、初の展示会【たむらてん】を開催し、新たな世界への歩みを止めずにいる。今回のインタビューでは、そんなたむらぱんの天井が見えない可能性について迫った。
松平健~対ヴィジュアル系&アイドル~スピッツと
▲【-SuG VS たむらぱん VS BABYMETAL-】より
--「松平健さんが3種類のカレーを発売!プロモーション楽曲『マツケンカレーの唄』の作詞・作曲・編曲・コーラスをたむらぱん(田村歩美)が担当!」というニュースが舞い込んできたんですが、たむらぱん、すっかりマツケンさんのお気に入りですね。
たむらぱん:ハハハ!今回も前回同様にカレーの宣伝で、こういう企画にまた呼んでもらえたのは嬉しかったですし、逆に「こんな曲、歌ってくれるのかな?」みたいなところもあったんですけど(笑)快く歌って頂けて。大物の器の広さを感じましたし、経験値上げさせて頂きました。
--やっぱり曲作りはマツケンカレーを食べてから?
たむらぱん:曲作っているときはまだ食べられない感じだったので、想像で! インド編、欧風編、タイ編の曲をそれぞれ作りました。基本的にダジャレで構成されているので、好きな分野の仕事でしたね。ちゃんとふざけていい感じが。
--最近は外部交流が盛んですけど、8月の【-SuG VS たむらぱん VS BABYMETAL-】は、未だかつてないチャレンジだったと思います。ヴィジュアル系とアイドルとの対バン、いかがでした?
たむらぱん:本当に楽しかったですね。BABYMETALちゃんはすごく若いのにプロっぽいと思ったり、各アーティストが大事にしているところ。これまで一緒にやってきた人たちとはまた違う部分で感じました。あれはすごく良い経験だったなぁ。やっぱりそんなに多くはない機会だと思いますし。
--トップバッターで登場し、BABYMETALファンに「別に私がずっと出ててもいいんだよ」と嘯くシーンは上手いなと思いました。
たむらぱん:(笑)。私、BABYMETALちゃんに対しては本当に後悔していることがひとつあって、開演前に彼女たちが挨拶してくれたんですよ。ポーズを決めて「SU-METAL DEATH!!」って。それをなんで私はステージでやらなかったんだと!
--(笑)
たむらぱん:普通に挨拶しちゃった。そこだけが……あれをやっていたら盛り上がったんだろうなと思うと、心残りなんですけど。あれだけはいつかリベンジできたらなと思ってるんですけど。
--その為だけにもう1回対バン!? で、あのライブの最後は、SuGと繋がるきっかけとなった「ジェットコースター」で、全出演者のファンを鼓舞させるという感動的な光景を生み出しました。ステージに立っている側の手応えとしてはいかがだったんですか?
たむらぱん:本当に未知のイベントだったんですけど、その最後の感じとかも含めて「こういうお客さんたちがいてくれて、だから一緒にできるのかな」って。アーティスト同士の繋がりで何かをやることはもちろんあると思うんですけど、お客さんの繋がりが自分たちにとってどれだけ大きいか。そこが繋がってくれないと出来ないイベントだったと思うし、出てよかったと思えた一番の要因でしたね。お目当てじゃないアーティストのライブも楽しもうとしてくれている、そう思うとグッと来ちゃう。
--あのような異種交流は、楽曲の良さはもちろん、世間が持つ“女性シンガーソングライターのイメージ”からの脱却、たむらぱんの独自性を知ってもらう為にも必要な作業だと思うんですが、自分ではどう捉えていますか?
たむらぱん:すごくそうだと思いますし、ようやくそういうところが出来るようになってきたのかなって。で、そこが出来るようになると、自分のこともすごく好きになるというか、大事に思えたりするところはあって。だから私にとってもすごく必要なことだと痛感しました。そういうことが出来る自分ももっと培わなきゃいけないなって。やっぱり言ってるだけで伴ってないのは、一番みっともないなと思うので。
--そういう意味で、対バンしてみたいアーティストって誰かいますか?
たむらぱん:希望としては…………、スピッツ。
--デカイ名前が出てきましたね!
たむらぱん:前からスピッツは好きなんですけど、話題というか、ネタという感じじゃなく、音楽として一緒にやる。というところでの憧れはスピッツなんですよ。あとは、日本人じゃない人とやってみたい。今回、Shing02さんと「でもない feat. Shing02」を作ったニューヨークで会った人たちもそうだったんですけど、音楽の捉え方としてアーティストより作品が優先されている。そこは今の日本とは逆なような気がしていて、海外の方が音楽の見方がすごくフラットだから、一緒にイベントやるならそういう人たちとやってみたい。
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リリース情報
wordwide
- 2012/10/24 RELEASE
- 初回限定盤A[COZP-717/8(CD+DVD)]
- 「TAMURAPAN 5th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE」DVD付
- 定価:¥3,675(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回限定盤B[COZP-719/20(CD+DVD)]
- 「TAMURAPAN Music Video Collection」DVD付
- 定価:¥3,675(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤[COCP-37599(CD)]
- 定価:¥2,940(tax in.)
- ≪試聴可能≫
- 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄
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