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<インタビュー>Chara×HIMI ~ライブ共演を前に親子対談が実現。世代を超えた音楽のつながり、映画『ゾッキ』での主題歌デュエットを語る。



インタビュー

 デビュー30周年を9月に迎えるChara が、5月に【Chara Live 2021「私を離さないで」】を開催する。1991年のデビュー以降、唯一無二の個性で多くの名曲、名盤を生んできたChara。話題の映画『ゾッキ』の音楽監督を担当し、主題歌「私を離さないで」を息子であり佐藤緋美の名で俳優としても活動するHIMIと共作、初の親子デュエットが実現した。HIMIは、昨年、1st EP『STEM』で配信デビュー。millennium paradeのヴォーカルに起用されるなどアーティストとしても注目を集めている。CharaとHIMIの音楽をめぐる親子の関係はいかに育まれてきたのか、二人にたっぷり語ってもらった。

今はHIMIと同世代の若いミュージシャンがどんどん出てきているし、彼らがこれからのシーンを面白くしていくだろうから(Chara)

Chara:彼がHIMIとして音楽活動を始めてからは、同じ家の中でそれぞれが作曲やレコーディングをしている時間が増えてきて、ミュージシャン同士という感じがしてきましたね。

HIMI:もの心ついた頃から音楽はいつもあったから。楽器は小さいときに家にあったドラムを叩き始めたのが最初かな。父ちゃんのスタジオにもドラムがあったんです。

Chara:父ちゃんはハードコア、オルタネイティブ・ロックだったからね。

HIMI:そう。父ちゃんと母ちゃんは聴いてる音楽がまったく別だったんだけど、俺はどっちも聴いて育った。

Chara:私の記憶では、HIMIは子供の頃からマイケル・ジャクソンが好きで、高い声でよく歌っていたよ。

HIMI:歌うのは好きだったね。変声期の頃、お姉ちゃんが留学先から電話してきて、僕が出たら「今の声、誰?」って(笑)

Chara:姉のスーちゃん(SUMIRE)が驚いて泣いちゃったんですよ。本人は「風邪だよ」なんて照れていたけど。

――HIMIさんは反抗期はありましたか?


Chara:多少はあったけど、反抗期は子供の成長だと思うようにしたらずいぶん楽になったかな。ちょっとしたケンカは今もあるけど。

HIMI:そんなになかった方じゃないかな。音楽は父ちゃんの影響でパンクやレゲエも好きだったし、中学のバンドではグリーンデイのカヴァーもやったり、幅広く聴いてきたと思う。

Chara:スマパン(スマッシング・パンプキンズ)も好きだよね。そのうち、「母ちゃん、ジェームス・イハと一緒にやってたんだ」と気がついて。


▲(ジェームス・イハがプロデュースした)Chara「スカート」MV

HIMI:そうやって父ちゃんと母ちゃんが聴いていた音楽が自分の中で繋がっていった。それが面白かった。

――Charaさんのツアーやライブにも同行したことも?


Chara:ツアーにはあまり連れて行かなかったんだけど、東京のライブにはいつも来て、「開演まであと5分だよ」なんて舞台監督みたいなこと言ってたね(笑)。

HIMI:名越(由貴夫)くん、(高桑)圭、賢ちゃん(白根賢一)……小さい時はバンドのメンバーがよく一緒に遊んでくれたことを覚えている。

Chara:子供の頃からメンバーを知っているから、今もため口でね(笑)。この前も名越くんに「何かいいギター・フレーズ教えてよ」って。

HIMI:ギターは高校時代から弾き始めて、モデルの友だちと組んでいたバンドではドラマーだったんですけど、自分で歌い始めてからはギターにハマるようになって。

Chara:イケメンばかりのそのバンドもけっこう良かったよ。

HIMI:そのバンドではまだ歌っていなかったんだけど、たまたまライブで一度歌ってみたら、「イイじゃん?」って言われて、そこから歌もありだなと思うようになったことは大きいかな。

――HIMI名義でのデビューはどういう経緯だったんですか?


HIMI:音楽はずっと続けてきたので、そろそろ作品をリリースしたいと思って、レーベル〈ASILIS〉を立ち上げて、先ずは配信でリリースしていこうと。

Chara:私の知らないところで彼は自由にやっているんです。私がKing Gnuの常田大希くんのプロジェクト=millennium paradeにヴォーカルで参加した時も、すでにHIMIは仲良しだったもんね。

HIMI:そう。一緒にレーベルをやっている〈PERIMETRON〉のプロデューサー、西岡将太郎くんの事務所に遊びに行くようになって常田くんとも知り合った。その縁で、去年はmillennium parade の「Fly with me」のヴォーカルに呼んでもらって。常田くんに「エネルギーが欲しい」と言われて、プレッシャーはあったけど。

Chara:私はもうどうぞご自由にという感じですね。今はHIMIと同世代の若いミュージシャンがどんどん出てきているし、彼らがこれからのシーンを面白くしていくだろうからね。

HIMI:CharaさんもHIMIさんに刺激を受けることはありますか?

Chara:一緒に住んでいるから自然と刺激はもらっていると思うけど、私自身、最近はWONKや高木祥太くんのような自分より一世代、二世代下のミュージシャンとレコーディングしたり、ライブをしているので、HIMIの周りの仲間とも重なることもあって共有できることが多いんです。

HIMI:そうだね。お互いに情報交換できるのは大きいね。

Chara:自宅の作業部屋でそれぞれが音楽をつくりながら、『機材はちゃんと片付けてよ!』なんて小言を言ったり、英語が堪能な彼に歌詞の相談をしたりして過ごしているんです。

HIMI:母ちゃんが「寒い」と使わなくなった部屋を今は俺がRecの部屋にしていて、配信でリリースした曲の中には自宅でRecした曲もあるし、確かに環境には恵まれていると思う。


▲millennium parade - Fly with me

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(オリジナル・サウンドトラック) ドミコ ドレスコーズ Salyu Chara feat.HIMI 仲井戸“CHABO”麗市 quu AAAMYYY Feat.ermhoi,Julia Shortreed「映画『ゾッキ』オリジナル・サウンドトラック」

映画『ゾッキ』オリジナル・サウンドトラック

2021/03/31 RELEASE
PCCR-706 ¥ 2,200(税込)

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Disc01
  1. 01.なんていうか
  2. 02.ひとつも愛など
  3. 03.Face to Face -ゾッキver.-
  4. 04.私を離さないで
  5. 05.夏のカケラ
  6. 06.暗号
  7. 07.さりげなく
  8. 08.P.L.T
  9. 09.Baby I love you
  10. 10.ひとひかり
  11. 11.Down/Rain - 堕ちていく伴
  12. 12.Face to Face
  13. 13.Baby I love you (Instrumental)
  14. 14.私を離さないで (Instrumental)

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