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はるかりまあこ:HALLCA×仮谷せいら×AmamiyaMaako『TERMINAL』インタビュー
「スイスで超ヒットしてる」みたいなことだって起きるかもしれない
HALLCA(ex.Especia)×仮谷せいら×AmamiyaMaako=はるかりまあこ特集インタビュー敢行! 普段はソロアーティストとして活動する3人が巡り会うまでの音楽物語から始まり、未だかつてないユニットの在り方から生まれた奇跡のEP『TERMINAL』(思わず笑ってしまうぐらいポップで尖った楽曲群なので、ぜひ聴いてほしい)が完成するまで。そして、この先の夢やヴィジョンについても語ってもらった。
Especia解散からすぐに「ソロシンガーになろう」とは思えなくて
--普段はそれぞれソロアーティストとして活動されている訳ですが、はるかりまあこ結成に至るまではどんなストーリーを歩んでいたのか、まず聞かせてもらってもいいですか?
HALLCA:2012年から2017年までEspeciaというガールズグループで活動していたんですけど、解散してからすぐに「ソロシンガーになろう」とは思えなくて。なので、1年半ぐらいはMCの仕事をしたり、舞台に初挑戦したり。端から見たら迷走していた感があったかもしれないんですけど、今思えば、いろいろ自分の気持ちを確かめる期間だったんですよね。そうした日々を過ごしていく中で、元々Especiaの「海辺のサティ」「くるかな」などの曲を作ってくれていたPellyColoさんとご飯に行く機会があって「ストックの曲があるから、それに歌詞を付けてみない?」と提案してもらって生まれたのが「Milky Way」(2018年リリース『Aperitif e.p』収録曲)というソロ曲なんですけど、その曲を歌いたくてソロデビューすることにしたんです。
--Especia解散後すぐに「ソロシンガーになろう」と思えなかった要因は何だったんですか?
HALLCA:本当はやりたかったんです。まわりの関係者からも「賞味期限切れるよ?」とか「元Especiaとしてのネームバリューも早く活動しなきゃなくなるよ?」とか焦らされたりしたんですけど、でも当時の私には自信と勇気がなかった。それで実際に何者でもなくなって「私には全く価値がないんだな」とどん底まで落ちたんですけど、そこで初めて「新しい自分で歌っていこう」と思うことができたんですよね。それからもしばらくは人気的な面とかで現実を突きつけられたりしてツラかったんですけど、初のソロワンマンライブをやって、1stアルバム『VILLA』をリリースしてから新しい自分の形を少しずつみんなに理解してもらえるようになって、ソロから新しくファンになってくれる人たちも増えたりして、また音楽活動がすごく楽しくなっていって。
--ソロシンガーとしての人生も楽しめるようになっていったと。それはEspeciaの延長戦じゃなく、結果的にHALLCAとしてのストーリーをまたゼロからスタートできた功績かもしれないですね。
HALLCA:本当に「結果的に」って感じがします。私、今でも「Especiaという単語を言わないでおこう」とか全く思っていなくて、ライブやYouTube LiveでもバリバリEspeciaの曲は歌うし、MCでもEspeciaに触れたりするんですけど、不思議と「まだEspeciaを引きずってるのか」的な見られ方はしてないと思うんです。実際、引きずってないですし、だからこそ歌えているんだと思うし。そんな中で1年ぐらい前から「ソロ活動の土台が作れたな」と思っていたので、音楽性や活動の幅を広げる為に「コラボしたいな」と。その第一弾が今はるかりまあこで一緒に活動しているMaakoちゃんだったんです。一緒に『Floating Trip』というシングルを作ってリリースしたんですけど、そこからコラボのオファーがすごく増えて、5,6組ぐらいの方々とフィーチャリングなどでご一緒させて頂いて、その流れの中で自然発生的に生まれたのが今回のはるかりまあこ。
--今、名前の挙がったMaakoさんのストーリーも伺わせて下さい。
AmamiyaMaako:元々は細々とタレントっぽい活動をしていたんですけど、所属事務所が変わったりするタイミングで「音楽1本に絞ろう」と決めたのが6年前ぐらい。「自分に何か武器はあるかな」と探したときに、元々部活とかでバンドをやっていたので、その経験を活かせたらいいなと思ってDTMを始めて、そこから作品づくりをしていって、2017年に1stアルバム『Baby scratch』をリリースしたんです。それが音楽の道におけるデビュー作ですね。
--では、はるかりまあこにも通ずる(AmamiyaMaakoは、はるかりまあこのトラックメイカーも務めている)今の音楽性が出来上がったのは比較的最近なんですね。
AmamiyaMaako:そうですね。自分らしい音楽を見つけてからは4年ぐらい。フューチャーベースとかダンスミュージックをよく聴くようにしているので、その影響はあると思うんですけど、私はいろんなジャンルの「ここが好きだな」という部分を見つけるのが好きでして、例えば「モータウンのベースがすごく好きだな」と思ったらYouTubeでモータウンの動画をめっちゃ観て取り入れたり。ジャズヒップホップなど好きなジャンルのエッセンスを掻い摘んで自分なりに創作しています。
--ライブパフォーマンスも歌とサンプラーで行われていますけど、あのスタイルで勝負しようと思ったのは何故だったんですか?
AmamiyaMaako:中学生の頃にドラムをやっていて、それもあってフィンガードラムもできるサンプラーに興味を持ちました。サンプラーってピカピカ光って可愛いし、それをライブで使っている人もあんまり見たことがなかったんで「試しに買ってみよう」と思ったんです。ちょうどお正月で特売セールだったこともあって(笑)。それが結果的に運命の出逢いとなって、私の今の音楽スタイルが決まったんです。
--で、そのスタイルでライブをしていたら2人と出逢ったわけですね。
AmamiyaMaako:HALLCAちゃんとは代官山LOOPで対バンをセッティングして頂いたときに知り合って、同時期に名古屋のオーガナイザーの方にもHALLCAちゃんを紹介して頂いていて、その流れで「ライブで曲をコラボしなよ」と提案してもらって一緒に歌ったことがきっかけで仲良くなったんです。で、せいらちゃんも同じライブハウスの方が繋いで下さって対バンして、だから以前から顔見知りではあったんですけど、その時点では何かを深く話し合うような仲にはなっていなくて。でも、2019年末の私のミニアルバム『WEAR』のツアーが名古屋と大阪であって、そのときに「よかったらハルちゃんとせいらちゃん出てくれませんか?」とお声掛けしてから急にガッツリ仲良くなって、それで今に至る感じですね。
- コロナ禍での「会いたいな」から生まれた「#はるかりまあこ」
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:はるかりまあこ
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