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<コラム>Who-ya Extended飛躍の予兆、アニメ『呪術廻戦』主題歌に見える将来性
Who-ya Extendedとは何者か
「ボーカリストWho-ya(フーヤ)を中心としたクリエイターズユニット」であること以外、詳細なプロフィールは非公開。アーティスト写真もコンセプチュアルなイラストで、ユニットの神秘性に拍車をかける。まだまだ多くの要素が謎に包まれてはいるものの、音楽シーンにおいてWho-ya Extendedは、着実にその頭角を現し始めている。
彼らの登場はまさしく彗星の如く、突然の出来事だった。2019年9月、オフィシャル・サイトとTwitterアカウントを開設すると同時に、全くの新人ながらTVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』のオープニング・テーマに起用されるという、異例のスタートを切ったWho-ya Extendedは、そのタイアップ・ソング「Q-vism」をもってソニーミュージックからメジャー・デビュー。『PSYCHO-PASS サイコパス 3』は『踊る大捜査線』の本広克行が総監督を務める人気シリーズの第3期で、その話題性と楽曲のたしかなクオリティの高さを示すように、同曲は各チャートで好成績を収めた。iTunes総合デイリーやAmazonデジタル人気度ランキングで1位を獲得し、Billboard JAPANのダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”では、2019年11月4日付で11位に初登場している。
Who-ya Extended 「Q-vism」MUSIC VIDEO(TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』オープニングテーマ)
サウンドの近未来的でインダストリアルな質感、伸びやかで艶やかで、どこか陰も感じさせるWho-yaの歌声は、シビュラシステムが人間社会を管理する『PSYCHO-PASS サイコパス』のディストピア的な世界観にマッチしていた。過去にこの作品とタッグを組んだ凛として時雨やEGOISTなどを聴けば、なるほど近い系譜に連なると言えるかもしれない。もっと言えば、Who-yaが幼少期に聴いていたというリンキン・パークをルーツに見出すこともできそうだ。実際、2020年4月にリリースされた1stアルバム『wyxt.』は、ポスト・ハードコア的なアプローチの「Killing My Fear」「Too late to know」のような攻撃的なナンバーから、洪水のように押し寄せる轟音にWho-yaが美メロを乗せるミドル・バラード「Dogma-Agnostic」、フューチャー・ベースとファンクを見事に融合させた「G.O.A.T」まで、打ち込みのデジタル・サウンドを多用しながら、ハイブリッドな音楽性を1枚の中に閉じ込めることに成功した意欲作だ。
Who-ya Extended 1st full album 「wyxt.」 Trailer
対して、2月17日にリリースされた最新EP『VIVID VICE』の表題曲は、生のバンド・サウンドによって構成された楽曲。TVアニメ『呪術廻戦』第2クールのオープニング・テーマで、Who-ya Extendedの進化とさらなる飛躍を予感させるナンバーだ。というのも現時点で「VIVID VICE」は、商業的にもクリエイティブ的にも彼らの高い将来性を裏付ける広がりを見せているからだ。
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VIVID VICE
2021/02/17 RELEASE
SECL-2649 ¥ 1,375(税込)
Disc01
- 01.VIVID VICE
- 02.The master mind
- 03.VIVID BANG
- 04.Enough Is Enough
- 05.VIVID VICE (Instrumental)
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