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<インタビュー>きゃりーぱみゅぱみゅが語る“やりたい表現”への野心、新レーベル設立の背景とは
日本が世界へ誇るポップアイコン・きゃりーぱみゅぱみゅが、10周年を迎え新レーベル<KRK LAB>を設立した。第1弾となるシングル「ガムガムガール」は、中田ヤスタカのプロデュースによるゲームの世界へ入り込んだかのような未来派ポップだ。オリエンタルなメロディー、街道ビートがユーモラスでありながらも切なさを刺激する。
派手な激しいアクションが話題となっているミュージック・ビデオでの格闘シーンは、映画『るろうに剣心』のアクション監督である谷垣健治氏の指導によるもの。コロナ禍の影響で、米音楽フェス【コーチェラ・フェスティバル】への出演など、数々の海外ライブが中止や延期となっているが、2021年、新たな未来を見据えギアを入れ替えた彼女に話を聞いてみた。
もっと挑戦的にいろんなことを実験していきたい
――きゃりーさんといえば、YouTubeやSpotify、Apple Musicなどでは海外リスナーが増え続けていますよね? グルーバル・メディアでは海外リスナーのほうが多いぐらいで。
分かります。最近、YouTubeでメイキング映像とか出しているんですけど、コメントがほぼ英語で。あと、読めない言語とか。海外のほうが反応が早かったりするんですよ。
――それこそきゃりーさんは、10年前にYouTubeでバズったことがきっかけでワールドワイドな活躍が増えました。日本から世界へ、テクノロジーで道が開かれた先駆けとなったアーティストがきゃりーぱみゅぱみゅだと思っています。
わあ、ありがとうございます。
――2020年、コロナ禍となり世の中がガラッと変わりましたが、きゃりーさんはどんな日常になりました?
2020年は、海外でライブをする勝負の年だったんですよ。メキシコのフェスと【コーチェラ・フェスティバル】が決まっていて。自分ももちろん頑張ろうと思っていたんですけど、自分以上に周りのスタッフさんとか音響さんが「コーチェラで仕事できるなんて夢見たい」って喜んでくれていて。
――ああ、分かりますね。
もう2回ぐらい延期しているんですけど、アメリカも感染者が増えているから、最初は落ち込んでいました。もともと生でしかライブはやりたくない派だったんですよ。でも、こんなにライブができなくなると思っていなかったので、一度生配信ライブ【THE FAMILY 10.31】を去年のハロウィンの時期にやりました。そのときに気がついたのが「これって海外の方でも生で配信を観れるじゃん」って。海外には行けてないけど、オンラインで繋がれるっていう。それは良かったですね。
KYARY PAMYU PAMYU - Online Halloween Live 2020「THE FAMILY 10.31」
――うんうん。日常生活では?
家の中に観葉植物を5体ぐらい置きました。遠くにも行けないし。部屋にいて換気はするけど、なんかリフレッシュしたいなって。最初はちっちゃいのから始めて、今はけっこう大きなのを。毎日水をやったり、成長を見れて楽しいですよ。その辺が変わったことですね。
――そんなきゃりーさん、今年デビュー10周年となりますが、10年やってきたぞっていうお気持ちを伺ってもよろしいですか?
まさか10周年を迎えるだなんて、デビューした頃には思ってもいなかったので。わたし、性格的に目標を立てるタイプではないので。本当に応援してくださっている皆さんとチームのおかげですね。
――しかもご自身のレーベル<KRK LAB>を設立されました。どんなレーベルにしていきたいですか?
レーベル名の意味は“K Reversible K”なんです。本名もKから始まるんですけど、きゃりーのKと本名のKのどちらも自分という意味で、<KRK LAB>という新しいレーベルを立ち上げました。
――ああ、なるほどね。それは芯を食っているね。
今までの10年間は、主に音楽活動をやって走り続けてきたんですけど、最近たとえば香水をプロデュースしたり、ちょっと声優業をやってみたらすごい楽しくって。これまで使っていなかった脳みそがドドドって、奥のほうが動き出した感じなんです。なので、11年目からは自分がやりたいことをやっていこうというレーベルを立ち上げました。
――音楽だけに限らないレーベルなんですね。名実ともに実験室的な。
そうなんです。今までって、けっこう何でも屋さんにならないように気をつけてきていて、絶対に軸の真ん中は音楽だし。あまりコラボとか、そういうのはやらず音楽を大切にしてきたんです。でも、今回は新しくレーベルを立ち上げて、もっと挑戦的にいろんなことを実験していきたいと思っています。
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