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BABYMETAL、10周年記念インタビュー 道無き道を行く彼女たちの10年を振り返る
BABYMETALが10周年を迎える。
メタルとダンスを組み合わせたそのあまりにも独特なスタイルが物議を醸したのも今や昔。国内外での勢力的なライブ活動を通して磨かれたパフォーマンス力を武器に世界中の名だたるメタルレジェンドたちからの支持を集め、アルバムチャート「Billboard 200」では初登場13位を記録するなど、BABYMETALはメタルの枠を広げる“未来”として語られる存在にまで成長した。
メタルとは縁遠い存在だったはずの彼女たちは、どのようにメタルと出会い、そしてその過酷な道を駆け抜けてきたのか。10周年を記念したベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』のリリースを2020年12月23日に控えるSU-METALとMOAMETALに、BABYMETALとしての10年を振り返ってもらった。
メタリカのライブが鮮烈なメタル体験をもたらした
――今日はBABYMETALの10年間を振り返りたいと思います。SU-METALさん、MOAMETALさんともに当初はメタルを知らなかったとのことですが、メタルの魅力に気づいたタイミングを教えてください。
SU-METAL:2013年の【サマーソニック】でメタリカさんのライブを観させていただいたときですね。それまでCDでメタルを聴いていたんですけど、初めてライブを体験したら音が心にドスンと刺さってきたんです。「メタルって、耳じゃなくて心に刺さるものなんだな」って。それだけ強い音楽がこの世に存在していることに驚いて、メタルは素敵な音楽だと気づきました。
MOAMETAL:私は「ド・キ・ド・キ☆モーニング」の音源を聴いたとき、初めてメタルという音楽に出会いました。そこからメタルについてちょっと勉強し始めたんですけど、MVを観ても白塗りの怖い人たちが出ているし、音源を聴いてもだいたいみんな叫んでて何を言っているのかわからなくて、しばらくは「メタルの魅力ってなんだろう…」と思っていたんです。でも、私もSU-METALと一緒で、2013年にメタリカさんに出会ってメタルのかっこよさに気づいて殻を破りました。そうして、今では気が向いたらメタルを聴くような人間になりました(笑)
▲BABYMETAL「ド・キ・ド・キ☆モーニング」
――音源とライブでは何が違ったのでしょうか?
SU-METAL:そもそも音量の差があって「風が吹いているんじゃないか?」っていうくらいの音圧があるんですよね。そういう“全身で音楽を感じる”という体験もおもしろかったですし、あとはやっぱりオーディエンスの力ですね。それまで観てきた普通のライブでは見たことないような…
MOAMETAL:サークルモッシュして、ダイブしてっていう(笑)。
SU-METAL:そうそう(笑)。それも含めて「今まさにここで音楽が作られている」っていう感じがしたんですよね。これはBABYMETALのライブでもそうなんですけど、メタルのライブではアーティストとお客さんが一体となって空間を作り上げている感じがすごい素敵だと思いますね。
――初期のBABYMETALのライブは音源に合わせてパフォーマンスする形式でしたが、2012年10月には初めてバンド演奏によるライブが披露されました。どのように違いを感じましたか?
SU-METAL:私はそれまで生のギターやドラムの音をちゃんと聞いたことがなかったので、その時点で新鮮でした。そして初めてバンド形式で披露した曲が「イジメ、ダメ、ゼッタイ」だったんですけど、音が全然違っていて、何度もライブで歌ってた曲なのに、はじめましての曲に聞こえたんですよね。あれはもうびっくりしました。
▲BABYMETAL「イジメ、ダメ、ゼッタイ」
MOAMETAL:私もリハーサルの時に神バンドさんの演奏を聴いて、音の違いに衝撃を受けましたね。それと音源だけで聴いていた時って、ギターが何を鳴らしているのかとか、全然わかっていなかったんです。でも、スタジオに入って神バンドさんが弾いている手元を見たときに、一つ一つの楽器が一曲を成り立たせているということに改めて気がつくことができて鳥肌が立ちました。
――バンド形式になってから、お客さんの反応も変わりましたか?
SU-METAL:全然違いました。なんかノリが立体的になったんですよね。
MOAMETAL:うん、そうだね。
SU-METAL:それに一つ一つの音が際立っているから、ダンスと合わせた時によく見えるようになったと思います。そして、なぜここでこの振り付けがついているのかという意味もよく分かるようになりました。
MOAMETAL:私も振り付けについてそう感じました。それと、音源でのパフォーマンスって、私たちがそれに確実に合わせなきゃいけないものじゃないですか? でも、神バンドさんは私たちが何をやっても合わせてくれるので、すごくライブ感が強くなったと思います。他にもライブをやっていく中でいろんな発見がありました。
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リリース情報
BABYMETAL『10 BABYMETAL YEARS』
- 2020/12/23 RELEASE
- <通常盤(CD)>
- TFCC-86736 2,000円(tax out)
- <初回生産限定盤A(CD+「ALL MUSIC CLIPS」 Blu-ray付)>
- TFCC-86737 3,800円(tax out)
- <初回生産限定盤B(CD+「10 LEGEND ARTWORKS」付)>
- TFCC-86738 4,800円(tax out)
- <初回生産限定盤C(CD+「10 LEGEND MOVIES」 Blu-ray+ポスター付)>
- TFCC-86739 4,000円(tax out)
関連リンク
取材・文:照沼健太
カメラマン:宮脇 進 (PROGRESS-M)
ヘアメイク:aya watanabe
スタイリスト:Shohei Kashima (W INC.)
10 BABYMETAL YEARS
2020/12/23 RELEASE
TFCC-86739 ¥ 4,400(税込)
Disc01
- 01.Doki Doki ☆ Morning
- 02.Headbangeeeeerrrrr!!!!!
- 03.Ijime,Dame,Zettai
- 04.Megitsune
- 05.Gimme Chocolate!!
- 06.Road of Resistance
- 07.KARATE
- 08.THE ONE
- 09.Distortion (feat.Alissa White-Gluz)
- 10.PA PA YA!! (feat.F.HERO)
1.4k