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“ライブを見てほしい”--「キンモクセイ」で注目のオレンジスパイニクラブのロングインタビュー
10代前半から活動を共にしてきたオレンジスパイニクラブ(兄ユウスケと弟ナオトのスズキ兄弟、ナオトと幼馴染のゆっきー、そしてバンド脱退→再加入したゆりと)は、上京して2年足らずの今年7月以降、1stミニ・アルバム『イラつくときはいつだって』に収録される「キンモクセイ」がTikTokや音楽ストリーミングサービスを中心に好調な動きを見せている。CDセールスやストリーミング再生回数、ダウンロード、動画再生回数など8つの指標を合算したBillboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で「キンモクセイ」は最高20位(2020/10/19付け)、ストリーミング・チャートでは最高13位(2020/9/7付け)を記録しており、ここ最近はカラオケ指標でも順位を上げていることから、今後さらに順位を伸ばしていくことが期待される。
肩肘張らないゆるさが感じられる「キンモクセイ」には、ドキッとするような甘酸っぱい青春が詰まっており、どこかで見た青春映画のワンシーンがこの約4分間の楽曲の中で追体験できる。オレンジスパイニクラブは11月4日に早くも2ndミニ・アルバム『非日常』をリリースすることを発表。“ライブありきのオレンジスパイニクラブ”と語る彼らのインタビューをどうぞ。
写真左から:ゆっきー、スズキユウスケ、スズキナオト、ゆりと
――今年の1月に『イラつくときはいつだって』を出されて5月にサブスク解禁されましたが、それまで皆さんは福島県で活動されていたんですよね?
スズキナオト:出身は茨城なんですけど、ホームのライブハウスは福島でした。
――上京したのはいつ頃ですか?
ゆっきー:一度高校卒業のタイミングで俺とゆりとが上京したんですけど、失敗しまして……
――失敗の原因を伺ってもいいですか?
ゆっきー:(スズキ兄弟を指さして)一向にこの2人が出てこなくって。「俺たち後から行くから」って言われて先に東京に行かされたんですけど、2年ぐらい来なくて。そうしたら、ゆりとが脱退しちゃったので、俺は茨城に帰ったんです。謎の2年でした(笑)。
――その間、お二人は何をされてたんですか?
スズキユウスケ:家でぼんやりしてました。
全員:ハハハ(笑)!

――地元には「お互い東京でデビューしようぜ」というようなバンド仲間はいたんですか?
スズキナオト:いなかったですね。
――では茨城では、少数派というか、数少ないバンドだったんですね。
ゆっきー:周りにはいなかったですね。水戸に行けばもうちょっといるかもしれないですけど、俺らの近くにはいなかったです。
――音楽で生きていきたい、音楽に集中したいと思い始めたのはいつ頃ですか?
スズキナオト:ゆりとがバンドに戻ってきた頃に、今の事務所に所属することになったから……最近だ!
スズキユウスケ:2年ぐらい前だ。
スズキナオト:それまでは趣味というか、逃げ道だったんですけど、その頃から真剣に音楽をやりたいなと思い始めました。
――ご家族や周りの方たちの反対はありませんでしたか? 周りに音楽をやっている人がいないようなところだと、上京するのもなかなか難しそうですが……
スズキナオト:全然反対とかされなくて、半分諦めみたいな感じでした。

――これまでタワーレコードさんで全国流通はありましたが、5月のサブスク解禁をきっかけに、もっと全国的に聞かれるようになったと思います。TikTokでもたくさん「キンモクセイ」が使われていますが、急に今の流れになって、正直、今のお気持ちは?
スズキナオト:名前がナオトなので、インティライミってあだ名で呼ばれてる時期があったんですけど、そのナオト・インティライミさんが「キンモクセイ」をカバーしてくれて、すごくうれしかったです。
スズキユウスケ:やっぱり最初は嬉しかったですね。話題になって、いろんな人が聞いてくれて、シンプルに嬉しいなって。
ゆっきー:だんだん俺たちの手には負えなくなってきたね。
――TikTokユーザーは中高生といった若年層が多く、リサーチをすると、TikTokで流行る音楽にはエモさと共感性が関係しているようなのですが、みなさんは「キンモクセイ」のどこがユーザーにヒットしたと思いますか?
スズキユウスケ:サビの<ビビッときてるよ>が耳に残るんじゃないかな?
ゆっきー:<握ってたいのはスマホじゃない あなたの右手だ>もじゃない?
――この曲のミュージックビデオは2018年の12月に公開されていますが、曲ができたのもこの頃ですか?
ゆっきー:夏くらいにできていて、秋に出そうって話をしていたんですけど、ズルズル延びて、結局冬になったんです。
――この曲を作られたのはナオトさんですが、作られた時のことを覚えていますか?
スズキナオト:めっちゃ覚えてます!
――それはもう、ビビッと来たんですか?
スズキナオト:ほんとにそうなんです! メロディーを思いついたときにマジでいいなって、ビビッと来たので、それをそのまま歌詞にしたんです。
ゆっきー:へえ、そうだったんだ。
スズキナオト:もうホントに最高って思って、歌詞にも<最高>って入れて(笑)。曲ができてすぐにメンバーにデモを送りました。
――メンバーのみなさんはデモを聞いたときのことを覚えてますか?
スズキユウスケ:覚えてますね。バイト中だったんですけど、デモを聞いたときは「これはCMの話が来るぞ」って思ったんですけど……来なかったですね~。
全員:来なかったね~(笑)。
ゆっきー:それまでミュージックビデオを出したこともなかったんですけど、この曲でミュージックビデオを作って、しっかりバンドとしてやっていくんだって意識しました。曲ができたときは、ゆりとがバンドに戻ってくる前だったので不在だったんですけど……
ゆりと:でも、デモが送られてきて、「これをやるから戻ってきてくれ」って言われました(笑)。
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リリース情報
2ndミニ・アルバム『非日常』
- 2020/11/4 RELEASE
- PRM-021 1,800円(tax out.)
- 1. リンス
- 2. スリーカウント
- 3. 駅、南口にて
- 4. コーヒーとコート
- 5. またあとで
- 6. Finder
- 7. ドロップ
- 8. たられば
ツアー情報
【『非日常』リリースツアー“またあとで”】
- 2020年11月18日(水)名古屋CLUB QUATTRO
- 2020年11月26日(木)梅田CLUB QUATTRO
- 2020年12月5日(土)渋谷CLUB QUATTRO
- ※全公演ワンマン、イープラスにてチケット発売中
関連リンク
オレンジスパイニクラブ 公式サイト
オレンジスパイニクラブ 公式Twitter
Interviewed by Mariko Ikitake
Photographed by Yuma Totsuka
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