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<インタビュー>ReNがコロナ禍で再確認したこと、不安に寄り添う新曲「We’ll be fine」 について語る
2019年11月にキックオフしたツアーの最終公演が延期となってしまったReN。多くのミュージシャンが同様の状況に陥り、新型コロナウイルスの影響が音楽シーン全体に暗い影を落とす中、ReNは突如、新曲「We’ll be fine」をリリースした。世界中に渦巻く「不安」の空気感に優しく、温かく寄り添うようなメッセージ・ソングになっている。
この楽曲に込められた想い、制作の経緯や過程、ツアーを完走目前としたまま停滞してしまっている現状について、本人に話を訊いた。
「大丈夫だよ」って一言を
――最近はどういった過ごし方をされてますか?
基本は曲作りしてましたね。それでも時間は余るし。あとはゲームしてみたり(笑)。人に言えるような大したことはほとんどしてないんですよ。でも、やっぱり心の奥にずっと不安があって、何をやってもネガティブになりがちで、それは今でも続いてる。そんな時、自分にとっての不安のはけ口が音楽だったので、ここで自分の想いみたいなものをちょっと書いてみようと思って、できあがったのが「We’ll be fine」でした。
――この自粛期間は音楽活動にどんな影響を?
初めてリモート・セッションみたいなことをやってみたんですけど、やっぱり自分にとってのセッションって、同じ空間でやることにすごく意味があったんだなって感じました。遠隔でのセッションだと少し違和感があって。
――その一方で、星野源さんの「うちで踊ろう」のような、こういった状況だからこそ生まれたポジティブなムーブメントもありますよね。ReNさんも参加された「#うたつなぎ」もそうですし。
「#うたつなぎ」に関しては、実はやるかどうかずっと迷ってました。難しいことですけど、ああいうのはどんな意図でやるかどうかがすごく大切だなと思っていて。やらなきゃいけないからやるっていうことじゃないと思うし、こんな状況は前例がないから。自分の中でちゃんと腑に落ちれば、それはすごく意味のあることになるだろうし、観てくれる方々も楽しんでくれると思う。でも、何のためにやってるか分からないものを見る余裕なんて、今のみんなにはないと思うんですよね。
――それは今回の新曲「We’ll be fine」にも繋がる考え方だと思いますが、何か制作の発端になった出来事や思いがあったのですか?
自粛期間中、ほかにも色々な曲を書いてはいたんですけど、僕はあまり器用なタイプじゃないし、物事を同時進行でやるのが得意ではないので、楽曲制作中も世の中のことや今の自分の状況のことがちらちらと頭の中に常にあって、一度それを消化したいと思ったんですよ。
――ずっと喉に骨が刺さってるみたいな。
そうそう。
――今後ヘルシーに音楽を続けていくためにも、一度吐き出しておかないといけない気持ちがあったということですよね。
「大丈夫だよ」って一言を言ってもらえる安心感ってあるよなと思って。「これがこうで」とかあれこれ言って「だから大丈夫なんだよ」って言ってもらうより、一言だけ添えて背中をポンって叩いてもらったほうが、素直に納得できたりポジティブになれたりするじゃないですか。そういう感じ方を一つ歌にしてみたいなって。
――反響はいかがですか?
曲の持つ力は伝わったのかなとは思いますね。今の状況だからこそかもしれないですけど、ポジティブに捉えてくれる人も多かったし。僕の歌は悲しい世界観を綴っているものも多いですけど、みんながこういう世界観も受け入れてくれたのがすごく嬉しいです。
――作曲はどのように進めていきましたか?
ピアノでメロディを組み立てていったんですけど、最初はもう少しバラードでした。それにギターを重ねて1コーラス分ぐらいまで作って、ある程度の世界観ができあがったあと、ピアノだけを抜いてみて、今度はこっちの方向性でどんなアレンジが合うだろうかって考えていきました。
――歌詞より曲が先?
完全に同時でしたね。ピアノでリフを弾いて、それと一緒にギターを弾きながら「果てしない暗闇の中」って歌い出しが出てきた時に「あ、もう見えてきた」って感じでした。
――そこからアレンジをどのように広げていったのでしょう?
去年リリースしたEP『Fallin'』に収録されている「Hot and Cold」もプロデュースしてくれたDave Badiukにデモを送ったら、色んなアイデアを返してくれて、それに自分でギターとピアノを混ぜながら作っていきました。
――そもそもどんなやり取りからスタートしたのでしょう?
お互いの近況について「今どんな感じ?」とか「ライブできないらしいな」みたいな話をしていた時、「曲を書いたんだけど、どういう世界観が見える?」って感じでデモを聴いてもらったら「めちゃくちゃいいじゃん」って言ってくれて。それからもう少しダイナミックな世界観というか、気持ちいいサウンドにしてみようってことで、ポジティブなフィード・バックももらえたので、一緒にアレンジも組み立てていきました。
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リリース情報
ReN
シングル「We’ll be fine」
2020/6/12 RELEASE
リリース情報
ReN
シングル「We’ll be fine (English Version)」
2020/7/10 RELEASE
リリース情報
ReN
シングル「We’ll be fine (Acoustic Version)」
2020/7/22 RELEASE
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