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Quarter Century『SPEED STAR』デビュー記念インタビュー
2020年でデビュー30周年のLINDBERG・小柳“Cherry”昌法と、アニメ『ONE PIECE~呪われた聖剣』主題歌などでお馴染みの寺田岳史(ex.晴晴゛)。J-POPをこよなく愛するふたりが新ユニット・Quarter Centuryを結成! 年の差四半世紀の彼らが如何にして出逢い、共に音楽を奏でることになったのか。デビュー作『SPEED STAR』発売直前に語ってくれた。あらゆる年代のJ-POPフリークにご覧頂きたい。
「フラれたらどうしよう?」ってマジで不安だったんですよ(笑)
--まず岳史さん(以下、ガクシ)とCHERRYさん(以下、チェリー)が出逢った経緯を教えてもらえますか?
チェリー:初めて会ったのは、2002年か2003年ぐらいじゃなかったっけ? ガクシ:僕が17歳か18歳ぐらいのとき、晴晴゛でソニーからデビューする前にアーティスト寮に入っていたんですが、そこにスタジオがありまして。いろんな人が出入りしていたんですけど、いきなりLINDBERGのチェリーさんがぽこっと現れたんですよ。「なんでここにチェリーさんがいるんだろう?」と驚いたのが最初の出逢いですね。 チェリー:2002年でLINDBERGが1回解散した後に、NSPのバックバンドを務めていたんです。当時のイベンターの人が紹介してくれたんですけど、その流れでスタジオに入ったときに偶然出逢っちゃった。 ガクシ:それからしばらく時が経って、晴晴゛も解散したあとの話になるんですけど、Whiteberryの前田由紀がウチの事務所に入ってきたんです。それで「夏祭り」を歌いに行くキャンペーンで全国各地を一緒にまわっていまして、7年前ぐらいかな? 青森県のお祭りに出演したときに「あれ?晴晴゛のガクシくんじゃない?」と声をかけて下さったのがチェリーさんだったんです。でも、僕は最初の出逢いから十数年経っているし、当時はクソガキだったからただただポカーンとしていたんですよ。なので「なんでLINDBERGのチェリーさんが僕なんかに声をかけてくれるんだろう?」と思って、昔のスタッフとかにも連絡しまくって確認したら「アーティスト寮で会ったときのことを憶えていてくれたんじゃない?」って。 チェリー:その時は坂本サトルくんのソロプロジェクトに参加していたんですけど、青森は彼の故郷だったんです。それで「地元でライブする」って言うから僕も行って、本番前のステージ袖で見かけて「あれ?」みたいな。 ガクシ:そうなんです! そんな中、大先輩のチェリーさんが僕なんかのことをちゃんと憶えてくれていたのに、本当に失礼な話なんですが、自分は最初の出逢いをしっかり憶えていなかったんですよね~。なので、打ち上げの時に正座してめっちゃ謝りました(笑)。 チェリー:正座は嘘(笑)。 ガクシ:あと、チェリーさんはスーパーミュージシャンだから、僕の師匠筋の方やお世話になった人たちとも仕事されていて、共通の知っている人たちとの仕事の話で会っていなかった期間を埋められる、そんな打ち上げになったんですよね。そこから仲良くさせて頂けるようになったんですけど、2020年に僕もこの業界に入ってからちょうど20周年を迎えることになりまして、LINDBERGさんもデビュー30周年、そして、チェリーさん自身も還暦を迎えたりと。そんないろんなアニバーサリーが詰まった年にどうしても一緒に何かをやりたかったんです。あと、僕はソロシンガーで活動するよりも「相方が必要だ」と常々思っていたんですけど、どう考えても『小柳“Cherry”昌法』しかいなかったんですよね。--なるほど。
ガクシ:「同じ世代でバンド組める人なんていくらでもいるじゃないか」と思われるかもしれないんですけど、そうじゃないんですよね。僕は理想的な相方を求めていたんですよ。で、恐縮ながら、自分と並んだときの身長や髪型といったビジュアルワーク的な相性もそうだし、腕は確かだし、ネームバリューもあるし、チェリーさんは僕にとってまさしく理想的な相方だったんです。それで、僕から「一緒にやってください」と告白するわけなんですけど、コクる前日から緊張して眠れなくて! チェリー:ハハハハ! ガクシ:「フラれたらどうしよう?」ってマジで不安だったんですよ(笑)。だって、断られてしまったら、もう誰も相方にしたい人なんていないわけですから!「チェリーさんにフラれたらもう諦めよう」ぐらいの気持ちだったんです。で、眠れぬ夜が明けて電話するわけです。「僕と一緒にデビューしませんか?」とコクって。そしたら「LINDBERGのアニバーサリーツアーも控えているから、スタッフにも確認してみないと。一緒にやるとなったら真剣にやりたいし。だから半日ぐらい時間くれる?」ということで、その返事を待っている間は心臓バクバクですよ! ケータイの前でずーっと待機していました。--エピソードが完全に恋愛ですね(笑)。
チェリー:不思議な感じですよね(笑)。 ガクシ:だって、いろいろ考えると思うんですよ。年の差もかなり離れていますし、自分の親と同世代ですから。相手の気持ちになって考えてみたら「なんでこんなクソガキと付き合わなきゃいけねーんだ」と思うかもしれないじゃないですか! そんなことを考えながら半日過ごしていたんですけど、夕方ぐらいにチェリーさんから電話が来て、それをワンコールで取って(笑)。「OKです!よろしくね!」と。めちゃくちゃ嬉しかったんですけど、もう『あしたのジョー』のラストシーン状態でしたね。部屋のすみっこで燃え尽きていました(笑)。- 僕は90年代の音楽がどうしても好きなんですよね
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