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ザ・コインロッカーズが語る、13人編成であることの面白さと強み
38人から13人へと体制が変わり、新たに“ガールズバンドアイドル”というコンセプトを掲げて再始動したザ・コインロッカーズが、2ndシングル『僕はしあわせなのか?』をリリースした。表題曲は前作「憂鬱な空が好きなんだ」と打って変わり、繊細で儚げな心情を歌い上げた、エモーショナルなピアノ・ロック。さらにカップリング曲もバラードからスカまで、様々な音楽性を備えており、ユニークな編成ならではの多様性が生かされた作品となっている。そんな最新作について、そして新たに一念発起した彼女たちを突き動かす思い、情熱、夢について、セクション別の計3チームに分かれてもらい、話を訊いた。
<メンバー>
Emily(ギター / ボーカル)
絹本夏海(ギター / ボーカル)
下島輝星(ギター)
HANNA(ギター)
――まず「僕はしあわせなのか?」について、初めて聴いた時の第一印象を教えてください。
絹本夏海:「憂鬱な空が好きなんだ」と比べて、歌詞がまっすぐだなって思いました。誰が聴いてもスッと入ってくるというか。だからサビの部分とか、歌っていてすごく気持ちがいいです。
下島輝星:激しいロックっていうわけではないんですけど、サビを全員で歌っていることもあって、すごく盛り上がりのある曲になってますね。
――ギターはバンド内最多の4人編成となりますが、パートはどのように振り分けているのでしょうか?
下島輝星:基本的にリードがHANNAで、絹本がバッキングで、私が場合によって変わる感じです。で、Emilyがアコギでコードを弾くっていう。
――それぞれ演奏時に心掛けていること、気をつけていることがあれば教えてください。
下島輝星:私はアルペジオも交えつつ、主にコードを弾いてるんですけど、この曲ってリードが常に単音を弾いてるので、それをいかに邪魔せず引き立たせるかっていうのは気をつけました。あと、ギターソロはHANNAとハモってるんですけど、少しでもズレたら崩れちゃうので、チョーキングがすごく緊張します…(笑)。
Emily:先生にアコギはエレキやキーボードじゃなく、リズム隊のほうに寄るんだってよく言われていたので、私は右手のストロークを大事にしてます。演奏中もドラムとベースの音には気を配ってます。
HANNA:Aメロのアコギのカッティング、すごく聴き心地が良くて好き。
下島輝星:これだけの人数の中でアコギ弾くのって難しいよね。
Emily:特に速い曲だとストロークもついつい急いじゃって、細かいところが少し雑になってしまうので、もっと練習しなきゃ。
絹本夏海:「孤独でいることに慣れてしまった」はエレキが二人なので、私が初めて一人でバッキングをレコーディングしたんですけど、先生に「バッキングはいかにドラムとベースに寄り添ってリズムを刻めるかが重要だ」って教えていただいたので、そこには気をつけました。
――絹本さんは初心者からのスタートでしたが、ご自身の成長についてはいかがですか?
絹本夏海:めちゃくちゃ感じました!「憂鬱な空が好きなんだ」のレコーディングはギターを始めてから2か月ぐらいだったので。
――なかなかハードル高いと思います。
絹本夏海:前回はレッスン中も「そこはもう少しシンプルにしようか」って簡略化する作業が多かったんですけど、今回は「もう少しアレンジしてみよう」って部分もけっこうあって嬉しかったです。あと、明らかに変わったのがリズム感。前は全然ダメで、先生にも厳しく指摘されてたんですけど、あれ以来、リズムは強く意識するようになったし、今回のレコーディングの時も上達したって褒めてもらえて。
――ほかの皆さんはいかがでしょう?
下島輝星:私はもともとアヴリル・ラヴィーンさんがすごく好きだったんですけど、彼女は派手なギターを弾くというより、バッキングをかき鳴らしながら歌うスタイルじゃないですか。私も入ったばかりの頃はバッキングだったんですけど、最近はリードも任せてもらえるようになって、なんだろう……オリアンティになれたのかもしれない(笑)。
HANNA:(笑)
下島輝星:それは嘘なんですけど(笑)。自分も成長したなっていう。
HANNA:私もギター歴はそこまで長いわけじゃないし、この1年間でできるようになった技術も増えて、そういう積み重ねの毎日でした。
――では、ライブとの向き合い方に関しては?
下島輝星:面白くないライブは絶対にしたくないです。初めの頃は正直、演奏を第一に考えていて、棒立ちで弾いていたこともあったし、パフォーマンス力が全然なかったんですけど、それはプロとしてどうなんだろうって思い始めて、それからは狂ったように動くっていうのが自分のポリシーになりましたね。言い方は良くないかもしれないけど、間違えてもいいかなって思うんです。譜面通りの音楽を完成させることがライブではないなって。
――360°生ライブ配信で見ましたが、たしかにひと際激しい動きをされていましたね。
下島輝星:あれは珍しい環境だったので、ちょっと萎縮しちゃいましたけどね。お客さんの前だったらもっと…。「マジでピンと」の裏打ちのリズムとか楽しくてしょうがない。
Emily:「マジでピンと」は初めて聴いた時、テンションがすごく上がっちゃって、早くライブで演奏したいって思いました。
ザ・コインロッカーズ / 360°生ライブ配信「青春LOCKER2020~Vol.0~」
――今作の収録曲でいうと、「僕はしあわせなのか?」と「コインロッカーの中身」はお客さんの前でパフォーマンスした経験がありますよね。どんな手応えを感じましたか?
絹本夏海:「コインロッカーの中身」は「舐められてたまるか」って歌い出しから始まるんですけど、このバンドの境遇と重なるものがあって、それを歌うのが本当に気持ちいいんです。個人的に今後の自分たちの代表曲になると思ってます。
HANNA:やっぱり「アイドル・バンドなのに本当に弾いてるの?」って思われちゃうこともあるので、実際に演奏してるんだってことを示していきたい。
下島輝星:とにかくライブに来てほしい。昔はビートルズもアイドルって言われてたように、誰かの憧れになる存在がアイドルだと思うので、私たちはもちろん世間一般に浸透してる「可愛い」アイドルをやったっていいし、ビートルズみたいなアイドルを目指したっていい。それぞれの考え方が集まって、ザ・コインロッカーズというブランドが愛されればいいなって思います。
Emily:私は「可愛い」より「カッコいい」って言っていただくことのほうが多いので、もう少し「可愛い」って思ってもらえたほうがいいのかなと思っていて…。どこかから「可愛い」出てこないかな…。
HANNA:自然と出てくるから大丈夫だよ。
下島輝星:存在が可愛いもん。
Emily:でも、中身は中学生って言われます。
下島輝星:だって中学生でしょ(笑)。でも、ちっちゃい女の子はみんなEmilyが好きなんですよ。だから、無理してキャラを変えることはないと思う。
――では、ザ・コインロッカーズ全体として、今後どんなバンドになっていきたいですか?
絹本夏海:私はもともとアイドルさんが好きで、活力とか希望とか勇気をもらっていたので、私たちもメンバーそれぞれが個性を光らせることで、たくさんの人にポジティブなエネルギーを届けていきたいと思ってます。
下島輝星:現実的な話、まだまだザ・コインロッカーズは世間に知られていないと思うので、いかに目撃者を増やすか、ですよね。ありがたいことにTVやラジオにも出させてもらえてるので、そこでいかに注目を集められるかっていうのを自分たちでも考えていきたいです。
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リリース情報
ザ・コインロッカーズ
シングル『僕はしあわせなのか?』
2020/5/27 RELEASE
僕はしあわせなのか?
2020/05/27 RELEASE
WPCL-13195 ¥ 1,000(税込)
Disc01
- 01.僕はしあわせなのか?
- 02.コインロッカーの中身
- 03.僕はしあわせなのか? ~Instrumental~
- 04.コインロッカーの中身 ~Instrumental~
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