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<コラム>ドラマ『恋はつづくよどこまでも』との相乗効果も? Official髭男dism「I LOVE...」特有の広がり方
ドラマとの親和性の高さに注目
2020年に入り、昨年からのロングラン楽曲がチャートを賑わす中、日に日に存在感を増してきているのが、Official髭男dism「I LOVE...」だ。2020年1月15日にデジタル配信がスタートした本楽曲は、ダウンロード・ソング・チャートで通算5回の首位を獲得。ストリーミング・チャートでは、「Pretender」の週間最高再生数を超える700万回再生超えを4週連続で達成し、1位記録&髭男史上最高記録を更新し続けている。
▲「I LOVE...」
この快進撃を後押しする要因の一つとして、「I LOVE...」が主題歌のドラマ『恋はつづくよどこまでも』の存在は外せないだろう。1月14日より放送がスタートした『恋はつづくよどこまでも』は、憧れの人を追いかけ看護師になった佐倉(上白石萌音)と、その意中の医師・天堂(佐藤健)のラブストーリー。2人の織りなす"胸キュン"な展開が、回を追うごとにSNSで話題を呼び、最新話である第9話は、番組平均視聴率が第1~9話で最高の14.7%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録した。
そんなドラマの盛り上がりに一役買っていたのが、「I LOVE...」だ。毎回、本編の一番盛り上がるシーンで流れてくる本楽曲は、視聴者の気持ちをより高ぶらせる役割を担っている。イントロはホーンサウンドで華やかに幕を開け、落ちサビ的に歌をしっとり聴かせるパートを挟んでから、力強く印象的なサビへ。ドラマティックな曲展開が、シーンの盛り上がりにさらに拍車をかけていく。また歌詞の内容も、次第に佐倉(上白石)に心を解いていく天堂(佐藤健)の心情にリンクするようで、回を重ねるごとに聴こえ方が変わってくることも特徴的だ。
相乗効果はチャートにも
そんな楽曲とドラマの親和性について、チャートからも迫ってみたい。下記の図は、「I LOVE...」のビルボードジャパンチャートの各指標のポイントを折れ線グラフ、『恋はつづくよどこまでも』の各話の視聴率を棒グラフでそれぞれ表したものだ。
▲〈折れ線〉Billboard JAPANチャートの各指標のポイント
〈棒〉ドラマ『恋はつづくよどこまでも』視聴率※(ビデオリサーチ調べ・関東地区)
まず、デジタル配信がスタートした2020/1/27付チャート(集計期間:2020/1/13~1/19)では、3,100ポイントを超えるポイント数を記録し、ダウンロード・ソング・チャート初登場1位を獲得。“Official髭男dismの新曲”を心待ちにしていたファンの期待値の高さがうかがえる結果となった。ダウンロード指標はその後、一般的な流れの通り右肩下がりのアクションを見せるものの、シングルCDリリースに向けメディア露出が増えた影響もあってか、CDリリース週である2/24付チャート(集計期間:2/10~2/16)に向かってグラフは上昇。そしてまた緩やかに下降するかと思った矢先、ドラマが佳境を迎えると同時に再び右肩上がりのグラフを示している。なお3/16付チャート(集計期間:3/2~3/8)では、配信初週を上回る約3,600ポイントを記録した。
またダウンロード以外の各指標は、安定した軌道を辿っており、2/24付チャートのストリーミング・ソング・チャートでは、自身最高となる700万回再生超えを記録し、同曲初の1位を獲得した。さらに、3/9付チャート(集計期間:2/24~3/1)では、MV指標でも同曲初の1位を獲得する。同時期には『恋はつづくよどこまでも』も、無料見逃し配信の再生回数が、それまで再生回数1位だった『逃げるは恥だが役に立つ』を超えるなど“後追い”が急増。第6話からは4週連続で平均視聴率の最高を更新した。それらの反響が、主題歌の「I LOVE...」のチャートアクション、特にデジタル領域のようなライト層が接触しやすい指標を後押ししたのではないだろうか。
そして3/16付チャートでは、ダウンロード、ストリーミング、MV、ドラマ視聴率すべてが過去最高を更新した。この週には、カラオケ指標やTikTokの楽曲ランキングでも初のトップ10入りを果たし、「I LOVE...」がさらに広い層に浸透したことが想定できる。
楽曲、ドラマ共にじっくりと右肩上がりのアクションを見せてきた両者。ドラマ『恋はつづくよどこまでも』は、いよいよ17日に最終回を迎える。ドラマの結末はもちろん、オンエア後のチャート動向にも注目したい。
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