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FAITH、1stアルバム『Capture it』リリースインタビュー 「いつかはグラストンベリーやコーチェラに」



 早耳リスナーの間では、すでに注目の存在だった男女5人組バンド・FAITHがメンバー全員20歳を迎える記念すべき年に、いよいよメジャー・デビューを飾る。2015年に長野県伊那市で幼馴染とその友人たちが結成したFAITHは、そもそもは楽器を演奏することや歌を歌うことを楽しむためのバンドだった。そんな彼らがプロを意識するようになったきっかけはメンバー自ら語ってくれたが、ポップ・パンクを入口としたFAITHの音楽性は、その後どんどん幅を広げていき、今回リリースする1stアルバム『Capture it』では、メインストリームで勝負することを視野に入れながら、さらなる成長を遂げている。メンバーそれぞれにミュージシャンとして育ち盛りだったことに加え、メジャー・デビューをきっかけにバンドの意識が変わったことも大きいようだ。
 今回、19歳~20歳だからこそ鳴らせる音と、FAITHというバンドが持つさらなる可能性を封じ込めた1stアルバムを完成させた5人にインタビューを実施。バンドのバックグラウンドはもちろん、アルバム制作の舞台裏からこれからの目標まで、いろいろ語ってもらった。

賞が獲れなかったことが悔しくて、「ここで終わっていいのか?」って

――メジャー・デビュー、おめでとうございます。現在の心境を聞かせてください。

アカリ・ドリチュラー(Vo):楽しみという気持ちはもちろんあるんですけど、何だろう?(他の4人に)がんばりたいね(笑)。

レイ・キャスナー(Gt&Vo):まだ実感があんまりなくて。

ヤジマ・レイ(Gt&Vo):でもメジャー・デビューって、ものすごく大きいものだとは思うから背筋が超伸びるし、プレッシャーもあるし、これまで以上にがんばらないといけないなって思います。

レイ:やっとスタートラインに立てたんだと思います。

ルカ・メランソン(Dr):忙しくなるのかな(笑)。

――元々メジャー・デビューも含めて、音楽の世界で成功することを目標にしていたバンドなんですか?

ルカ:最初は全然違いました。

アカリ:プロを目指し始めたのは高校3年とか、高校を卒業してからだったから1年ぐらい前でしたね。元々は趣味と言うか、楽しいからっていうだけで始めたバンドだったんです。だから、高校卒業して1年でこんなことになるなんて、全然想像してなかったです。

――プロを目指したのは、どんなきっかけで?

レイ:男3人は小学生の頃から、なんとなくミュージシャンになりたいと思っていました。でも、このバンドを始めた時はまだ全然現実的じゃなくて、アカリも言ったように楽しいからやっていたんですけど。

ヤジマ:高2になったくらいから、周りの人たちからちょっと褒められるようになったんですよ。

レイ:で、「俺らできる奴なのかもしれない」って自信がつき始めて。

ヤジマ:でもうれしい反面、お世辞で言っているのかなって気持ちもあって(笑)。実際のところ、自分たちはどれくらい実力があるんだろうってすごく知りたくなって、【未確認フェステイバル2017】に応募したんです。そしたらファイナリストに残ることができて。それはすごく自信につながったんですけど、ファイナリストに残ったのに何も賞が獲れなかったことがみんなすごく悔しくて、「ここで終わっていいのか?」って。そこでプロを目指そうという気持ちが芽生えてきたんです。

レイ:でもその時は、プロを目指すってどんなことをすればいいのかわからなかった(笑)。

アカリ:漠然としていました。とりあえず考えたのは、「高校を卒業したら、みんなで東京に行こうか」ぐらいでしたね。ただライブも含め、技術は上げていかなきゃいけないというのはありましたけど、改めて何をするべきなのか、みんなで話し合いながら考えたのは、1年前に上京してきてから。そこでどういう曲を作るべきなのか、ライブはこうしたほうがいいよねとか考えながら、目標もより明確にしていったんです。海外に行きたいとか、でっかいフェスに出たいとか、売れたいとか、口で言っているだけの漠然とした大きな夢から、ちゃんと手の届きそうなと言うか、着実にやっていけばたどり着けるステージを目標に掲げて。その中の1つだったメジャー・デビューが今回叶ったわけなんですけど、そんなふうにメンバー全員の意識をまとめていったんです。

――ところで、FAITHの音楽を聴くと洋楽志向だと感じるのですが、みなさん自身はそういう意識はありますか?

レイ:めちゃめちゃあります。洋楽志向って言うか。

ヤジマ:そもそも、ルーツがみんな洋楽にあるんです。

ルカ:そこは親とか兄弟の影響が大きいよね。

レイ:バンドをやりたいと思ったきっかけが洋楽だったんです。

ヤジマ:コピーしてたのも洋楽だから、引き出しがほぼ洋楽なんです。だから作る曲も洋楽っぽくなる。

レイ:だから、意識して「洋楽やるぞ!」って言うよりは自然とやっていたって感じです。

アカリ:ふたり(レイ、ヤジマ)が持ってくるコード進行とか、リフとか、曲の雰囲気とかがそういう感じなんですよ。これで日本語の歌詞を作れって言われてもできないって感じで。

――メンバーのフェリバリットが、オール・タイム・ロウ、テイラー・スウィフト、レッド・ホット・チリ・ペッパーズだそうですね。「日本語の歌詞が乗らない」とアカリさんはおっしゃいましたが、だから英語で歌詞を書いているんですか?

アカリ:だからってわけでもないんですけど、日本語で歌詞を書くという選択肢がまずなかったんですよ。あたりまえに英語で書くものだと、なぜか思ってました。コピーしていたのが洋楽だったからというのもあるんですけど、私も英語のほうが歌詞を書きやすいし、表現しやすいと言うか、自分の感情に一番近いものが書けるんです。

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FAITH「Capture it」

Capture it

2020/01/15 RELEASE
VPCC-86291 ¥ 2,750(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Party All Night
  2. 02.19
  3. 03.September 7th (Updated)
  4. 04.Lonely
  5. 05.Our State of Mind
  6. 06.By My Side
  7. 07.Memory of You
  8. 08.Yellow Road
  9. 09.Caught Up in Time

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