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Da-iCE『BACK TO BACK』インタビュー “原点回帰”で改めて向き合うJ-POP、実力派ダンス&ボーカルグループの真髄とは



Da-iCEインタビュー

 今年の6月にベスト・アルバム『Da-iCE BEST』を発売し、25都市31公演の自身最大級の全国ツアーを完逐したDa-iCE。渋谷の小さなライブハウスから活動をスタートさせ、2014年にメジャー・デビューしたDa-iCEの真骨頂は何といっても、4 オクターブを誇るツインボーカルと、クールに華麗に、そしてダイナミックに魅了するパフォーマンス力の高さだ。彼らが12月18日に発売する最新シングル『BACK TO BACK』は、2020年に結成10周年目という新たな幕開けを前に“原点回帰”する、5人にとって大切な作品となった。
 その表題曲は、着々とキャリアを積んできた彼らがさらなる高みを目指す意気込みが込められた渾身のダンスナンバーだ。この曲はパフォーマーの工藤大輝がスウェーデン・ストックホルムで現地のトラックメーカーAlbin Nordqvistと共作した楽曲で、他メンバーとスタッフによる次期シングル候補のコンペにメンバーには内緒で提出した結果、満場一致で“一番かっこいい”と勝ち抜いた楽曲でもある。また同シングルにはボーカル兼パフォーマーの花村想太が作詞した「Damn it!」と、同じくボーカル兼パフォーマーの大野雄大が作詞した「Only for you」、そして、シンガーソングライターさかいゆうが楽曲提供した「VELVET EYES」がカップリングとして収録されている。ダンス&ボーカルシーンでの今後の躍進に期待が高まるDa-iCEに、J-POPへのこだわりやニュー・シングル『BACK TO BACK』について語ってもらった。

左から:岩岡徹(パフォーマー)、花村想太(ボーカル兼パフォーマー)、和田颯(パフォーマー)、大野雄大(ボーカル兼パフォーマー)、工藤大輝(パフォーマー)

それぞれが“らしさ”を追求した3曲

――表題曲「BACK TO BACK」はDa-iCEの原点回帰の曲ということですが、なぜこのタイミングで原点回帰なのでしょうか?

工藤大輝(以下:工藤):『Da-iCE BEST』を出した後のシングル曲なので、Da-iCE第2章の1曲目というイメージなんです。いいタイミングなので、ここで原点回帰しようと思いました。

――2019年の始めには曲が出来上がっていたんですよね。その時はまだベスト・アルバムも発売されていなかったと思うのですが……。

工藤:曲だけ先に出来ていたので、原点回帰の思いは、歌詞に詰めました。曲自体は、今のDa-iCEに欲しいライブチューンを具現化した感じです。コール&レスポンスをしながら煽りもできて、かつダンスもがっつり踊れる曲が、あるようでなかったので、時間が短いライブイベントの時にも、大活躍してくれる1曲になればと考えてます。


――たしかに、イベントで盛り上がりそうな気がします。それにしてもこの曲の振り付けが難しすぎませんか?

工藤:そうですね。僕らは常に前作を上回り続けているので、最新作が1番難しいっていうのはあります。

和田颯(以下:和田):毎回難しいと思いながら、過去の作品を振り返ってもどれも難しいよね。

岩岡徹(以下:岩岡):全部難しい。

花村想太(以下:花村):でも「BACK TO BACK」に関しては、半分が体力勝負やな。

大野雄大(以下:大野):すごいパワーを使うダンスで、全力で短距離走を走り切ったくらいになるよね。

工藤:初披露フリーライブのとき、体力的にキツすぎてびっくりしたもん(笑)。

花村:「歌えねぇ」って思った。(大野に)諦めかけませんでした?

大野:わかる! 絶対にキツいってわかってるのに、最初から全力でやっちゃって、途中で「やっぱりダメだったじゃん」って(笑)。久しぶりにフラっとしちゃったもん。


――想像以上にハードなんですね。2曲目の「Damn it!」は花村さんが作詞されたんですよね。

大野:タイトルの意味、天邪鬼だっけ?

花村:違いますよ(笑)。「クソ!」とか「悔しい!」っていう意味のスラングです。スタッフさんと考えてタイトルを付けたんですけど、わりと汚い言葉らしいですね。

大野:字幕で洋画を観てると、よく出てくるよね。「Damn it!」って。

花村:そうなん? 僕、吹き替え派やから……。

――ちなみに元のタイトルは何だったんでしょうか?

花村:「でも…」でした。「Damn it!」のほうが、歌詞のイメージが伝わりやすくなったので、変えてよかったなって思ってます。


――花村さんは歌詞のギミックや日本語にこだわりが強いイメージがあるのですが、実際どうですか?

花村:そうかもしれないです。柔らかい言葉を使いつつ、強い意味を持たせることができるのが日本語の面白さだと僕は思っていて、最近すごいって思ったのは、中島美嘉さんの「雪の華」のDメロ。<もし、君を失ったとしたなら 星になって君を照らすだろう>って綺麗な歌詞なんですけど、読解するとすごく怖いことを歌ってるんですよ。<失ったとしたなら>ってことは、別れたならってことじゃないですか。そして<星になって>ってことは、要するに自分で命を絶ってしまうってことですよね。要約すると、「別れたら死ぬで」ってことなんすよ。それをこんな綺麗に表現できるのは、日本語のすごさですよね。

――たしかに。そういうこだわりが「Damn it!」にも込められているのでしょうか?

花村:そうですね。「Damn it!」のテーマは、“裏腹な自分”なんです。日本人って「怒ってないよ」って言っていても、実は怒ってたり、「別にいいよ」って言っておきながらムカついてたりするじゃないですか。言葉が全てじゃないというか、そういう日本人らしさが入ってるかもしれません。

――そして3曲目に、大野さん作詞の「Only for you」が収録されていますが、この曲の柔らかい表現に、すごく大野さんらしさを感じました。

大野:本当ですか!? 実はかなり苦戦したんですよ。(2020年1月から放送のTVアニメ)『宝石商リチャード氏の謎鑑定』のエンディングテーマということで、いろいろ考えちゃって……。作者の方とも内容のすり合わせをして、友情の側面を強くしたほうがいいなとは思ったんですけど、デモを聴いたときに温かいイメージが浮かんだので、家族への愛や感謝を綴ってみたり、思い切ってバースデーソングにしてみたりしたんですけど、あんまりピンと来ず……。何度も書き直してこのかたちになりました。友達以上、恋人未満の同性の絆を僕なりに探してみました。


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