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マキシ・プリースト最新アルバム『It All Comes Back To Love』発売&来日記念インタビュー ~予期せず生まれたシャギーとの共同作
レゲエ、ラヴァーズ・ロック、R&Bなどジャンルを超えて愛される、マキシ・プリーストが最新アルバム『It All Comes Back To Love』を引っ提げて2020年1月に来日公演を開催する。今回の新作発売と来日公演を記念し、マキシ本人にインタビューを敢行。シャギーをプロデューサーに迎えたアルバムの制作経緯や、ポップ・レゲエのパイオニアとして1985年から約35年に渡り活動を続けてきた彼が思う音楽シーンの移り変わりについてなど、質問を投げかけてみた。
「“Good Music”(良い音楽)がコンセプト」
予期せず生まれたシャギーとの共同作
−−今日はインタビューのお時間を頂き、ありがとうございます!現在はどこをベースに活動しているのでしょうか?ニューヨーク?それともロンドン?
マキシ・プリースト(以下:マキシ):今は、ニューヨークにいるよ。基本的には、ニューヨークとロンドン、それからジャマイカを行き来しているんだ。
−−なるほど。3か所を拠点に活動されているんですね。それでは早速ですが、新アルバムのリリースおめでとうございます!前作『Easy To Love』から約5年ぶりですね。今のお気持ちは?
マキシ:え、もう5年前?そんなに経っていたとはね。ツアーとかで各地をまわっていると時間が経つのは本当に早いね。新作をリリースできて嬉しいよ。
−−今回はご自身の友人でもあるレゲエ界を代表するアーティスト、シャギーをプロデューサーに迎えたようですね。
マキシ:そうなんだ。シャギーと彼のクルーがプロデュースに携わってくれた。彼とは友人になってからかなり長いよ。良い友人関係を築けているし、ビジネス面においてもすごく良い関係を保つことができている。このアルバムの制作を始めることになったときも、お互いとてもハッピーだったし、制作中も、完成した後も、喜びに満ち溢れていたよ。今回は、BMG(レコード会社)のサポートもあって、俺たち2人にとって、一つの作品を一緒に作り上げていく素晴らしい機会になったよ。
▲Maxi Priest - I'm Alright (feat. Shaggy) (Official Music Video)
−−シャギーがプロデュースということ自体が驚きでしたが、どういった経緯で、アルバムをプロデュースをする流れになったのでしょうか?あなたから依頼したのですか?
マキシ:いや、そうではないんだ。シャギーがBMGのスティーヴ・グリーンバーグと何かのイベントで会った時に、2人の会話の中で俺の名前が出たようなんだ。ちょうどその時、俺がシャギーのスタジオで一緒に仕事をしていた時期だったこともあって、そのことをスティーヴに伝えたら、「どんな曲を作っているのか聴いてみたい」と尋ねてきたようでね。その数日後に、彼が実際にシャギーのスタジオに行って、俺たちの曲を聴いたたんだ。そしたら、「アルバムを作るのに興味はない?」とシャギーに言ってきたらしい。スティーヴがその提案をする前から、既にシャギーとは何曲か制作していたから、シャギーがアルバムを作ることに快く同意してくれたんだ。
−−なるほど、そういった経緯だったんですね。アルバム制作はどのくらいの期間でしたか?
マキシ:スティーヴが俺たちに提案してきてから、6〜7ヶ月といったところかな。去年末くらいから制作を始めたと思う。でも、その前からシャギーとは曲作りをしていたから、7ヶ月間で全ての曲を制作したわけではないけどね。
−−スティーヴからの提案前に作っていたのはどの曲だったのでしょうか?
マキシ:正直どの曲を先に作っていたかは忘れたよ(笑)。
−−(笑)。アルバムのリリースに関係なく、シャギーとは前々から曲作りをしていたということですね。
マキシ:俺たちが一緒にいるときには、いつも何かしら制作していて、常に新しいものを生み出そうとしている。クリエイティビティを大切にして、その時その時で様々なものを作っているんだ。でも、今日作った曲が、実際に世に出てるのがいつになるかはわからない。でも創造の進行を止めることはできないんだ。
−−ちなみに、シャギーと出会ったのは1992年に一緒にツアーをまわったときでしょうか?
マキシ:実際に出会った年は覚えていないけど、シャギーの当時のマネージャーとはとても親しい友人だったんだ。俺がイギリスで音楽を始めた頃、まだトラックの荷台でレコードを売っていた頃からの友人さ。それで、俺がUKで成功して、アメリカでツアーをすることになったときに、彼が「いいアーティストがいる。一緒にツアーに連れていったらどうだ?」といって紹介してくれたのがシャギーだった。そのツアーのリハーサルをNYでしたときに、実際にシャギーを連れて来てもらったんだ。その時に、DJとかのパートを彼にやってもらって、すごいイイ感じでね。一緒にツアーをまわることに決めたんだ。あの時はブラジルにも行ったかな。しかも、その頃に彼の代表曲「Oh Carolina」がUKチャートにもランクインして、シャギー自身もイギリスでの活動を考えるようになってね。マネージャーに「イギリスに行ってプロモーションした方がいいかな」と聞かれて「すぐに行くべきだ!」と話したことを覚えているよ。
−−そのツアー以降、お二人は良い友人でもあり、良いビジネス・パートナーとなったということですね。
マキシ:そうだね。音楽業界では珍しいかもしれないね。特にアーティスト同士がこういった関係になるという点においては、シャギーとは良い関係性を築けていると思う。お互いに電話もし合うしね。
−−素晴らしいですね。近い将来、あなたがシャギーのアルバムをプロデュースするという可能性もあるのでしょうか?
マキシ:ハハハ!それはわからないね!(笑)というのも、今作だって2人で計画して生まれた作品ではないから。スティーヴの発案がなければ、今作は無かったと思うよ。でもこれからも今までと同じように一緒に新しい音楽を作り続けていこうと思っているよ。
−−今作は本当に予期せず生まれた作品だったんですね。それでは、作品についての質問です。まず、アルバムのコンセプトを教えてください。
マキシ:“Good Music”(良い音楽)というのがコンセプトの一つ。それから、自分自身の進化・成長も。でも今作は特にテーマを決めて制作したわけではないんだ。でも結果的に全てが上手くまとまった。それは今作に限った話ではなくて、例えば12人のプロデューサーにそれぞれ曲を作ってもらっとしても、最終的にはどこか同じようなヴァイブスで自分らしい作品に仕上がるんだ。面白い話だけど、今作については、作品のタイトルが『It All Comes Back To Love』(全ては愛に戻ってくる)。まさしく俺が言わんとしていることを表しているね。色んな曲を制作しても、どれも俺らしいエネルギーを感じる作品になる。そして、その愛とは俺にとっては神を意味しているんだ。
−−アルバム・タイトルはあなたのアイデアですか?
マキシ:アルバムに収録されているタイトル曲「All Comes Back To Love」を作った後に、アルバム名もこれにしようと決めたんだ。制作チームのみんなも同意してくれたよ。
▲Maxi Priest - It All Comes Back To Love (Audio)
−−先ほどもお話しに出ましたが、あなたにとっての「愛」は「神」ということですが、世の中には色々な形の「愛」があると思います。世界的にも様々なことが起こっている中で、素敵なタイトルだなと思いました。
マキシ:今の世界では本当に色々なことが起こっているね。イギリスでもアメリカでも、悪いニュースが多い。政治に関わりたいと思ったことは一度もないけど、俺は音楽を通して世界に幸せをもたらせたらと思っているよ。
公演情報
マキシ・プリースト
Maxi Priest
ビルボードライブ大阪:2020年1月10日(金)
1st Stage Open 17:30 Start 18:30
2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2020年1月12日(日)
1st Stage Open 15:30 Start 16:30
2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
>>公演詳細はこちら
<Member>
マキシ・プリースト / Maxi Priest (Vocals)
アンソニー・ベネット / Anthony Bennet (BGV)
リチャード・キャンベル / Richard Campbell (Keyboards)
ヒューイ・ビデンドープ / Huey Buitendorp (Guitar)
タディー・ピー / Taddy P [Othniel Campbell] (Bass)
ポール・キャスティック / Paul Kastick (Drums)
最新アルバム『It All Comes Back To Love』
関連リンク
「自分の音楽(アート)を自分が好きな方法で表現すべきだと思う」
−−今作は、シャギーはもちろん、他にも豪華ゲストが参加していますよね。あなたの息子であるChe Savも。レコーディングはどうでしたか?
マキシ・プリースト(以下:マキシ):Che Savとの曲「It's A Summer Vibe (feat. Bounty Killer & Che Sav)」については、Che Savが曲のアイデアを持ってきたんだ。最初に彼がトラックを聴かせてくれたとき、「やっぱり別のにしようかな」と言ってきてね。でも私は気に入ったから「いや、これでいこう!」と曲作りを進めたんだ。一緒に曲を書き始めて、バウンティ・キラーにも入ってもらおうと私が思ってね。息子もだけど若い子はすぐに「やっぱり辞めた、次、次〜」という感じで曲作りをしてしまう傾向にあるけど、曲を作り終えることが大事なんだ。実際にバウンティに入ってもらったら、息子も「最高!」という感じでかなり気に入っていたよ。
▲Maxi Priest - It’s A Summer Vibe (feat. Bounty Killer and Che Sav) (Audio)
−−今回がChe Savとの初めての曲作りでしたか?
マキシ:いや、以前からやっていたことだけど、彼がもっと若かったからね。今はもうYouTubeとかで探したら出てくるから彼の曲も聴いてみてほしいね。ラップも歌も、トラック作りもできるんだ。Che Savだけじゃなくて、CoreyやMarvin Priestもチェックしてほしいね!
−−あなたの家族には音楽の血が受け継がれていますね。
マキシ:学校から帰ってくると、みんな家でずっと歌ったりしていたよ。
−−父と息子が実際に一緒に仕事(曲作り)をする関係性になっていることが本当に素敵です。
マキシ:最高だよ。時々、手を止めて、子供たちが曲を作っているところを見ていると、本当に感動するね。
−−「Anything You Want」については、アンソニー・ハミルトンとエステルを迎えていますね。
マキシ:この曲はシャギーと作った曲で、彼が2人に入ってもらおうとアイデアを出したんだ。アンソニーが実際にスタジオまで来てくれて歌ってくれたんだけど、素晴らしい歌声で、この曲に魔法をかけてくれたようだった。
▲Maxi Priest - Anything You Want (feat. Estelle, Anthony Hamilton and Shaggy) (Audio)
−−レゲエという枠を超えた素敵なコラボレーションだと思いました。
マキシ:今作の制作の道のりは本当に最高だったし、素晴らしいアーティストと一緒に仕事ができて光栄だったよ。それに、今作をリリースした後に色んな人から「素晴らしいアルバムだね」と言ってもらえて本当に嬉しいんだ。
−−もうファンの前で新曲は披露しましたか?リアクションはどうでしたか?
マキシ:それはもう最高だったよ!みんな「I don’t care what they do to me, I’m alright~…」と一緒に歌ってくれてね。本当に嬉しいよ。日本のファンも新曲をシングアロングしてくれるといいなと思っているよ!
−−あなたの曲は歌詞もそこまで複雑ではないので、日本のファンにとっても歌いやすいと思います。
マキシ:そうだね!そこも自分の曲の良いポイントのように思うね。シンプルだし、歌詞も直球で、複雑ではなくて、素晴らしい曲を作れていると思うよ。
−−歌詞はいつもご自身で書いているんですか?
マキシ:自分でも書くし、今作に関してはシャギーや他のアーティスト、ソングライターもアイデアをくれたよ。いつも何かしら新しいアイデアが出てくるからね。
−−歌詞や曲作りをするときにはどういったことからインスピレーションを受けますか?
マキシ:どこかで出会った人からもインスピレーションを受けるし、人への愛とか、もちろん今見ている景色や聞こえる音、人から聴いた話からもね。そういったことから影響を受けて、頭の中で歌が流れてくる。でも時にはスイッチをオフにして、頭の中を整理しないといけない時もある。そういう時にはサッカーをしたりして、ボールを追いかけることに集中したりするよ。考えすぎることはよくないから、あえて歌詞や曲作りから離れることもあるね。一旦、頭の中をクリアにしてから、また制作を始める。今もこうして自分の好きなことをやり続けられていることに感謝しているよ。
−−音楽業界で成功のしていくための秘訣はなんでしょうか?
マキシ:実は、自宅に成功を作るマシーンがあるんだ!なんてね(笑)。
−−(笑)。その機械、みんな欲しいと思ってますね、きっと。
マキシ:10年おきくらいにひっぱり出してきて「この時代にあった成功を作って」とお願いするんだよ(笑)。というのは冗談で、成功の秘訣はなんだろうね。小さい頃から歌を歌うことが好きで、“歌”が友達だった。悲しいとき、嬉しいとき、その感情を歌にして表していたよ。今でも“歌”は俺の大切な友人なんだ。
−−今作は米ビルボードのレゲエ・アルバム・チャートで2位になりましたが、曲作りをする際にはチャートに入ることを考えていますか?
マキシ:もちろん!HOT100に入りたいし、1位を取りたいし、それにグラミーにだってノミネートされたいと思うさ。そういったことを達成することも重要だと思っている。
−−最近の音楽シーンについてはどう思いますか?
マキシ:Spotifyとかが主流になったことで、音楽ジャンルが増えたように思うし、ジャンルをミックスした音楽が多くなってきたよう思うね。それ自体は、とても良いことだと思っている。俺は子供の頃からレゲエだけでなく、全ジャンルの曲を聴いて育ってきた。だから一つのジャンルにとらわれず、自分の音楽(アート)を自分が好きな方法で表現すべきだと思うんだ。俺自身は一生歌い続けたいと思うね。
−−音楽シーンはもっとオープンになってきているということでしょうか?
マキシ:そう思うよ。今は誰もがいつでも自分の音楽を表現できるようになったし、たくさんのアーティストが世の中に出てきたことで、新しいジャンルも生まれてきている。オーケストラとポップがコラボレートしたりね。でもそれは今に始まったことでもなくて、例えば、ジョン・レノンはインドのギター・サウンドを使ってビートルズの曲を作っていたと思うし。昔からやっていたことかもしれないけど、今はもっと表現の方法や場が広がったと思うね。
−−確かにそうですね。ちなみに、最近聞いているお気に入りのアーティストはいますか?
マキシ:いっぱいいるよ!ミゲルは好きだね。あとは、ショーン・ポール、KOFFEE。毎日新しい音楽やアーティストが出てくるから追いつくのに必死だよ。俺は良いフィーリングを感じる音楽が好きだね。あ、あとはミュージック・ソウルチャイルドもいいよね。お気に入りはたくさんいるよ。
−−1月には東阪のビルボードライブで来日公演が開催されますが、今回はどんなショーになりますか?
マキシ:日本もビルボードの会場も大好きさ!日本に行くのが待ちきれないよ。いつもライブに来てくれる長年の友人やファンたちに会えることも楽しみだね。
−−新曲もですが、昔の名曲も披露しますか?
マキシ:もちろん!みんなのお気に入り「Love Somebody」もね!
▲Maxi Priest - Love Somebody ft. Yuji Oda (Live)
−−織田裕二さんとの「Love Somebody」は大ヒットでしたよね。今後、日本人アーティストとコラボレーションする予定は?
マキシ:機会があればぜひコラボレーションしたいね!
−−それでは最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
マキシ:長い間、音楽をサポートし続けてくれて本当に感謝しているよ!何度も日本に戻ってこられる機会をありがとう。みんなの幸せを心から願っている。1月にみんなに会えることが待ちきれないよ!
−−ありがとうございました!来日公演楽しみにしています!
公演情報
マキシ・プリースト
Maxi Priest
ビルボードライブ大阪:2020年1月10日(金)
1st Stage Open 17:30 Start 18:30
2nd Stage Open 20:30 Start 21:30
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2020年1月12日(日)
1st Stage Open 15:30 Start 16:30
2nd Stage Open 18:30 Start 19:30
>>公演詳細はこちら
<Member>
マキシ・プリースト / Maxi Priest (Vocals)
アンソニー・ベネット / Anthony Bennet (BGV)
リチャード・キャンベル / Richard Campbell (Keyboards)
ヒューイ・ビデンドープ / Huey Buitendorp (Guitar)
タディー・ピー / Taddy P [Othniel Campbell] (Bass)
ポール・キャスティック / Paul Kastick (Drums)
最新アルバム『It All Comes Back To Love』
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