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<対談インタビュー>水谷果穂×反町隆史、音楽と演技について語り合う



 倒産の危機に瀕した企業を救う“再建弁護士”の奮闘を描いた『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』。7月から放送中の同ドラマだが、主人公を演じているのは、約4年半ぶりの連ドラ主演となる反町隆史だ。彼が演じる主人公・村越誠一は、今作の原作者であり、現役の弁護士でもある村松謙一がモデルとなっている。

 そして主題歌を担当しているのは、2013年に『リアル脱出ゲーム 密室美少女』でドラマ・デビューを果たし、2017年からは歌手活動も行っている水谷果穂。彼女にとって反町は、同じ事務所の先輩であると同時に、俳優業と歌手業の両立という点でも先輩にあたる。今回はそんな両者による対談インタビューを実施。演技と音楽という異なる表現活動に対し、二人はどんな姿勢で向き合ったのか。8月28日にリリースされる水谷の1stアルバム『深呼吸』の話題も交えながら、それぞれの想いを語り合ってもらった。

想像していたよりも柔らかく聴こえたのが印象的

――お二人は同じ事務所の先輩・後輩という関係ですが、こうして腰を据えてお話するのは初めてなんですよね。

水谷果穂:はい。初めてお会いしたのはドラマの撮影現場を見学させていただいた時なんですけど、緊張していた私をすごく温かく迎え入れてくださって。その優しさが一番印象的でした。笑顔の破壊力がすごいです(笑)。

――では反町さんは水谷さんに対して、そして主題歌の「朝が来るまで」に対してどんな印象を抱きましたか?

反町隆史:ドラマで僕が演じている主人公は、この作品の原作者でもある弁護士の村松謙一先生がモデルなんですけど、村松先生は娘さんを病気によって亡くされていて。これはあくまで役の話ですけど、主人公はそのことをずっと引きずってしまっているところがあるんですよね。そこにある悲しみはきっと、僕らでは計り知れないものなんだと思う。でも、水谷さんが歌ってくれている主題歌「朝が来るまで」は、悲しみだけじゃなく、ちゃんと希望も感じさせるようなものになっているというか。歌い方や曲調がどこかポジティブな感じにもなっていて、僕らも気持ちを乗せやすいんですよね。その感じは水谷さん本人の明るい人柄とも合っているなって思います。

――主題歌の制作にあたって、水谷さんはどんな部分にこだわったのでしょう?

水谷果穂:最初に大まかなあらすじを聞いていて、制作の途中で1話の台本をいただいたんです。そこで初めて具体的なストーリー展開を知り、主人公は優しくて温かい部分と、人を助けたいっていう芯の強さを併せ持っているなって感じたんです。だから、歌にもその二つの部分は反映したいなって思いました。

――反町さんはどんなことに気をつけて演技に打ち込みましたか?

反町隆史:亡くなった方を演じることは今までもあったけど、実際に生きてらっしゃる方を演じることは初めてだったので、最初はそこに対する戸惑いみたいなものはありました。村松先生がドラマを見た時に「これは違う」って思われてしまわないよう、いかに先生の気持ちや想いを演技で表現するか、という部分には気をつけましたね。弁護士を題材にした作品って色々とあると思うんですけど、“再建弁護士”について描いたドラマって他にはないですし。ただ、村松先生と直接お会いして、色々な話を聞かせていただいたら、意外にもスッと入ってくるような感じもありました。

――いざドラマの放送が始まって、自分の歌が主題歌として流れているのを聴いた時、水谷さんはどんなことを感じましたか?

水谷果穂:想像していたよりも柔らかく聴こえたのが印象的でした。自分としてはけっこう壮大なイメージを持って歌っていたのですが、ドラマと合わさった時、問題が解決したあとの和やかな雰囲気にも馴染めていて、少し安心したというか、予想外でしたけど嬉しい誤算でした。

――自分としても新たな聴こえ方があったと。水谷さんは過去にもショート・ムービーやアニメの主題歌を担当されていますが、そういった発見は初めてですか?

水谷果穂:今まではなかったかもしれないですね。主題歌をやらせていただいた映画やアニメの主題歌はエンディングの映像で流れましたが、このドラマは劇中のラストに流れるので、お芝居の中に自分の歌が溶け込んでいる感じは、普段お芝居をやっている身としても色々と思うところがありました。



▲水谷 果穂 / 朝が来るまで(Official Music Video)


――仰った通り、水谷さんはもともと女優業をされていて、2017年に歌手デビューされましたよね。音楽と演技、モチベーションはそれぞれ別のところから沸いてくるのでしょうか?

水谷果穂:女優業の場合は役を演じるのであって、自分自身のことを表現するのではないし、最初は歌手業でも同じように曲の登場人物のことを歌おうと思っていたのですが、いざ活動を始めてみたら、やっぱりどの歌も自分自身のこととして感じるようになって。それに自分の言葉で歌ったり、お客さんに話しかけたりする機会が増えたことで、自分自身のこともより深く考えるようになったというか。だから今は演技は演技の楽しみ、歌は歌の楽しみがあると思ってますし、それぞれ分けて考えるようになりましたね。

――反町さんも歌手業と俳優業を両立されていた時期があったかと思いますが、それぞれと向き合う姿勢はいかがでしたか?

反町隆史:僕の場合はあまり変わらなかったですね。ただ、たしかに演技の場合は共演者もいるし、チームワークで一から作り上げていくものだけど、歌で表現するのはあくまで自分ですよね。もちろん音楽でも携わる人はたくさんいるけど、何を歌いたいのか、何を伝えたいのかを考えるのは自分自身。あと、音楽のほうがファンとの距離感は近く感じる。今でもたまに「この人、俺のライブによく来てくれてたな」って人を見かける時がありますよ(笑)。

水谷果穂:私もそれはすごく感じていて。演技を中心に活動していた頃は、ファンの方々と直接お会いする機会ってほとんどなかったんです。でも、歌手活動を始めて、定期的にライブハウスのステージに立つようになってからは、かなり近い距離でお客さんと触れ合うようになったし、ライブするたびにお互いの距離も近づいていっている気がします。デビューしたての頃からずっと応援してくださってる方々なんて、今ではライブで前のほうにいてくれていたりすると、もはや安心しちゃいます。そういうのは歌手活動ならではだと思います。

――そうやってライブ等を通して、自分が音楽を届ける方々と同じ空間・時間を共有することで、自分が表現したいこと、発信したいメッセージが変化することなどはあるのでしょうか?

水谷果穂:歌を伝えたい方々を前にして歌っていると、「あぁ、この曲ってこういう意味だったのかな」ってハッと気づく瞬間があったりして。それはライブをやっていて「楽しいな」って思うところでもありますね。

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水谷果穂「深呼吸」

深呼吸

2019/08/28 RELEASE
WPCL-13081 ¥ 3,300(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.朝が来るまで
  2. 02.君のステージへ
  3. 03.あしあと
  4. 04.恋のレシピ
  5. 05.いつだって
  6. 06.ナナイロ
  7. 07.青い涙
  8. 08.スプラウト
  9. 09.気まぐれ王子様
  10. 10.タカラモノ
  11. 11.空想トレイン
  12. 12.明日への扉
  13. 13.朝が来るまで (Piano Session version)

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