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鈴木瑛美子 インタビュー:“最強女子高生ゴスペルシンガー”以降の歌と表現とは
今年20歳になった鈴木瑛美子がメジャーデビューシングル『FLY MY WAY / Soul Full of Music』を8月28日にリリースする。幼少期から家族と共に音楽に囲まれる環境のもと、7歳の時から作詞・作曲も始め、様々なステージ、テレビ出演やCD音源収録にも参加してきた鈴木瑛美子。今が大きな節目だと語る彼女が、まさに今現在、何を思っているのか。“最強女子高生ゴスペルシンガー”のキャッチフレーズで話題を呼んだ、それ以降の姿が今回のインタビューで垣間見えてくるだろう。
今は自分にとって大きな分岐点
――小さいころから家族の影響で良く歌っていたと伺っています。歌い始めたのは何歳くらいからか覚えていますか。
鈴木瑛美子:歌い始めたのはたぶん2歳くらいからですね。喋れるようになったのと同時で歌ってました。音源が残っているんです。私が小さい時からたまに家でレコーディングをしていて、ゴスペルを流しながら4歳の姉がゴスペルに合わせながら歌っていて 。私はやっと喋れるくらいの年齢だったので、「シャウト」(原曲はアイズレ―・ブラザーズ )っていう曲を歌っていたんですけど、「シャウ、シャウ」って歌っていて。で、「Don’t forget to say you will」っていうところは、「ドフォゲチュセイユウィ」って歌っていたそうです。だから2歳でもずっと歌は歌っていて、そこからずっとですね。音楽を聴いていたのはお腹の中にいる時からですから、もう喋れるようになったら歌いたかったんでしょうね。
▲アイズレ―・ブラザーズ「シャウト」
――今まで様々なカバーを発表してこられましたが、今回の2曲はどちらもご自分で作詞・作曲をされています。作曲自体は、昔からされていたそうですね。
鈴木:そうですね。ただ表に出すのは恥ずかしいと思っていて。あんまり出せずにいたんですけど、ときどき大事な時に勇気を出して聴いてもらったりはしていました。
――恥ずかしいというのは、自分の思っていることが如実に伝わってしまうっていうのが恥ずかしいということですか。
鈴木:それです。自分の気持ちを書いたものを表に出すっていうのは赤裸々に自分を出しているようなものだから、すごく恥ずかしくて。
――それでも、今回自分で作曲した曲を出そうと思ったのは?
鈴木:どこかに聴いてもらいたいという思いが本当はあって、でも恥ずかしいから出したくないだけで、本当は聴いてほしかったりするんです。聴いてほしいという思いが強くなった結果、今回自分で作詞作曲にチャレンジすることになりました。
――曲を作る時は、まず何から始めるのでしょうか。
鈴木:それが、全部同時進行なんです。アレンジのイメージも同時に頭にありつつ、メロディと歌詞が同時に全部出てくる。そこで何か違うなと違和感があったら、何が違うのか考えて、歌詞や音をちょっとずつ変えていくんです。でも全部同時なんで、何から始めるとかは特にありません。
過程としては、ボイスメモに入れたのをメトロノームでリズムを合わせながら歌って提出して、それから肉付けしてもらうという感じです。父が私の雰囲気を汲み取ってコードを付けてくれて、それを提出することもあります。そして、アレンジの大まかなイメージが出来て、これやあれを足してくださいといったやりとりを何回か繰り返す感じです。
――お父さんが信頼できるパートナーみたいな感じですね。
鈴木:そうですね。ずっと一緒に歌ってきたのもあるし、私がどう歌うか、どういう音楽が好きかは一番家族が分かっていると思います。それに父はミュージカルに出演していたり、今でもゴスペルを教えていたり、ずっと音楽に関わってきました 。いろいろ知識もあるし今までの私のこともわかってくれているので、今も音楽ディレクターとして、レコーディングなどでそばにいてくれます。
――1曲目の「FLY MY WAY」は、どんなアイディアで生まれたのですか。
鈴木:作曲したのは、たぶん高校生の時だったと思います。サビの主メロと裏メロの掛け合いがメモに残っていて。その後、もうちょっと自分の声を最大限に活かせる曲を作りたいなと思って、いろいろなメモを集めたんです。それで、自分の持っているメモの曲の中からサビの部分を聴いてもらったら「この曲で進めよう」ということになったので、1曲にするためにサビの前後を作りました。
▲鈴木瑛美子 / FLY MY WAY
――この曲の原点は、高校生の時に作られたメモだったんですね。
鈴木:想像だけで、曲や歌詞を作るのはまだできなくて、周りの人のこととか、自分の経験とか感情とか、そういうところから着想を得ることが多くって。「FLY MY WAY」は、親しい友人とか家族とか今まで一緒に歌ってきたゴスペルの仲間たちに向けて書きました。実は、アーティストとして活動するにあたって、「寂しい」とか「遠くに行っちゃう」っていうことを、周りの人からすごく言われて。でも、「そんなこと思わないで。私は遠くに行かないよ」って思っていて。今までと変わらない鈴木瑛美子はずっとここにいるよ、という気持ちを歌に込めて作りました。“見えるものだけを信じないで”っていう歌詞には、テレビに映っていたりライブで歌っていたりする私だけじゃなくて、直接関わっている時の私を見て欲しいっていう意味も込めています。
――そういう意味が込められているからこそ、「FLY MY WAY」は、聴いていて、勇気をもらえるのかもしれませんね。大切な人が側にいるから、安心して自由になれるんだということが伝わってきました。
鈴木:今、こうやってデビューに向けて様々な取材を受けている中で、「『FLY MY WAY』は、どうして “MY WAY”なんですか」とか「歌詞にある“new world”とかは、これからのことを表しているんですか」とか聞かれますが、今おっしゃったようなことが答えだと思います。歌詞に“you’re my hometown”ってあるんですけど、自分のベースはそこにあるんです。だから、自分の道を自由に行き来できるし、自分の信念をずっと持っていれば帰ってくることも違う世界へ飛び立つこともできるっていう気持ちを込めて“FLY MY WAY”にしたんです。それに、自分が今、新しくソロデビューして歌うっていうのは、本当に自分の人生にとって大きな節目で。20歳になって、令和になったということもあって、今自分は人生の分岐点に立っているなと感じます。聴いてくださった人が、この歌を自分に置き換えて、その人たちの門出の時に共感して、この曲の本当の意味を感じ取ってくれたらいいなってすごく思います。
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リリース情報
鈴木瑛美子 Major Debut Single「FLY MY WAY / Soul Full of Music」
- 2019/08/28 RELEASE
- <CD+DVD>
- AVCD-94558/B 1,800円(tax in.)
- <CD only>
- AVCD-94559 1,000円(tax in.)
- [CD]
- 01. FLY MY WAY
- 02. Soul Full of Music
- [DVD]
- 01.「FLY MY WAY」~Valley of Fire ver.~
- 02.「FLY MY WAY」Music Video
- 03.「Soul Full of Music」Music Video
- 04. The Making of the Music Videos
関連リンク
FLY MY WAY/Soul Full of Music
2019/08/28 RELEASE
AVCD-94559 ¥ 1,019(税込)
Disc01
- 01.FLY MY WAY
- 02.Soul Full of Music
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