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Stamp×HIROSHI対談インタビュー ~タイの国民的シンガーソングライターとFIVE NEW OLDのフロントマンが語る国境を越えた交歓の意義



 タイの国民的シンガーソングライター、Stampが日本デビュー・アルバム『EKAMAI DREAM 1』を8月7日にリリースする。たびたびの来日公演をはじめ、日本人アーティストとのコラボレーションなど、これまでにも積極的に日本で活動し、親日家として日本のカルチャーにも通じている彼。そして、『EKAMAI DREAM 1』には、過去に「Good Life」という曲でコラボし、その後も親交を重ねてきたHIROSHI(FIVE NEW OLD)も参加、「Die Twice」という新曲を、ともに仕上げている。Stampと出会ってから、自らも頻繁にタイに通い、バンドとのライブ活動などを行うようになったというHIROSHI。今回Billboard JAPANでは、そんな二人の対談取材を実施した。

「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」がタイで放送されていて大好きでした(Stamp)

――まず、2人の出会いはいつになるんですか?

Stamp:2年前ですね。

HIROSHI:そう、2年前。メジャー1stアルバム『Too Much Is Never Enough』(2018年1月リリース) に収録されている「Good Life」という曲にStampさんにフィーチャリングゲストとして参加していただいて。 あのアルバムは僕たちの中で、ヒップホップ寄りのアーティストに参加してもらいたいということで踊Foot Worksを、あとはアジアのアーティストとコラボレーションしたいということで、Stampさんにオファーしたんです。出会いのきっかけを作ってくれたのは、僕らがお世話になっているライブハウス、新代田FEVERのチームでした。「Stampというタイではトップスターのシンガーソングライターがいて。彼はすごく親日家で今来日してるんだけど、ライブを観に来ない?」 って誘ってくれて。で、実際にライブを観に行ったんです。最初は全然予備知識もなかったので、タイの歌謡曲を歌うアーティストなのかな?と思ってたんですけど、 いざライブを観ると、Stampさんのルーツにあるベックにも通じる音楽性をエンターテイメント性の高い楽曲に昇華していて。そこにすごく惹かれました。それで、ライブが終わってすぐに挨拶をさせていただいて。そのあとすぐにStampさんに「僕らの楽曲に参加してくれませんか?」とオファーしたら二つ返事で快諾してくれたんです。

Stamp:オファーを受けてすぐにFIVE NEW OLDの楽曲をチェックしてみました。「By Your Side」という曲を聴いたときに自分でもこういう曲を作ってみたいと思ったし、すごく美しくて、カッコいい音楽を鳴らしてるバンドだなと思ったんです。ぜひ彼らと一緒に曲を作ってみたいと思いましたね。


▲FIVE NEW OLD - Good Life feat. Stamp 【Official Music Video】

――実際に「Good Life」の楽曲制作に入る前にお互いの音楽のルーツに関して話したりしましたか?

HIROSHI:そうですね。あとは僕もStampさんもゲームが好きでそういう話で盛り上がったり。Stampさんは「Good Life」のレコーディング中は長期間日本に滞在されていて。そのときちょうど恵比寿のLIQUIDROOMでタイラー・ザ・クリエイターのライブがあったり、武道館でベックのライブもあって、Stampさんはチケット買って観に行かれていたんですね。すごくフットワークが軽くて素敵だなと思いました。

Stamp:そのときお互いのスマホを見せ合って、最近聴いている音楽のプレイリストをチェックしたら、だいたい同じ曲を聴いていたんですよね(笑)。

HIROSHI:そうそう(笑)。あと、そのときNetflixでラッパーをフィーチャリングしたドキュメンタリー(『Rapture』)が配信されていて。そこにロジックの回があったんですけど、その内容がすごくよくてその話をしたり。今のヒップホップの話もできたし、ブラーやレディオヘッドなどUKロックの話もしましたね。


▲Rapture Season 1 Trailer | 'Logic' | Rotten Tomatoes TV

――Stampさんがライブをするために初来日したのはいつですか?

Stamp:3年前ですね。

――日本のポップカルチャーは、幼いころから触れていたんですか?

Stamp:はい。小さいころから日本のカルチャーが大好きでした。音楽だけではなく、ゲームも漫画もアニメはもちろん、テレビ番組や小説も好きでした。小説だったら、村上春樹がタイではヒップスターのように流行った時期があったんです。僕も村上春樹の描く日本人ならではの美しさと哀れみが共存しているような文学表現に惹かれました。 30年くらい前のタイではテレビ番組も雑誌も日本のものがあふれていました。テレビ番組であれば「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」がタイで放送されていて大好きでしたね。

――「カトケン」ですか!(笑)。驚きですね。

Stamp:「志村けんのだいじょうぶだぁ」の「だいじょうぶだぁ」というフレーズもタイの30代から40代の人たちはみんな知ってますよ(笑)。漫画は「ドラゴンボール」、「ろくでなしBLUES」、「SLAM DUNK」、「ジョジョの奇妙な冒険」が好きでしたね。

――『週刊少年ジャンプ』の作品群ですね。そういえば、日本でも人気のタイの漫画家であり音楽家のタムくん(ウィスット・ポンニミット)も、黄金期の「ジャンプ」に影響されたと言ってましたね。

Stamp:タムくんは友人です。彼はドラムも演奏できるんですけど、僕のコンサートで、素手でドラムを叩いてくれたことがありました(笑)。日本の音楽に触れたのはJ-ROCKが入口でした。X JAPAN、L‘Arc~en~Ciel、LUNA SEA。日本でビジュアル系と呼ばれているロックをよく聴いてましたね。ちなみに高校時代はラルクのカバーバンドもやってました。

HIROSHI:聴いてみたい(笑)。

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スタンプ「EKAMAI DREAM 1」

EKAMAI DREAM 1

2019/08/07 RELEASE
TFCK-87470 ¥ 2,530(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.JETLAGGER
  2. 02.Bangkok Summer (English ver.)
  3. 03.Die Twice feat.HIROSHI from FIVE NEW OLD
  4. 04.How to Live Without You
  5. 05.On the Day He Made You
  6. 06.Coldest Memory
  7. 07.OHM feat.P.O.P (Japan)
  8. 08.Million Views (Japanese ver.)
  9. 09.DAMN!!
  10. 10.It Could Be Love
  11. 11.Kwam Kid

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