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Spotify × Summer Sonic~フェスの新たな楽しみ方を提案
記念すべき20周年を迎え、B’z、Red Hot Chili Peppers、The Chainsmokersという豪華なヘッドライナーが実現した【SUMMER SONIC 2019】(以下サマソニ)。アニバーサリーイヤーに相応しい魅力的なラインナップが揃っているが、今年のサマソニにはもう一つ、新たなプロジェクトが加わった。初日の8月16日(金)23時から行われる【Spotify on Stage in MIDNIGHT SONIC】。音楽ストリーミングサービスSpotifyとサマソニのコラボレーションによる、日本、欧米、アジアのトップアーティストが参加するライブイベントだ。
オールナイトイベント【Spotify on Stage in MIDNIGHT SONIC】を開催
【Spotify on Stage】は2017年にインドネシアのジャカルタで初開催。国籍やジャンルが異なる多彩なアーティストの曲のなかから、お気に入りの楽曲を発見し、楽しむことができるストリーミングの音楽体験をリアルなライブ体験として提案する目的で始まった。ストリーミング時代に即したこのライブイベントが、記念すべき20周年を迎えたサマソニとのコラボレーションにより初めて日本に持ち込まれ、オールナイトイベントとして開催されるというわけだ。
2000年からスタートしたサマソニは、国内外のビッグアーティストから新進気鋭のニューカマーまで、ジャンルを超えたラインナップを実現してきたアジア最大級の音楽フェス。特にここ数年は、EDM、K-POP、R&B、ヒップホップ、ラテンなど幅広いアーティストが出演し、世界に類を見ない個性的なフェスとして評価を高めている。一方、2008年10月にサービスを開始したSpotifyは2億3200万以上のユーザーが利用する世界最大の音楽ストリーミングサービス。ユーザーの好みやニーズに合わせ、常に新たな音楽との出会いを提案することで、世界中の音楽ファンの支持を得てきた。“ユーザー(オーディエンス)の傾向を正確に捉えながら、多様性に富んだアーティストを紹介する”という共通する志向を持ったSpotifyとサマソニ。アーティスト同士、アーティストと音楽ファンが国境を超えて繋がる機会を提供している点も両者の共通点だろう。
以前からプレイリストや公式サイト(Spotifyアカウントを公式サイトに同期させるとユーザー好みに合うオリジナルプレイリストが自動生成される)などでコラボ企画を行ってきたSpotifyとサマソニ。ストリーミングとフェスを有機的に連携させ、総合的な音楽体験を提供する取り組みを行ってきた両者が、サマソニ20週周年を迎えた今年「Spotify on Stage」を開催するのは必然だったと言っていい。デジタルとフェスという壁を超え、まったく新しいコンセプトを備えたこのライブイベントが実現することは、“ストリーミング時代のフェスの在り方”という観点からも大きな意義があるはずだ。
「Spotify on Stage in MIDNIGHT SONIC」の開催に対してスポティファイジャパン株式会社の代表取締役社長の玉木一郎氏は、「20周年というサマソニの節目の年に相応しく、好きな曲やアーティストを国やジャンルにこだわらず発見し自由に楽しめるストリーミング時代に相応しい刺激的なステージを、次の20年を見据えてサマソニと共に提案してまいります」とコメント。サマソニを主宰するクリエイティブマン・プロダクション代表の清水直樹氏も「サマーソニックとは一味違う、オールナイト特有の空間を生み出してきた『MIDNIGHT SONIC』。それが新たにSpotifyとのコラボレーションによって世界の音楽シーンを見据えた、より魅力的なラインナップになることを確信しています」と期待を寄せている。
国内、欧米、アジアの旬なアーティストをブッキングし、多様化が進む音楽シーンを体感できるイベント「Spotify on Stage in MIDNIGHT SONIC」。早速、現在アナウンスされている出演アーティストを紹介しよう。
まずはSEKAI NO OWARI。日本のアーティストとして初めてSpotify Sessionsに参加(「Sukiyaki(上を向いて歩こう)」のカバーを含むSpotify Exclusiveのスタジオライブ音源をシンガポールでレコーディング/2016年)。また今年1月に過去作が全曲ストリーミング解禁となったことを記念して、2月にMagnet by Shibuya109 「#BCTION free wall」でSpotifyとのコラボ・ウォールアートを展開したセカオワ。Owl City, DNCEといった海外アーティストとのコラボやEnd of the World名義でのグローバルな活動も多く、日本を筆頭にアメリカ、インドネシア、台湾、香港などでもリスナーを拡大するなど、Spotifyと親和性の高いアーティストと言えるだろう。現在は全国ツアー【SEKAI NO OWARI TOUR 2019 The Colors】を開催中(秋からは台北、ソウル、香港、上海、北京でも同タイトルのアジア・ツアーを開催)。【Spotify on Stage in MIDNIGHT SONIC】でも、さらに進化したパフォーマンスを見せてくれるはずだ。
続いてはMGMT。NY・ブルックリンを拠点に、アンドリュー・ヴァンウィンガーデンと ベン・ゴールドワッサーを中心とするポップ・デュオとして活動をスタートしたMGMTは2008年に「タイム・トゥ・プリテンド」「キッズ」などを収録したデビュー・アルバム『オラキュラー・スペクタキュラー』を発表。2010年の2ndアルバム『コングラチュレイションズ』では全米2位、全英4位を獲得した。これまでに5度来日を果たし、2008年にサマーソニック、2010年にはフジロック フェスティバルに出演。2015年から活動休止に入っていたが、2017年に活動を再開し、10月に4年ぶりとなる新曲「リトル・ダーク・エイジ」、12月に「ホエン・ユー・ダイ」をいずれもミュージック・ビデオとともに発表。2018年には約5年 ぶりとなる通算4作目のニュー・アルバム『リトル・ダーク・エイジ』をリリースしている。10年代のインディーポップ・シーンを象徴するMGMTの最新パフォーマンスは、まさに必見だ。
さらにプログレッシブハウスの礎を築き、世界中のEDMフェスのヘッドライナーのオファーが絶えないオランダ出身のDJ/プロデューサーのR3HAB、2017年にジャカルタで初めて開催された「Spotify on Stage」に出演し、その後世界中にリスナーを広げた日本・韓国・アメリカ・カナダの多国籍男性ダンス&ボーカルグループNCT127、“アンチニヒリズム”をコンセプトにした楽曲と映像を駆使した独創的なステージで知られるAMAZARASHIが出演。さらに、第二弾の発表ではスキマスイッチ、TK from 凛として時雨の出演も決定した。現在の音楽シーンの多様性をダイレクトに体感できる一夜になりそうだ。
Spotifyが日本でサービスを開始して間もなく3年。ストリーミングというコンセプトは徐々に浸透し、多彩なプレイリストやユーザーごとに最適化されたレコメンデーション機能は、音楽の聴き方はもちろん、アーティスト側の楽曲の届け方も確実に変化させた。今後もSpotifyは、アーティストと音楽ファンを結びつける役割を担いながら、日本の音楽を世界のリスナーに届け、世界の新しい音楽を国内のリスナーに紹介するプラットフォームになっていくはず。ストリーミングの魅力をライブ体感できる【Spotify on Stage in MIDNIGHT SONIC】は、新たな音楽の楽しみ方を具現化する、きわめて貴重な機会になるだろう。
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公演情報
日程:2019年8月16日(金)
時間:23:00OPEN 5:00CLOSE
会場:幕張メッセ 「MOUNTAIN STAGE」「RAINBOW STAGE」
出演:SEKAI NO OWARI、 MGMT、 R3HAB、 NCT127、 amazarashi、 スキマスイッチ、TK from 凛として時雨
チケット:8,500円(優先入場付)
※「サマソニ東京8/16(金)1DAYチケット」、「サマソニ東京8/16(金)プラチナチケット」、「サマソニ東京3DAYチケット」の方も入場可能
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Text: 森朋之
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