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サラ・オレイン 『Timeless ~サラ・オレイン・ベスト』インタビュー



インタビュー

 ヴォーカリスト、ヴァイオリニスト、作詞作曲家、コピーライター、翻訳家と様々な肩書を持つオーストラリア出身のサラ・オレイン。5歳から始めたヴァイオリンと、3オクターブを超えるその美声は、聴く者の心へすっと入り込み、その容姿と多才ぶりに心を奪われるばかりだ。そんな才媛のサラ・オレインが、デビュー5周年を経て、これまでの作品からの選りすぐりを集約したベストアルバム『Timeless ~サラ・オレイン・ベスト』を2018年10月17日に発売。そして、そのベスト盤と映像商品『シネマ・ミュージック with サラ・オレイン』に加え、24ページものフォト・ブックと2つ折り両面ポスターが封入された豪華な『Timeless~サラ・オレイン・ベスト [完全生産数量限定スペシャルBOX]』が12月19日にリリースされた。

 これまでに5枚のオリジナル・アルバムを発表しているサラ・オレインは、世界最高峰のテノール歌手アンドレア・ボチェッリといった世界的に有名な数々のアーティストと共演した経歴の持ち主。歌姫セリーヌ・ディオンを見出した名プロデューサー、デイヴィッド・フォスターから直々にオファーされ、彼がプロデュースするディズニー・コンピレーション・アルバム『We Love Disney』に参加するなど、その実力はお墨付きだ。幅広い音楽の領域で聴く者を楽しませてきたサラ・オレインにインタビューし、彼女の思いがギュッと詰まった本作品の魅力やこだわりを語ってもらった。

時を越えて、心に刻む。私のベストは進化する。

――デビュー5周年を祝して、このベスト・アルバムを発売されましたが、「時を越えて、心に刻む。私のベストは進化する。」というキャッチコピーはご自身で考えたものでしょうか?

サラ・オレイン:はい。中に書かれているメッセージなどはもちろん自分で書いています。

――このベスト盤を作ることが決まったのはいつ頃なのでしょうか?

サラ・オレイン:今年です。デビューから5年間の節目に、去年から考えてはいたのですが。

――厳選されたセルフ・セレクションが収録されているとのことですが、どういう基準で決められたのでしょうか?

サラ・オレイン:もちろん、全曲に思い入れがあって、今までの5枚のアルバムからどれを入れるかを決めるのは難しかったのです。ただ、特に日本で活動をしていて、コラボレーションした曲や自分を表現しやすい曲など、このアルバムからは絶対に欠かせないという曲はありました。

――直感で「これは入れる!」と思い浮かんだ曲はありますか?

サラ・オレイン:「The Final Time Traveler」はオリジナル曲でもありますし、羽生結弦選手がこの曲で滑りたいと言ってくださり、多くの方に認識されている曲なので、この曲は絶対に入れようと思いました。進化していくベスト・アルバムなので、自分のルーツを知ってもらう意味で、故郷オーストラリアの曲も入れています。一曲目に「To Love You More」を持ってきたのは、日本で人気の曲でもありますし、一曲目で歌とヴァイオリンを同じくらい、イコールで見せられる曲を入れたいと思ったからです。




――アルバムの一曲目は、聴く人が一番注目する曲なので、そこで惹き付けられるかどうかが大事な部分ですよね。「To Love You More」は、日本ではセリーヌ・ディオンと葉加瀬太郎のコラボレーションが有名で、とても馴染みがある曲なのですが、オーストラリアでも結構有名な曲なのでしょうか?

サラ・オレイン:日本ほど、そこまで認知度は高くないですね。オーストラリア人がセリーヌ・ディオンと聞いて思い浮かべるのは、やはり『タイタニック』の「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」などです。確か、この曲は日本のTVドラマ(『恋人よ』)で使われて、その後、葉加瀬さんが参加されたんだと思います。今回のアルバムは、もちろん海外の方にも聴いてもらいたい作品ですが、日本でデビューしたということもあり、日本の方にも認識されている曲を選びました。すごくいい曲で、一人で二役できるのがポイントですね。

――歌声とヴァイオリンを存分に発揮できる素晴らしい曲だと思います。お話が変わりますが、プロフィールに“f分の1ゆらぎ”と呼ばれる癒しの効果を含む歌声の持ち主であると記載されていますが、“f分の1ゆらぎ”とは、言葉で説明すると、どういうものなのでしょうか?

サラ・オレイン:分かりやすいのが、川のせせらぎなど自然界にある心地よいとされる“ゆらぎ”であると聞いています。自分の声を研究したところ、それらの波長と同じだったようです。

――そう解明されるまで、ご自身の声に癒しの効果があると気づいていましたか?

サラ・オレイン:自分では客観的に分かりませんが、そう言って下さることはユニークなので嬉しいことです。曲によって、私の曲を聴いている犬や猫や鳥は寝てしまうので、何かあるのかもしれないですね。

――ご説明ありがとうございます。アルバムの話に戻りますが、2枚目には主に新たに収録した7曲が収録されていますが、これらは、それぞれ、いつ頃収録したのでしょうか? まとめて収録したのでしょうか?

サラ・オレイン:全曲、今年に収録しました。収録はどれも近い時期で行い、同じ日に2曲録った日もありました。「明日のMemory」は、テレビ番組『池上彰の現代史を歩く』のテーマ曲なので、早めに録ったんです。

――2枚目の一曲目である「君をのせて」は、『天空の城ラピュタ』の人気テーマソングで、日本では学校で習うくらい非常に馴染みのある曲なんです。

サラ・オレイン:そうなんですね! この曲、とてもいい曲ですよね。この曲は世界中で人気な曲でして、あえて日本語と英語で歌いました。あまりにも有名だからこそ、新鮮にするために、出だしを英語で歌い、聴いている方には「知っているメロディーだけど、なんだか違うな」と思わせたかったんです。アレンジも途中からダンスっぽいEDMも入れています。でも、最終的に日本語に戻すのが私の好きなパターンで、日本語に戻ることでほっとするような、ちょっとした演出が好きなんです。今の時代、好きな曲をシャッフルできますが、頭から通して聴くと物語になっているような曲順にしていて、似たような曲が絶対に続かないように、飽きさせないように考えています。曲順によって、いい曲のはずなのにインパクトが少なってしまうのは、避けました。

――ちょうどスケートシーズンの真っ只中ですが、フィギュアスケート・アイスショーに使われた「Fantasy On Ice」は壮大なドラマ展開が魅力的ですよね。Maxime Rodriguezが手掛けたサウンドを初めて聞いた時の衝撃や感覚を覚えていますか?

サラ・オレイン:この曲はショーのオープニング曲だったんです。この曲に合わせて、選手が全員出てくるのがとてもドラマチックで、ミュージカルのように派手でカッコいい場面でした。曲の中にドラマがある曲で、ダンス要素が入っていて、ノリノリの曲で私も好きです。私はゆったりとした曲が多いので、コンサートなどで流しても飽きないような、元気な曲もとても好きですね。

――ほかの曲とは違う、別のサラさんの魅力が詰まった一曲だと思います。

サラ・オレイン:レコーディングもすごく楽しくて、このような曲も増やしていけたらなと思っています。




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