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村松崇継 LIVE Vol.3 ~青き海辺のカタルシス~ Special Interview



インタビュー

8月22日(水)にニューアルバム『青き海辺のカタルシス』をリリースし、9月8日(土)に自身3度目となるビルボードライブ東京での公演を予定している村松崇継。上質な音楽を聴きながら食事を楽しめる、豊かな空間を提供し続けて来たビルボードライブ東京を〝ホーム″のように感じるという村松と、支配人・角野允知が対談。ピュアに本物を追い求め続ける2人は意気投合、共振し合い新たなコラボレーションが生まれた。

取材・文/大前多恵

「音楽人生、ここをベースにずっとライブをし続けていきたいな」と思える場所にやっと出会えた

――角野さんはビルボードライブ東京支配人を務められるだけでなく、ワインソムリエでもいらっしゃるんですよね。

角野允知:はい。でも私は、ビルボードライブに入社するまでずっとバーテンダーをしていたんですけど、ワインは飲めませんでした。ですが高額ワインを扱っていることもあって、またビルボードには当時ソムリエがいなかったので、勉強して資格を取得しました。

村松崇継:いつ支配人になられたんですか?

角野:支配人に就いたのは3年前ですね。実は、入社したのはオープニングのスタッフよりも後なんです。そもそも枠はなかったようなのですが、自分が応募したメールに、総務のとある方と当時の支配人が熱を感じて枠を広げて入れてくれたんだと聞いてます。そこから始まって今に至り、ビルボードは昨年10周年を迎えましたが、幸運にも今では支配人の役を預からせていただいてます。

村松:そうだったんですね。僕もワインは好きで、ワイナリーを巡る旅も大好きなので、オススメワインをいろいろと教えていただきたいです。

――9月8日(土)に村松さんはここビルボードライブ東京にてライブを開催されますが、ソロ・ライブ・シリーズ3回目。初めてステージに立たれた時、どんな印象を持たれましたか?

村松:ピアノは生き物なので、時には相性が合わず〝なかなか言うことを聞いてくれない″ピアノもあるんですが、まず、こちらのピアノはすごく僕の音楽に寄り添ってくれたんですね。

角野:それは感覚的なものなんですか?

村松:はい、フィット感と言うか…すごく素直で〝性格がいい″ピアノだと感じました。そして、初めて立った気がしないぐらいお客さんとも一体になれたし、とにかく弾いてて気持ちがいい会場でした。不思議と落ち着くホーム感があるんです。音響的にも聞こえ方のバランスがすごく良くて、クラシックでもジャズでもポップスでもない、クロスオーバー的な音楽をやっている自分にとって、やはりいろんなジャンルのアーティストがライブをされているこの会場は、すごくしっくり来るんです。「音楽人生、ここをベースにずっとライブをし続けていきたいな」と思える場所にやっと出会えた、という想いがありました。

角野:うれしいですね。お客様との距離的な近さもあるでしょうけど、村松さんが優しいんでしょうね。ちゃんとお客様の呼吸を感じ取りながら演奏されているな、と僕は観ていて思いました。それを特に感じ取りやすい会場なんでしょうか。

村松:はい、感じ取りやすいですね。どれだけリハーサルを重ねて来ても、ライブにはやはり、そこでしか生まれないものがありますし、僕はそれを大事にしたいんです。

――雰囲気づくりの面で、角野さんは何か心掛けてらっしゃることはあるんでしょうか?

角野:ハード面は変えられないんですけども、「スタッフがフレンドリーな接客をしてくれる」というお声はいただきます。演奏中もオーダーをとるので、「演奏をちゃんと聴いてサーブするように」とはスタッフに指示しています。やはりまずはアーティストの音楽があって、ショーがあってライブがあって、僕らはその上で飲食物をそれに合わせて提供して、プラスアルファにならなければいけない存在だと思うんです。ですので、音楽の曲調や音の大きさ、強弱、あとは間(ま)をちゃんと意識して聴いて、タイミング良くサーブしなければいけません。村松さんのライブもそうですが、MCも含めてのライブですと、僕らスタッフが付け入る隙がない時もあるんです。そういう時はもう、お客様に声を掛けずに飲食物を置いてしまう、とか。あと、お客様がその時何を飲みたいかはやはり、分からないじゃないですか? でも何かを欲しがる仕草は出ているはずなんですよ。それを遠くからでもよく見てうまくアプローチするように、とは指示しています。

村松:すごい! 先を読んだホスピタリティですね。

角野:それが出来た時に初めて、飲食物があってのライブを楽しむ空間づくりができるので。僕らもファンの一環になっていれば可能だと思うんですよね。

村松:一緒に音楽を楽しんでいれば、ですよね。

角野:そうです。それが毎回出来てこそ本当にいい箱になる、と。この10年間そう思いながらやってきています。目指すところはそこで、現実は日々精進ですけれども。

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村松崇継「青き海辺のカタルシス」

青き海辺のカタルシス

2018/08/22 RELEASE
CLRS-1111 ¥ 2,343(税込)

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Disc01
  1. 01.Starting over
  2. 02.シドウノオト
  3. 03.メアリのテーマ
  4. 04.Simple life
  5. 05.繋がり始めた新たな糸
  6. 06.Innocent blue
  7. 07.いのちの歌

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