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CNBLUE『Best of CNBLUE』発売記念特集 ~8年間の軌跡を詰め込んだベスト盤を機に振り返る、その特別な立ち位置。
2011年の日本でのデビュー曲「In My Head」から今年3月のジョン・ヨンファの入隊直前にレコーディングされた新曲「Don’t Say Good Bye」まで、全19曲を収録したCNBLUEのベスト盤『Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011 – 2018]』が8月29日にリリースされた。デビューから約8年間の代表曲を網羅した、バンド渾身のベスト盤の発売を機に、K-POPとJ-ROCKはもちろん、欧米の音楽シーンの動きにも呼応しながら進化してきた彼らの音楽性と立ち位置を振り返ってみたい。
楽曲/ライブ/サウンドから見る、CNBLUEの立ち位置
海外バンドにして、例年春秋2回のアリーナツアーをまわり、大型フェスでは【SUMMER SONIC】と【a-nation】に2度出演、【COUNTDOWN JAPAN】には海外バンドとして初出演……と、その活躍だけでも目を見張るCNBLUE。バンドマンとしてはもちろんのこと、リーダーでボーカル/ギターのヨンファをはじめ、ギター/ボーカルのジョンヒョン、ベースのジョンシン、ドラムのミンヒョクと、4人すべてが役者としても活躍し、そのマルチな才能ゆえアジア全域で人気を博している。そんな彼らが8月29日に、初のジャパン・ベストアルバム『Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011 – 2018]』をドロップ。日本メジャーデビューの2011年から現在までのシングル・アルバムのリードトラックと、ヨンファが入隊前に作った最新曲「Don’t Say Good Bye」まで全19曲が収録され、充実の一枚となった。
▲「Don’t Say Good Bye」
CNBLUEのバンド活動は、日本から始まった。2009年、バンドカルチャーが活発な日本で“音楽武者修行”をするために半年間東京へ滞在、メンバー皆で同居をしながらストリートやライブハウスで100回以上のライブを経験。インディーズでCDリリースをしながら着実に人気を伸ばし、2011年10月に「In My Head」でメジャーデビューを果たす。2ndシングル「Where you are」は、Billboard JAPAN Top Singles Salesをはじめ、日本の代表的チャートで複数の首位を獲得。エモーショナルなロックを放つ長身のイケメン4人に、人気が爆発しないはずはない。実は日本デビューと同じころに、ヨンファが出演した韓国ドラマ『美男<イケメン>ですね』が日本で大ブレイクしたことが追い風にもなった。しかし、俳優ヨンファを求めてCNBLUEを聴き始め、今ではすっかりバンド音楽にどっぷり、という人も少なくない。当然K-POPフリークだけでなく、J-ROCKのリスナー達にも人気は及び、支持層を拡大し続けている。
▲「Where you are」
CNBLUEというバンドは、〈ライブ〉と〈楽曲〉でそれぞれ違った顔を見せる。ライブになると、普段は落ち着いているヨンファも突然スイッチが入り、予測もつかないほど自由奔放にステージ上で弾けまくり、ジョンシンから「ステージで兄さんは狂犬になる(笑)」と指摘されるほどだ。ジョンヒョンは、いたってマイペースにギターに陶酔、時に巧みな日本語でメンバーへ鋭い突っ込みを入れる。逆サイドに居るジョンシンは、何かとヨンファに絡まれながらも臨機応変に楽しんでおり、そんな3人をドラム越しに眺めるミンヒョクが、最年少にして最も落ち着いている。
いっぽう音楽をメインで手掛ける2人を〈楽曲〉面で見ると、ヨンファは“綿密”、ジョンヒョンは“ストレート”な作風だ。ヨンファは、インパクトのあるキャッチーなメロディを量産、作詞については「ダークな思いや意図は、遠回しに、言葉の陰にかくれるように散りばめる」と語るように、華やかな音楽に陰影のある歌詞を溶け込ませる“綿密”な音楽作家だ。対してジョンヒョンは、ギターをベースとした豊かな旋律を得意とし、「“こういうテイストの曲を作ろう”とか考えず、自分の中から湧いてくるものをそのまま受け入れる」と語る通り、歌詞も1つのストーリーを描くような“ストレート”な作品が特徴。このように〈演者〉と〈作り手〉を、巧みなバランスで魅せてくれるのが興味深い。
▲ヨンファ作詞作曲:「Robot」
▲ジョンヒョン作詞作曲「Blind Love」
さらに特徴的なのは、歌詞に日本語・英語を織り交ぜながらもJ-ROCKではなく、絶妙な位置の“海外バンド”であるということだ。2010年代半ばまでの邦楽ロックの主流は、BPMが早めでシャープな音が目立ったが、そんな中でCNBLUEは、テンポは決して急がず、圧倒的歌唱力に似合う骨太なロックを放った。また世界的にEDMの波が来た頃にはコールドプレイ等が積極的に行ったシンセ・ロックに挑み、ヒップホップやソウル等のブラックミュージックが台頭する昨今は、作品のグルーヴにブラックミュージックの要素を加味、かつJ-POPのバラエティ感も盛り込まれている。世界の流れをいち早く掴んで、“CNらしさ”に昇華してゆく。これが、日本をはじめ各国で支持される理由だろう。
▲EDMベースの「Radio」
▲ソウルポップスに挑戦した「SHAKE」
▲最もポップに挑戦した「Starting Over」
CNBLUEは、3月のヨンファ入隊に始まり、8月頭のジョンヒョン入隊を最後に、4人とも兵役に就いた。ヨンファが手掛けた最新曲「Don't Say Good Bye」には負の感情が一つもなく、“未来”を歌っている。このベストアルバムは、次へと繋がる極上の置き土産だ。
歴代アー写ギャラリー
リリース情報
Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011 – 2018]
- CNBLUE
- 2018/08/29 RELEASE
- 初回限定盤【CD+DVD】
WPZL-31498/9 / 定価:¥ 4,536円(tax in.)]- 初回限定盤 詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Text:筧真帆
Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011 - 2018]
2018/08/29 RELEASE
WPZL-31498/9 ¥ 4,620(税込)
Disc01
- 01.Don’t Say Good Bye
- 02.In My Head
- 03.Lady
- 04.SHAKE
- 05.Radio
- 06.Puzzle
- 07.Where you are
- 08.One More Time
- 09.Still
- 10.Blind Love
- 11.Truth
- 12.Robot
- 13.WHITE
- 14.Come on
- 15.Time is over
- 16.Go your way
- 17.Starting Over
- 18.Supernova
- 19.Glory days
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