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吉田凜音『SEVENTEEN』インタビュー
「5人で日本武道館でワンマンライブしたい」というのが昔からの夢
若干17才でありながらアイドル、ファッションモデル、ラップ、バンド、女優、シンガーなど様々な表現スタイルに挑み、幅広い層から注目を集めている吉田凜音。その稀有な音楽人生を突き進んでいく、新時代の到来すら思わせる彼女のストーリーや生き様について語ってもらった。
一般人としてステージに上がって、しょこたんと一緒に踊ったんです
--吉田凜音の経歴を見ると、若干17才でありながらアイドル、ファッションモデル、ラップ、バンド、女優、シンガーなど様々な表現スタイルに挑まれて来ていますが、自身では吉田凜音をどんな存在だと思いますか?
吉田凜音:私は常に自分の意思というか、考えというか、やりたいことで生きている人間だと思っていて。なので「バンドやりたい」と思ったときもすぐ何とか現実にしてバンド活動を始めたりとか、「アイドルやってみよう」と思って始めてみたけど「これは違うな」と思ったらすぐ辞めたりとか、ラップも「面白いじゃん」と思ってやってみたら意外と「お、良いじゃん!」と言ってくれる人が多かったので続けてみたりとか……その中で今いちばん自分がやりたいことが見つかった、という感じですね。--それはシンガー?
吉田凜音:そうですね。ラップも歌もやるシンガーみたいな。--元々何かを表現する道へ進もうと思ったきっかけは何だったんですか?
吉田凜音:私がいちばん輝ける場所というのは、自分がステージに立って、自分が歌を歌って、ダンスを踊って、その曲を表現していく世界なのかなと思っていたので、音楽を中心にいろんなことをやってきたんです。表現のひとつとして元々興味があった女優もやってみたりモデルもやってみたりしたんですけど、でもやっぱり私にとっては「音楽がいちばんだな」ということに気付いたりして。--「ステージに立ちたい」と思った要因は何だったんでしょう?
吉田凜音:小2のときに中川翔子さんのワンマンライブにママと行ったんですけど、私がワンマンライブに初めて「行きたい」と思えたアーティストさんで、そのステージにお客さんを上げる企画みたいなものがあって、それで私が一般人としてステージに上がって、しょこたんと一緒に踊ったんです。そのライブは札幌の市民ホール的なところで行われていたんですけど、2階も3階も満席で、その景色を観て「私、ひとりの力でこういう景色を観たいな」と思ったところから始まった感じですね。--それから具体的にどんなアクションを起こしていったんですか?
吉田凜音:元々週イチでダンスを習い始めていて、歌には興味がなかったんですけど、その中川翔子さんのワンマンライブを観に行ってから「歌もやりたい」と思って歌も習い始めて、そこから歌手という夢が広がったという感じですね。--まずアイドルグループでの活動を始めた理由は?
吉田凜音:「若いときにしか出来ないな」というのもあったし、自分も普通にアイドルが好きだったので、お客さんとのやり取りも見ていて楽しかったし、それで面白そうだなと思って始めたんですけど、いざやってみたら「違うな」と思って。--何が違ったんでしょう?
吉田凜音:とことん可愛い感じのほうがアイドルらしいなと思って、私はそういうのは出来ないなと思ったから辞めました。--いつ何時も求められれば笑顔でいなきゃいけない感じが違った?
吉田凜音:そうですね。素の私を好きでいてくれる人たちと一緒にいたいので。だからアイドルの世界はちょっと違うかなと思って。--でもアイドルから始まるとそのイメージから脱却するのが大変ですよね。
吉田凜音:そこは気にしてなくて、とにかく本当に自分がやりたいことをやって。その分、アイドルのときの私が好きだった人は居なくなっていってしまったけど、新しく好きになってくれる人もどんどん増えていったから、それはそれで良いと思う。--今現在は「本当に自分がやりたいこと」をやれているんですね。
吉田凜音:やれていますね。ステージに立っている時間が私のいちばんの楽しみでもあるし、お客さんと一緒に私の歌を共有して楽しんでもらうことが好きなので。あと、ラップも歌も歌いつつの、バックダンサーが4人いるんですけど、私も含めて5人でそれぞれの曲を表現していく。それは自分が本当にやりたいことなので。--そうやって自分がやりたいことだけを貪欲に追求してきて今の自分がある。そんな吉田凜音さんから見て今の音楽シーンってどんな風に映っていたりしますか?
吉田凜音:……なんだろう? …………普通。--普通というのは?
吉田凜音:みんなそれぞれやりたいようにやっていて、やれていない人もいるだろうけど……平凡な感じですね。でも面白いと思います。次々といろんな人が出てきたりとか、新しいものがどんどん増えていったりしているから。--BiSHのセントチヒロ・チッチと先日もツイッターに写真を上げていましたが、彼女のような同世代で活躍している仲間たちの姿を見ていると、どんなことを感じたりしますか?
吉田凜音:やっぱりすごく刺激になりますね。元々BiSHは好きなので、だからライブを観に行ったりとか全然するし、チッチとはプライベートでお仕事の話とかも全然するし、すごく良い刺激になる友達ではありますね。- 「5人で日本武道館でワンマンライブしたい」というのが昔からの夢
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
「5人で日本武道館でワンマンライブしたい」というのが昔からの夢
--そもそも何がきっかけで仲良くなったんですか?
吉田凜音:TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)で話しかけてくれて。そのときは全然知らないから、とりあえず「ありがとうございます!」みたいな感じだったんですけど、その数年後にNATASHAという期間限定ユニットでチッチと一緒になって、それで「あのとき!」「ですよね?」みたいな話になってから、古着が好きだったりとか共通点がいっぱいあったりもしたので、仲良くなりました。--チッチとの出逢いもそうですけど、これだけ様々なフィールドで活動してきたアーティストも珍しい訳で、これまで多種多様にわたるたくさんの人と交流してきたと思うんですが、ゆえに吉田凜音を中心としてフェス的なものを催したり、シーンを盛り上げていくことも出来る立ち位置にいるのかなって。
吉田凜音:なるほど。でも人見知りなんですよね(笑)。対バンしたときも自分から仲良くなりに行ったり出来ずにいるんですけど、でももしそういうイベント的なことが出来るのならやってみたいですね。せっかくいろんな道を辿ってきたというか、いろんなジャンルをやってきたから、いろんなジャンルの人を呼んだりしてみたいです。--今回のアルバム『SEVENTEEN』に参加している面々(E TICKET PRODUCTION、水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミ、DE DE MOUSE、P.O.Pのさいとうりょうじと上鈴木兄弟、バクバクドキンのYUI、赤い公園の津野米咲、フレンズのおかもとえみ、映画『はらはらなのか。』監督の酒井麻衣、Avec Avec、in the blue shirt、シライシ紗トリ)を集めただけでも凄いイベントになりますからね。
吉田凜音:そうですよね! 本当にいろんな方々に参加して頂いているので。--そんなアルバム『SEVENTEEN』、自身では仕上がりにどんな印象や感想を?
吉田凜音「BQN」Music Video short ver.
--元々17才にどんなイメージを抱かれていました?
吉田凜音:18才ってもうちょっと大人な感じがしていて、でも16才は子供というイメージ。実際に16才のときは「自分、子供じゃね?」と思っていたんですけど、17才になってみたら「大人でもないし、子供でもないし」っていう微妙な年齢というか、不思議な感じがする。でもこの変な感じが面白いなと思いますね。「大人になりたい」ともあんまり思わないし、子供だとバカにされたりもするし、そのどちらでもない17才がいちばん面白いし楽しいなって。--そんな吉田凜音の17才像が詰まった『SEVENTEEN』を通して、何がリスナーのもとへ伝わっていったらいいなと思いますか?
吉田凜音:前回は「まさにラップ」という内容のミニアルバムだったんですけど、今回は歌も織り交ぜて作りたいなと思っていたし、ラブソング的な歌も結構入っていたりするので、そういう歌が十代の人に刺さったりしたらいいなと思っていますね。--リスナーにとって「こういう存在で在りたい」みたいな想いは持っていたりするんですか?
吉田凜音:私の音楽を「こういうときに聴きたい」と思ってもらえるようになりたいとは思っています。「落ち込んだときに聴きたい」とか「盛り上がるときに聴きたい」とか「寝る前に聴きたい」とかそういう時々に求められる存在になりたいというか……自分の音楽を好きになってくれれば何でもいいです。それでライブで楽しんでくれている顔とか見れたら嬉しい。--そもそも自分自身にとって音楽はどういう存在だったんでしょう?
吉田凜音:音楽は「格好良いな」と思ってましたね。小学1年生から家族で【RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO】とか【JOIN ALIVE】とか北海道のフェスに泊り込みで行っていたりしたので、音楽がない生活という状況があんまりなくて。家帰れば音楽は流れていたし、椎名林檎さんとかthe HIATUSさんとかのライブに小さい頃から普通に行っていたので、その頃から「音楽は格好良い」と思っていましたね。--それを自分でもやりたかったと。
吉田凜音:うん。素敵だなと思っていたので。--実際に自分もステージに立つ側になってみていかがですか?
吉田凜音:今の話の流れで考えると、不思議な感じがしますね。小さい頃から見ていたステージに自分が立っていたりするというのは。--そのステージに立ち続けていく先に見据えている夢とか目標があったら教えてもらえますか?
吉田凜音:NATT!という4人のバックダンスチームがいるんですけど、私はその子たちと中2からずーっと一緒に活動していて、その子たちと演出を考えたりとか、振り付けも全部一緒に作ったりしているので、実際には「私とバックダンサー」というよりは「5人でひとつ」という感覚なんです。なので「5人で日本武道館でワンマンライブしたい」というのが昔からの夢ですね。武道館は新しいスタートを切れる場所というイメージもあるので、それが当面の夢です。リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
私はそのときそのときに自分がやりたい音楽をやっている
--その5人が出逢ったきっかけは何だったんですか?
吉田凜音:私は高1でこっちに引っ越してきたんですけど、中学生までは札幌に住んでいて、そこで私がアイドルをやっていた時期に「ダンスでも曲を表現したいな。だったらバックダンサーは絶対にいたほうが良い」と思ってオーディションで呼びかけたんです。それで集まった4人です。--その4人と「日本武道館でワンマンライブしたい」とまで思うほどの絆が深まるまでにはどんなストーリーがあったんですか?
吉田凜音:かなり毎日一緒にいたりとか、遠征とかも一緒にいたりとか、ワンマンライブに向けて1曲1曲振りを落としていったりとか、それでみんなで「これは違う、これは違う」と話し合いをしたりとか……その中でやっぱり人間同士なのでケンカすることもあったし、その中で本当に家族的な存在になっていったんじゃないかなって思います。--では、吉田凜音はひとりで活動しているイメージがありますけど、実際にはそういった仲間たちがいて、彼女たちといろんな面白いことをやっていきたいし、一緒に大きいステージを目指していきたい、そういう想いが根底にはあるんですね。
吉田凜音:そうですね。みんなで作ってきたので、そういう想いは強いですね。--ちなみに、武道館でどんなライブがしたいと思っているんですか?
吉田凜音:今は全然イメージ出来てないですね。私はそのときそのときに自分がやりたい音楽をやっているから、例えば2年後に武道館に立てるとして、そのときには全然違う曲をやっているかもしれないし。--あ、そうか。今までの自分のストーリーがそうであるように、この先のストーリーもいつ自分がどんなことをやっているのか想像できないという。
吉田凜音:そうなんですよ(笑)。3年前とか自分がラップやるなんて思ってもいなかったんで。--2年後にはすごく前衛的なことをやっているかもしれませんしね。
吉田凜音:またバンドやってるかもしれないし。自由気ままにやっている感じなので。--それが凄いですよね。「やりたいからやる」という感覚は理解できるんですけど、アイドルもバンドもラップもシンガーもそれが出来る環境が整わないとやれない訳じゃないですか。でも吉田凜音は全部やれちゃってる。これは何なんですかね?
吉田凜音:何なんですかね? そう考えると凄いですよね(笑)。--実際にはスタイルを変えていく度に悩みや葛藤もあるのかもしれないですけど、表面的にはスルッとスタイルを変えて形にしていっちゃってる印象がありますし。
吉田凜音:凄い(笑)。--いや、本当に凄いことですよ。ただ、そうなると「吉田凜音はこういう人だ」というイメージを明確に捉えづらい部分もありますよね。
吉田凜音:うん。だからファンの人は大変だと思う(笑)。でも今は定まってきているというか、自分が本当にやりたいことが見つかったので、ここからはそんなにブレないんじゃないかなと思います。--今現在のファン層はどんな感じなんですか?
吉田凜音:結構、幅広いです。なので、このまま幅広い人たちに私の音楽を聴いてほしいし、私のライブにも来てほしいし……十代のJKとかにも聴いてほしいなと思いますね。--その中で「吉田凜音、凄い」みたいなブームが起きると面白いですよね。
吉田凜音:うん! なってほしいですね!--その気配は感じてます?
吉田凜音:感じてないですね!一同:(笑)
吉田凜音:ちょっとネガティブなので(笑)。でもそうなったらいいなって思います!リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
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