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BiSH『THE GUERRiLLA BiSH』セントチヒロ・チッチ単独インタビュー
初の『ミュージックステーション』出演決定! 大ブレイク必至の近い未来を迎えるその前に、今一度チッチの真価と生き様を問う重要インタビュー、解禁。
Mステへの意気込み、チッチから見た6人のメンバー評、銀杏BOYZとサンボマスターにハマった理由、猫を100匹ぐらいかぶっていたチッチが変わった要因、チームとしてのBiSHの結束力、BiSHでしか生きていけないチッチ、アルバム最後の曲「FOR HiM」=プー・ルイへの見解、ギャンパレの動きや母の言葉で見つめ直したWACK総選挙、これからの最強アルティメットなんちゃらなBiSH、峯田和伸(銀杏BOYZ)との約束……全文必読です。
Mステ初出演決定「タモリさんの隣に自分たちが座る……想像できない」
--念願の『ミュージックステーション』(12月1日放送)出演決定おめでとうございます。かねてより掲げていた目標のひとつでしたが、決まったときはどんな気持ちになりました?
チッチ:今までの活動の中でいちばんビックリしました! 武道館と東京ドームと『ミュージックステーション』は「未知の世界だけど、出たい」と初期の頃から言っていて、でもいちばん実感が湧かない。タモリさんの隣に自分たちが座る……想像できないです。--福山雅治、椎名林檎、Kis-My-Ft2、back number、[Alexandros]と共演者も凄い。
チッチ:凄いですよね。私、[Alexandros]が前から好きだったんですよ。ライブにひとりで行ったりするぐらい。1回『バズリズム』で共演して喜んでいたけど、まさか『ミュージックステーション』で共演できる日が来るとは思わなかった。でも「どうしよう? 視聴率下がっちゃったら」とか考えちゃう。--でもこの並びだと「なんだ? この子たちは」となりやすいと思います。
チッチ:逆に? たしかにそうかも。--『ミュージックステーション』で何するんですか?
チッチ:何を期待してるんですか(笑)。メンバー同士で「どうやって階段下りる?」みたいな話はしました!「全員でコケる?」みたいな。でも「いや、絶対にちゃんとやったほうがいいでしょ」って誰かが言って。あと、あっちゃん(ハシヤスメアツコ)は『ミュージックステーション』録画して研究してますね。--番組内でどう立ち振る舞うか研究してるんですね(笑)。まぁでも『ミュージックステーション』×パンクバンドと言えば、ブルーハーツやミッシェルガンエレファントなど伝説を残している人たちがいますからね。
チッチ:ブルーハーツ、ミッシェルガンエレファント、BiSH。どうしよう(笑)? まぁでも何より緊張しすぎて失敗するのがイヤだから、楽しんでBiSHらしさを出せたらいいのかなと思っております。--それにしても凄い駆け上がり方をしてますね。2015年3月に結成してまだ2年半ぐらい。こんなに早くここまで来ると思っていました?
BiSH / プロミスザスター[NEVERMiND TOUR RELOADED THE FiNAL “REVOLUTiONS” @ 幕張メッセイベントホール]
--とは言え、結成当初は「BiSを超えられるかどうかも分からない」みたいな次元だった訳じゃないですか(元々BiSHは「BiSをもう一度始めます」というコンセプトでスタートした)。それが気付けばBiSとは全く違うストーリーになって『ミュージックステーション』に出演するまでの存在になった訳ですよね。気持ち的に追いつかない瞬間とかないんですか?
チッチ:私はあんまりないです。--常に冷静でいられている?
チッチ:私、あんまり病まないんですよね。最初の頃は人と比べたりしてたし、例えば「こう思われていたらイヤだ。お客さんに嫌われたらイヤだ」とかすごくいろんなことを考えて活動していたんですけど、そういうことを全然気にしなくなってからあんまり病まなくなりました。--いつ頃からそうなっていったんですか?
チッチ:ダイエット企画が終わってから(※チッチは2016年春、メジャーデビュー直前にダイエット企画に失敗してキャプテン剥奪となった→ http://bit.ly/2dzsle4)。--逆に解放された感じがあった?
チッチ:うん。1回「いいや」ってなった(笑)。そこからあんまり病まなくなって「めっちゃ楽しい!」ってなった。「好きなことやってるな」って実感するし。あと、メンバーと自分を比べることがなくなりました。それまでは負けず嫌いだから比較しちゃっていたんですけど、メンバーひとりひとりの良さが自分の中で見えてきて「私と比べるところじゃない。私は私だし、彼女は彼女だし、私の良さはコレで、彼女の良さはコレで」と分かるようになって、それであんまり病まなくなりました。--そんな今のチッチから見たBiSHメンバーについて、せっかく注目が集まる『ミュージックステーション』出演タイミングですし、1期メンバーのアイナとモモコから順に教えてもらってもいいですか?
チッチ:アイナは圧倒的に歌もダンスもズバ抜けているんで、それでBiSHを引っ張っていってくれている存在なんですよ。世間からも評価されているのはアイナのハスキーボイスで、それがあるからこそBiSHが注目されているところはあると思うから、そこはアイナの生まれ持った良いところだなって。で、モモコは言葉の力がすごくあるから、モモコが書く歌詞もツイートする言葉ひとつとっても私は全部好きで、本も出したいとも言っていたし、自分を表現する為に言葉を使うことがモモコの今いちばんやりたいことだと思うから、たとえ歌割りが少なかったりしたとしても、今BiSHとして楽しくやれているんだろうなって見てて思う。--続いて、2期メンバー。
チッチ:あっちゃんは最初は本当に手もつけられないぐらい……ちょっと「触れたくないな」みたいな(笑)怖い人だったんですけど、渡辺さん(BiSHプロデューサー/WACK社長)と話し合ったりしてコントとかMCに力を入れるようになってから、みんなを元気にしてくれる“空気が読めないムードメイカー”みたいな存在になって。別に空気読む必要もないし、ちょっと抜けてる部分がたまにあるから怒られたりもするけど、怒られてもあっちゃんは気にしないんで、それがまた良い空気を作ってくれている。その一方で掃除とか時間とかいちばんしっかりしてる。だからみんながダラダラしててもあっちゃんが最後は楽屋を全部綺麗にしてくれて、大人から「あ、BiSHは良い子たちだね」って思われてる気がします。--あっちゃんのおかげでBiSHの評判が良くなると(笑)。リンリンは?
チッチ:リンリンこそどう仲良くすればいいのか最初は分からなかったです。たぶん最初は嫌われていたし。でも今はいろんなことを話せるぐらい仲良くなって。あと、いつでも自分を持っている人なんで、誰のことも気にせずに自分がやりたいことをやるから、そんなリンリンを見て「BiSHが面白い」と思ってくれる人も多いと思うんです。発言もそうだし、ライブ中のパフォーマンスもそうだし、髪色とか髪型とかも普通の人じゃやらないようなことをやり続けてくれてるから、そういう人がメンバーにひとりでもいるのは「恵まれてるな」とめっちゃ思いますね。--“楽器を持たないパンクバンド”を体言してくれている感じもしますよね。
チッチ:本当にそう思いますね。だからリンリンはリンリンらしくいてほしいなと思います。--続いて、3期メンバーのアユニ・D。
チッチ:いちばんアユニは印象が変わったんですけど、加入当初は本当に喋るのも困難で、ずっと私にくっついて回ってる感じだったけど、最近は結構大人びてきて、顔もキリっとしてきたし、人にちゃんとモノを言える性格なのかなと逆に思えてきて。しっかりしてると言うか、出来る子だから出来ないことを見つけるとちゃんと言ってくれる。あと、可愛いし、若い(笑)。だから私たち5人と違う観点でモノを見れるし、そんなアユニを見て若い子たちがBiSHに注目してくれるようになっているところもあると思う。アユニは今すごくキラキラしてますね。--じゃあ、チッチは?
チッチ:私もたぶん我が道を行く系なんですけど、私はドッシリしていたいんですよ。みんながどんどん個性を伸ばして羽ばたいていく中でも、私はドッシリしていたい。最近、松隈さん(※BiSHサウンドプロデューサー)がBiSHの歌を飛び道具みたいな感じで変えてきたんですね。それでも私は変わらず真っ直ぐ刺さるように歌いたいと思っていて。いろんな表情を見せたいなとも思うけど、変に変えて行きたくはないなって。あと、好きな音楽は誰に何を言われようと好きで聴いていたいし、パフォーマンスに関しても“綺麗に”というよりかは“ガムシャラ”とか“泥臭い”ライブをしていたいと思ったり。--今の話とリンクすると思うんですが、サンボマスターと銀杏BOYZのツーマンライブを先日観に行かれて、その打ち上げの写真をツイートされていましたよね。
チッチ:大阪でサンボマスターのツアーファイナルがあって、それに銀杏BOYZが出た日にBiSHも大阪に居たんです。で、呼んでくれて、あのふたり(※サンボマスター山口隆&銀杏BOYZ峯田和伸)はお酒飲まないんで、ご飯を食べに行ったんです。--そもそもサンボと銀杏はなんで好きになったんですか?
チッチ:私が元々ロックを知ったのはフジファブリックからなんですけど、そこから掘っていろんな音楽を聴いていたときにゴイステ(※GOING STEADY。銀杏BOYZの前身バンド)にドハマりして。たしか最初に「BABY BABY」を大音量で聴いたんですけど、高校生だから制服で冬の日に耳当てしながら聴いたときに“初体験”みたいな気持ちになって、なんか込み上げてくる感覚になったんですよ。それが忘れられなくて、大好きになって、すごく聴くようになって、ギターも弾けないのにスコアブック買って(笑)。謎に! 家に飾るだけみたいな。あと、レコードプレイヤーもないのにレコード買ったり!- プー・ルイさんって何があっても自分じゃないですか。そこがすごく好き
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昨日。なんばHatchで
— セントチヒロ・チッチ (@Chittiii_BiSH) 2017年11月12日
ツアーファイナルだった
サンボマスターさんと
銀杏ボーイズさんと皆様。
たくさんお話した日でした。
呼んでいただいてうれしい
と緊張いっぱいなわたし。
素敵だ!!!! pic.twitter.com/ABQHZ3qzpe
リリース情報
THE GUERRiLLA BiSH
- 2017/11/29
- CD盤[AVCD-93754(CD)]
- 定価:3,240円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回生産限定盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
プー・ルイさんって何があっても自分じゃないですか。そこがすごく好き
--とにかく揃えたくなったんですね(笑)。
チッチ:そういうタイプなんです。で、サンボはいちばん最初に知ったのが『電車男』(※サンボマスター「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」がエンディングテーマだったドラマ)だったんです。だから最初はバンドというよりは“テレビの向こう側の人”みたいな印象で。でもそのあとに銀杏とサンボがよく対バンしていると知って「あ、そうなんだ! そういう感じなんだ!」と思ってライブを観に行ったら、「めっちゃ格好良い! 何、このおじさん!」みたいな。普段はあんな感じの人なのにライブになったら凄まじく格好良くて「誰に嫌われてもいいんだろうな」と思うぐらいキレながら叫んでたんですよ。それで好きになってハマって。好きなバンドはたくさんいるんですけど、いちばん好きなバンドを訊ねられたら「銀杏、サンボ」って言うぐらい好き。--銀杏やサンボが持つ熱量や振り切れ具合、チッチもだんだんBiSHのステージで出せるようになっていきましたよね。客席に突っ込むにしても、煽り方ひとつ取っても。アレは本当は最初から打ち出したかったけど、我慢していたんですか。それとも少しずつ体言できるようになっていったんでしょうか?
チッチ:最初の私は完全に猫を100匹ぐらいかぶっていたんで。--猫100匹は重たいね。
チッチ:重たい、本当に。元々アイドルだったところもあって、BiSHもクソアイドルと銘打っていたとは言えアイドルだったんで「可愛くいたい」という気持ちが強かったんです。可愛く見られたいし、誰ひとりからも嫌われたくないし、メンバーからも変な目で見られたくないし、そういう気持ちがめっちゃあったから、正統派なライブというか「言われたことはちゃんと守らなきゃ」とか「ダメって言われたらやっちゃダメ」とか……まぁ元々そういう性格なので「ちゃんとやんなきゃ」みたいな感じでやっていたんですよね。でもダイエット企画が終わってから“好かれること”を辞めたから、お客さんにもメンバーにも大人にも「別にどう思われてもいいや」と思うようになって、勝手に客席突っ込んでいったり、お客さんの手にしがみついて立ち上がったり、そういうずっとやりたかったことをライブで出来るようになりました。私がソレをやるのは放出するモノもあるけど、吸収するモノがあるからであって、私はいっぱい刺激を受けたいからいっぱいライブを観に行くんですよ。で、格好良いバンドの格好良いライブを観たら「私もやりたい!」って吸収して、それをBiSHのライブで放出する。それをずっと繰り返しているんです。--それは凄い人を見たら、その人を自分に憑依させる感覚でもあるの?
チッチ:それも軽くあります。憑依させる感じもあるし……あと逆に「悔しい。こんな格好良いライブされて悔しい。私はもっと格好良いライブしてやろう」と思って、その悔しさが自分たちのライブに反映されることもある。だから悔しいライブを観たときがいちばん嬉しい。--BiSHが有名になっていく流れと、そうやってチッチが変化していく流れ。時系列としては比例している感じもするんですが、自分ではどう思う?
チッチ:たしかにそうかもしれないですね。観てくれる人が多くなった分、自分のことも観てほしいし、だったらやりたいことをやっている自分を観てほしいじゃないですか。固められている自分より。BiSHのことを面白いと思ってほしいし、自分のパフォーマンスで「BiSH、面白い」と思ってくれる人が増えるんだったらどんどんやっていきたいから、どんどんやってます。--そうやっていろんなモノを吸収して、いろんなモノを放出してきたチッチから見て、今現在のBiSHはどんなグループになってるなと思いますか?
BiSH / Am I FRENZY??[NEVERMiND TOUR FiNAL @ ZEPP TOKYO]
--それは大きな変化ですね。
チッチ:あとは、立ち向かっていく気持ち。対バンだったら「この相手にどうやったら勝てるか」とか「ここで私たちはどう立ち回ったら良く見えるか」みたいなことを考えるようにもなりました。MOROHAとのツーマンのときもそうだし、エビ中とのツーマンのときもそうだったし。--今、BiSHって世間からどう見られていると思いますか?
チッチ:やっぱり賛否両論があるグループなんじゃないかなと思います。でもソレが面白いと思います。賛だけだったらつまんないし、否があるからこそ成長していけるから、両方の意見を聞きたいですね。近い人たちはもちろんだけど、それ以外の人たちの意見も聞いてみたい。まだ会ったことのない著名人の方とかがBiSHを「好き」と言ってくれることも最近増えてきて、音楽界隈じゃなくて映画界隈の方とか本書いている方とかも好んでくれている。それは曲を聴いてくれてなんですよ。だから曲を好きになって、それからライブを観てもらったらどう思うのかすごく気になる。--まず曲を聴いて好きになってくれるのは理想的ですよね。新アルバム『THE GUERRiLLA BiSH』も今チッチが話してくれたような現象を生んでいく作品だと思うんですが、MVが先行公開されている「My landscape」ひとつ取っても衝撃度が高いですよね。「あ、こんな音楽もやってみせるんだ」「こんなMVまで撮っちゃうんだ」「こんな世界観も描けるグループなんだ」となる。
BiSH / My landscape[OFFICIAL VIDEO]
--それは音楽に限らず言えますよね。「これは間違っちゃったかな、ヤバいかな」と思うような事態になったとしても必ず最終的に好転する。
チッチ:それはBiSHの強みだなと思います。今回のアルバムもシャウトの曲とかシャッフルビートの曲とか難しかったけど、それが結果的に面白い曲になったから「やっぱりBiSHってすげぇな」と私もBiSHだけど(笑)思いました。みんなの声もすごく強くなったし、ひとりひとりの声の良さが見えてくる。あっちゃんが初めて落ちサビ歌ったりとか、モモコがメインの曲もあったり、全員それぞれの良さが見えるアルバムかなって。--そんなアルバム『THE GUERRiLLA BiSH』の中でひとつ気になったポイントがありまして。今作の最後を飾る「FOR HiM」。このタイトル、フランス語に直訳すると「POUR LUI」じゃないですか。ネット上でも少し話題になっていますが、BiSHの作品にプー・ルイ(※BiSリーダー)を匂わせるナンバーが何故に収録されているんでしょうか?
チッチ:これは渡辺さんが書いた歌詞なんで、渡辺さんの気持ちだと思って私は受け取ったんですけど……でも頭悪いんで、最初「FOR HiM」が「POUR LUI」になることに全く気付かず歌ってて(笑)。メンバーの誰かが「これって訳したら「POUR LUI」だよね」と言い出して「え、そうなの?」って。ただ、私は自分が書いていない歌詞でも自分と重ね合わせて歌うんですね。気持ちを入れる為に。だから「FOR HiM」の歌詞もプー・ルイさんじゃなく、自分にとってのそういう相手を想って歌いました。でも解釈的には渡辺さんがプー・ルイさんに宛てた曲なのかなと思ったし、それを「BiSじゃなくBiSHが歌うことに意味があるんだろうな、BiSHじゃなきゃダメなんだろうな」って思いました。--あと、チッチも先程言っていたように、BiSHはそれぞれに個性も武器もあるじゃないですか。その誰もが正真正銘BiSHになっていると思うんですが、チッチはBiSHじゃないといちばん成立しない人というか、すべてがBiSHだから機能している人なのかなって。自分ではどう思います?
チッチ:まさにそうだと思います。私はBiSHが今すごく楽しいんで、BiSHで好きな人たちと対バンできていることも、好きな歌が歌えていることもすごく誇りに思う。だから「BiSHが終わったら何がしたい?」ってよく聞かれるんですけど、正直何も浮かばない。言わなきゃいけないから「○○したい」とか言ったりしますけど(笑)、でも私はBiSHをおばさんになるまで続けたいと思っているんですね。峯田さんに「絶対、おばさんになるまでやったほうがいいよ」と言われて「なんでですか?」って聞いたら、「アイドルじゃなくてバンドを選んだということは、君は続ける覚悟があるんでしょ? 女の子でいたい訳ではないんでしょ? アイドルは儚いものだけど、バンドはいつまでも生き続けるものだから、それを選んだのなら続けたほうがいい」って。--いろんな重みを感じる言葉ですね。峯田和伸の歩んできた人生が乗っかってる。
チッチ:そう言われて私も「そうだな」と思って。BiSHのセントチヒロ・チッチとして生きている自分が私は好きなんです。だから自分が表現できるし。他のグループにいても自分を全然出せないんですよ。私はBiSHにいるから自分でいられる。--そういう意味では、先程話題に出たプー・ルイがBiSの顔であるのなら、チッチはBiSHの顔になっていかなきゃいけないと思うし、そこは自分的にはどう思ってるんですか?
チッチ:そうなりたいと入った頃から思ってます。だから先陣切っていろいろやっていこうと頑張ってはいますし、みんなが迷ったら「はい!」みたいな(笑)。いろいろ積極的にアクティブにやっていきたいし、BiSHを知ってもらう為にやれることはやりたいから、コミュニケーションを取るのがBiSHは苦手だけど、ちゃんと挨拶に行って、CD渡して「聴いてください」みたいなことも私はやっていきたくて。知ってもらえるから。あと、プー・ルイさんって何があっても自分じゃないですか。そこがすごく好きで、すごく尊敬しています。--ポジティブな状況でもネガティブな状況でも、格好良いところも格好悪いところもプー・ルイはプー・ルイ。そういう人ではありますよね。
チッチ:ぜんぶプー・ルイさんなんです。そういうところは羨ましいというか、私もそういう人になりたいなと思いました。リリース情報
THE GUERRiLLA BiSH
- 2017/11/29
- CD盤[AVCD-93754(CD)]
- 定価:3,240円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- 初回生産限定盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
峯田和伸(銀杏BOYZ)との約束「ロックンロールの神様からもらいました」
--プー・ルイの後輩の中では、チッチがいちばんその属性にあると思いますけどね。他のグループじゃ成立しないところとか、ヘッポコと言われても我がままに突き進むところとか……
チッチ:(笑)--そんなチッチも参加するWACK総選挙【VOTE!!WACK!!】(※BiS/BiSH/GANG PARADE/EMPiRE全25名のメンバーが参加。アルバム『WACK & SCRAMBLES WORKS』に封入されるシリアルを使い投票する仕組みで、1位及び2位獲得メンバーはavex traxからソロデビューの権利が与えられる)の開催が決定しました。
チッチ:知ったときは「マジか?」と思いました。そりゃ単純にCDは売れるし、戦法としてはすごく良いことだと思ったんですけど、最初はやりたくなくて。--その理由は?
チッチ:順位を付けたくなかったから。順位が付いた時点で全員が全員を見る目が変わってしまうと思うんで。人間だし、女の子だし。--チッチは元々AKB48のファンだから、その辺の心理はよく分かってますよね。
GANG PARADE『GANG PARADE』MUSIC VIDEO
--ギャンパレからしたら逆にチャンスですからね。
チッチ:そのチャンスを掴みに行っている感じがすごく格好良いなと思って。でもBiSHは曖昧な感じというか「……やります」みたいな感じ。--気持ちが乗ってない。
チッチ:その感じがすごく漂っているなと思って。そんな中、お母さんから電話が来て「総選挙やるんだね。ギャンパレの子たちはすっごいすっごいツイートしてるけど、BiSHの子たちは全然してないね。やりたくないの?」と聞かれたんです。それで「やりたくないっちゃ、やりたくないかも」って言ったら「でもチャンスには挑戦していったほうがいいんじゃないの。それがアンタでしょ?」って。それで考えたんですけど、このままメンバー誰ひとりとして全く興味も示さず、もしも5位以内に誰も入れなかったらめちゃくちゃダサいじゃないですか。BiSHなのに。それを想像したときにすごく怖くなって。で、そもそも負けず嫌いだし、いつだって1位を獲りたい人だから、最初は総選挙について何も触れないでおこうと思っていたんですけど「いや、このままじゃダメだ」と思って。多分、アイナは何もしなくても1位か2位は獲れると思うんですよ。圧倒的だから。でも私は言葉を発さないとダメだと思ったんです。ちゃんと気持ちをキャップス(※チッチファンの呼称)にもだし、みんなに対して伝えないと伝わらない。じゃないと本当にやりたいのかどうかも伝わらないと思うし。だから「優勝したい」と書きました(※チッチは、11月16日「望むは優勝。です。」と自身のアカウントでツイートした)。特典会でも「どうしたい?」と聞かれて「やりたい」と答えました。やれることはやりたいって。大変だろうけど。--今回のインタビューで語ってくれた「別にどう思われてもいいや」と変わったチッチや、銀杏BOYZやサンボマスターの影響を受けてきたチッチ、「私はBiSHにいるから自分でいられる」チッチからしたら、立ち向かってきたものに対してスカして何もアプローチしないのは、らしくないですよね。
チッチ:最近、誰かにも「チッチは別にやっていいんじゃない」と言われて「なんでだろう?」って思っていたんですけど、きっと今話してくれたところですよね。--ダイエット企画以降「“好かれること”を辞めた」と言ってましたけど、それって極論言えば「もう格好悪くたっていいや」ってことじゃないですか。
チッチ:「格好悪い自分を認めていかないと」っていうのが私の目標なんで、たしかにそうですね。--では、どこで勝負するんですか?
チッチ:やっぱり私はライブで魅せるしかない。常に「優勝したい」と思ってこれからのライブに臨むこと。それで優勝を目指します。--そんな総選挙の行く末も気になるところですが、念願の『ミュージックステーション』出演も決定して、2018年はいよいよ本格的なブレイクイヤーになっていきますよね。そこに飛び込んでいく今の心境を聞かせてください。
チッチ:BiSHはWACKが好きな人たちに限らず、本当にいろんな人から認められ出したんだなと実感していて、そこは不安でもあるんですけど、でもそれぐらいの不安がないとBiSHはダメだと思うから。天狗になるタイプではないんですけど、何かそういう大きいモノに向かっていく状況があるほうが活気づくというか「やらなきゃ!」って気持ちになる。そういうモノって渡辺さんたちが信用してるから用意してくれる訳じゃないですか。「BiSHなら出来るだろうな」って。だったら私たちもソレに相応しい存在として、そういう意識で突き進んでいかなきゃなと思います。あと、今、あっちゃんが「老若男女に好かれる、お茶の間のアイドルになりたい」みたいなことをよく言っていて、そういう存在になりたいですね。--元々コミュ障の集まりであるBiSHが、今は本当にそうなるんじゃないかと思わせるところまで来たのは凄いよね。いざステージやテレビに飛び出したら大衆を魅了する訳ですから。
チッチ:そこが面白いですよね。テレビに出る機会も増えたけど、でもBiSHは変わらずBiSHのままなんで。そこが好きです。「メジャーデビューして何が変わりましたか?」って聞かれたらみんながみんな「うーん……」ってなっちゃうんです(笑)。それは良くないかもしれないですけど、そこが私は面白くて好きなんです。これから今まで以上に挑戦の日々になっていくと思うんですけど、そこはきっと変わらない。--ちなみに、チッチの家族はこの状況に対して何て言ってるんですか?
BiSH/BiSH-星が瞬く夜に- [OFFICIAL VIDEO]
--弟も認めてくれたんですね(笑)。
チッチ:今までライブに来てくれなかったんですけど、多分来てくれると思います。--本当に人生が大好転しましたね。
チッチ:たしかに。なんか映画観てるみたい。でもちゃんと地に足つけてやっていかないと。映画じゃないんで。--ちょっと恥ずかしいやつ、お願いしてもいいですか?
チッチ:え、なんですか?--1年後の自分にメッセージを送ってもらってもいいですか?
チッチ:えぇー! めっちゃ恥ずかしいじゃないですか(笑)。……1年後のチッチさん。でもそのときも好きなことをやっててほしいな。「どんなにBiSHが大きくなっても、好きなことやってますか」って言いたい。多分、BiSHは大丈夫なんで。何故なら今の6人は最強だから。ここからさらに最強アルティメットなんちゃらみたいな感じでどんどん強くなっていって、6人の色ももっと濃くなっていって、1年後にはもっと面白いことになっていると思うんです。未知の世界を楽しんでる6人がそこにいると思う。だから私は楽しみ。……すみません、ちょっとビデオレターみたいには出来なかったんですけど。--全然問題ないです(笑)。ちなみに、先程「おばさんになるまでBiSHを続けたい」と仰ってましたけど、具体的にはいくつぐらいまでBiSHを続けたいと思ってるんですか?
チッチ:峯田さんに「30歳まではやってね」と言われて約束したんで、30歳までは絶対に続けたいと思ってます。「おばさんになってからが絶対に楽しいからね」と言われたんで、30歳を超えるのも今の楽しみなんです。--良い言葉をプレゼントしてもらいましたね。
チッチ:ロックンロールの神様からもらいました(笑)。リリース情報
THE GUERRiLLA BiSH
- 2017/11/29
- CD盤[AVCD-93754(CD)]
- 定価:3,240円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
THE GUERRiLLA BiSH
2017/11/29 RELEASE
AVCD-93753 ¥ 6,380(税込)
Disc01
- 01.My landscape
- 02.SHARR
- 03.GiANT KiLLERS
- 04.SMACK baby SMACK
- 05.spare of despair
- 06.プロミスザスター
- 07.JAM
- 08.Here’s looking at you, kid.
- 09.ろっくんろおるのかみさま
- 10.BODiES
- 11.ALLS
- 12.パール
- 13.FOR HiM
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