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【SUMMER SONIC 2017】&【Billboard JAPAN Party!】ライブ&フォト・レポート
2017年8月19日~20日にかけて千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセと大阪・舞洲SONIC PARKにて行われた【SUMMER SONIC 2017】。新作『Funk Wav Bounces Vol. 1』も絶好調な”世界で最も稼ぐDJ”カルヴィン・ハリスと、サマソニ初出演となるフー・ファイターズをヘッドライナーに迎え、ブラック・アイド・ピーズ、ケシャ、カサビアン、フェニックス、サム41、グッド・シャーロット、リック・アストリーなど今年もサマソニらしい多彩なラインナップが集結。BABYMETALやSuchmos、エレファント・カシマシ、VAMPS、欅坂46など国内アーティストも充実し、各ステージを大いに沸かせた。
そして、Billboard JAPANは今年もビーチ・ステージで“Billboard JAPAN Party!”を開催。ビルボードライブ10周年のアニバーサリーイヤーとなる今年は、ホンネ、ケラーニ、タキシードが登場。「次の10年を支えるネクスト・アーティスト」として熱く、心地よいサマーパーティーを繰り広げた。 本特集では、“Billboard JAPAN Party!”の模様とともに、【SUMMER SONIC 2017】東京会場のライブ&フォト・レポートをお届けする。
Photo: (C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
DAY 1 l 2017.08.19 SATURDAY
MARINE STAGEピコ太郎 / JOSÉ JAMES / BLACK EYED PEAS / CALVIN HARRIS MOUNTAIN STAGE
DUA LIPA / ZARA LARSSON / PHOENIX / KASABIAN SONIC STAGE
LANY / DECLAN McKENNA / BLOOD ORANGE / ABOVE & BEYOND / JUSTICE BEACH STAGE
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA GARDEN STAGE
MR JUKES / JUANA MOLINA special guest YOSHIE NAKANO
10:45~ @ MARINE STAGE


12:10~ @ SONIC STAGE


目下「次のThe 1975になるのでは?」とも噂されるロサンゼルス出身のポップ・バンド、レイニー。今年6月に1stアルバムを出したばかりの彼らだが、メンバーが登場すると会場からは黄色い歓声が飛び出し、すでに熱烈なファンがいることがうかがえる。特にヴォーカルのポール ・クラインは大人気で、彼がポップな片足飛びを見せたり、髪を振り上げたりする度に会場が沸いた。3人で臨む演奏面でも、やはりポールの存在感が大きい。ソウルフルなボーカルの魅力はもちろん、「I love you!」や「Let's go!」など演奏中も何度も客席に呼び掛け、会場の空気を温めていく。ライブの最後はバンドの代名詞とも言えるヒット曲「ILYSB」で大合唱で幕を閉じた。シンプルな照明や演出の効果もあり、アリーナ規模のソニック・ステージという会場にも関わらず、インティメイトな感覚のあるショウとなった。このムードを保ったまま、順調に会場の規模を広げていけば、唯一無二の存在感を持ったバンドに成長する可能性もありそうだ。
12:15~ @ MARINE STAGE


13:10~ @ SONIC STAGE


6月にデビュー・アルバム『What Do You Think About the Car?』のプロモーションのため初来日を果たしたばかりのUKの新星、デクラン・マッケンナが一般向けとしては日本初となるパフォーマンスを<ソニックステージ>で披露した。リトル・マーメイドのTシャツに短パン、そしてサングラス姿という個性的なルックスのデクランが、バンドメンバーたちとステージ上に現れ、「それじゃあ始めるよ」とデクランが集まったオーディエンスに声がけし、「Isombard」から幕が開けた。ギター、ベース、キーボード、ドラムのフルバンド編成となった今回のステージでは、「Make Me Your Queen」をアコースティック・ギターで歌い上げたと思えば、「Humongous」ではエレキギターに持ち替え、バンドメンバーと迫力のセッションを披露。ステージ上を駆け回り、バンドの演奏に合わせ身体全体で一つ一つの楽曲を披露するその姿に集まった観客もどんどん惹きこまれていく。最後の曲として、FIFAの汚職とその年のサッカー・ワールドカップに関して書いた楽曲として話題となった「Brazil」を披露すると会場からも大歓声が起きた。サマソニのステージで自らの才能を惜しみなく発揮したデクラン・マッケンナ、今後の活躍にもっと注目していきたいと思わせてくれるステージングだった。
13:55~ @ MOUNTAIN STAGE


15:05~ @ MOUNTAIN STAGE


この日、モデル級の美女シンガーが続けて登場となった<マウンテンステージ>。15時を回り、姿を現したのはスウェーデンの若き歌姫、ザラ・ラーソンだ。今年のサマソニのラインナップが正式発表される前に、自身のSNSにフライングで出演決定の投稿をしてしまい話題を集めたことを覚えているだろうか?そんなお茶目なザラは、サマソニTシャツにデニムのショートパンツというフェス・スタイルで登場。初っ端からアップビートな楽曲「Never Forget You」を披露し、そのパワフルな歌声とキレの良いダンスに会場は一気に熱気に包まれる。「トーキョー、タダイマ!ダイスキ!踊る準備はできてる?」とファンに声をかけると会場からも溢れんばかりの歓声が。そしてこの日、自身も大好きなアーティストの一人とするエド・シーランとの楽曲「Don't Let Me Be Yours」を披露すると、続けてエドの「Shape of You」もカバーし観客を沸かせた。今年3月にリリースされたデビュー・フルアルバムのタイトル曲「So Good」ではファンとの大合唱が起こり、「もうすでに次の来日が楽しみだわ。私のステージを観に来てくれてありがとう。みんな、私のシンフォニーになってくれない?」と告げ、クリーン・バンディッドとのコラボ曲「Symphony」を披露。そして「Lush Life」でステージを締めくくるというキュートでパワフルなド迫力のステージを魅せてくれた。
16:55~ @ GARDEN STAGE


Mr Jukesことジャック・ステッドマンがベース、そしてサックス、トランペット、キーボード、ドラムス、女性ヴォーカル2名の豪華な7人編成とともにピースフルな雰囲気でライブがスタート。本国ロンドンで行われたアルバム・リリース記念ライブに次ぐ、なんと史上2度目のパフォーマンスとのことだ。BBCのライブとは一味も二味も違うジャックの色気あるヴォーカルと女性ヴォーカルの艶やかなコーラスに彩られた「Magic」や気鋭プレーヤーたちによるソロ・コーナーありの粋なセッションを経て、「この曲はみんな多分知ってるんじゃないかな?」というジャックの言葉からスタートしたローリン・ヒル「Doo Wop (That Thing)」のカヴァーでは、ローリンのパートを凛と歌い上げる女性ヴォーカルのフリーダに大歓声が浴びせられた。そして数年前ジャックが東京のジャズ喫茶で見つけたレコードに由来した「Grant Green」も、いい具合にスムースでファンキーに仕上がっていて、絶えず嬉しそうな笑みを浮かべながら演奏するメンバーたちの姿に観客も次第に笑顔に。そして序盤のファンキーなベースラインから、後半徐々に増していくサックスとドラムのグルーヴ感が観客をヒートアップさせた「Angels」でフィナーレを迎えた。途中から大粒の雨が降ってきたにも関わらず、音源の枠に収まらない、何とも洒脱なパフォーマンスで観客を惹きこんでいった至福の時間だった。
17:05~ @ SONIC STAGE


カイリー・ミノーグ、カーリー・レイ・ジェプセン、ソランジュなどのプロデュースを手掛け、2016年の初来日公演をソールドアウトにした天才、デヴ・ハインズことBlood Orangeが、満を持してソニック・ステージに登場ギター&キーボード、ベース、ドラム、コーラスを率いて、デヴ本人は歌あり、ギターあり、キーボードありと、「Bad Girls」や「Uncle Ace」といった過去曲から、昨年リリースしたアルバム『フリータウン・サウンド』から「E.V.P」を披露し、オーディエンスを釘付けに。ソウル、R&B、ファンク、ヒップホップなど多彩なジャンルを内包しながら、火照った体をクールダウンさせる夕方にピッタリの洗練されたチル・サウンドと、どこを切り取っても高いクオリティのパフォーマンスは彼の溢れる才能を再び日本で証明した。そして、ミュージック・ビデオでも披露していた切れ味抜群のステップももちろん、この大舞台でいかんなく発揮されていた。
18:10~ @ MARINE STAGE


17時半頃から雨が降り始めていた幕張だったが、18時過ぎ頃には雨脚も弱まってきた。<マリンステージ>には、10年ぶりのサマソニ出演となるブラック・アイド・ピーズの姿を一目見ようとアリーナは多くのファンで埋め尽くされていた。予定時刻から10分ほど経ったところで、白と黒で統一した衣装を身にまとったウィル・アイ・アム、タブー、アップル・デ・アップの 3人が登場し、会場から大歓声が沸く。曲名通り「Let's Get It Started」でステージの幕は明けた。ウィルの「準備は出来てる?イチ・ニ・サン・シ!」の合図で「Pump It」が始まると会場の熱気は益々ヒートアップ。落ち着く暇もなくヒット曲が次々に披露されていくステージは圧巻。そして、ウィルがアメリカでの人種差別問題や世界で起こる様々な悲劇に対し「もっとLOVEを広げていこう」と伝え「Where Is The Love?」をファン共に熱唱。ファンたちは手で形作ったハートマークや携帯の光を掲げ、感動的な光景が広がった。そして、最後にウィルが「最高な夜になりそうな気がしてる」と言い放ちファーギーの代わりとして登場していた韓国人歌手のCLも一緒に世界的大ヒット・ソングの「I Gotta Feeling」を披露。<マリンステージ>が大きく揺れ、集まったファンには大満足の内容となった。また、今回のステージでは、新作が今年の11月頃にリリースされるとの嬉しいニュースも残していってくれたブラック・アイド・ピーズの今後の動向に注目していきたい。
17:05~ @ SONIC STAGE


18:45~ @ MOUNTAIN STAGE


約3年ぶりの来日ということもあり、始まる前からオーディエンスの熱気がハンパない<マウンテン・ステージ>。ややセッティングに手こずっているようだったが、定刻になるとメンバー4人とサポート・メンバー2人がオン・ステージし、最新作『ティ・アモ』のリード・トラック「J-Boy」からいきなりスタート。続く「Entertainment」や「Trying to Be Cool」など、曲のイントロが流れるたびに大歓声があがり、コーラスでは必ずシングアロングが沸き起こるあたり、彼らがどれだけ日本で愛されているか伺える。トマのアンニュイながらもフロントマンとしての確固たるカリスマ性には惹きつけられるものがあるし、彼らの世界観を体現するヴィジュアルとライティングも、とにかく細部まで入念に計算されており、どの瞬間を切り取っても絵になる。ドラムに装飾されたハート型のライトが点灯するとともに「Ti Amo」に突入すると、煌びやかなイタリアン・ディスコのビートに体を揺らし、お決まりの「If I Ever Feel Better 」~「Funky Squaredance」のマッシュアップでは、ブランコ&クリスチャン兄弟の強靭なギター・アンサンブルとトマの淡々としたヴォーカルの絶妙なコントラストに酔う。「Ti Amo」のリプライズ的な「Ti Amo Di Piu」ではトマがもみくちゃになりながら再びフロアに降り、コンフェティが優美に舞う中、約1時間ライブは大歓声の中終了した。過去のヒット曲をギュッと凝縮した、フェスと考えると鉄板なセットリスト、そして完璧なパフォーマンスだったが、やはり次回はフル・プロダクションでの単独公演熱望!
19:40~ @ MARINE STAGE


押しも押されぬ“キング・オブ・EDM”。であるにも関わらず、今年リリースされたアルバム『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol. 1』が、それとは対照的なR&Bや西海岸ヒップホップに影響されたメロウ&グルーヴィーな内容だったカルヴィン・ハリス。で、あればヘッドライナーとして登場するサマソニのステージはどんなライブになるのか。その内容に注目が集まっていた。
蓋を開けてみれば、カルヴィンはこれまでのイメージ通りの王道のEDMスタイルのプレイを披露、同フェス最大のステージを巨大なダンス・フロアに変えた。巨大なLEDビジョンに映る、美しい部分と禍々しい部分をジェットコースターのように行き来する映像をバックに、「We Found Love」や「I Need Your Love」といった自身のヒット曲や、メジャー・レイザー「Lean On」のような他アーティストのダンス・トラックを次々と投下。いずれも1コーラス、長くても2コーラスで次の曲へ、という流れの繰り返しで、何度も何度もピークを作った。その“機能性”の高さは世界No.1のDJたるゆえんだろう。一方で、新作から披露されたのはフランク・オーシャン、ヤング・サグが参加した「Slide」のみ。終演後、そのことでWEB上でも賛否両論が散見された。だが、仮にカルヴィンが今後、より『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ』寄りのライブにシフトしていった場合、日本のリスナーにとっては、EDM期のカルヴィンを体験する貴重な機会となった、ということにもなる。そのことの意味が明確になるのは、むしろこれからかも知れない。オーディエンスの多くが浴びるようなビートとダンスの恍惚感に包まれる中、最後はマリン恒例の花火が上がり、この日のステージを締めくくった。
20:05~ @ SONIC STAGE


20:15~ @ MOUNTAIN STAGE


この日の<マウンテンステージ>のトリを務めたのは、UKの国民英雄的ロックバンド=カサビアン。前夜に行われていた【ソニックマニア】にも出演していた彼らは2夜連続での登場となったが、3年ぶりのサマソニ出演ということもあり多くのファンが駆け付けた。ヴォーカルのトムは白いジャケットにサングラス姿で、サージはバンドTシャツを身にまとい登場。「Ill Ray (The King)」、「Underdog」、「eez-eh」と、初っ端から新旧の楽曲を織り混ぜた内容で会場はすぐにヒートアップ。5曲ほど披露したところでレーザーライトが消え会場が暗闇に包まれると、白い光が点灯し始める。「これは来るぞ」とファンがざわめき自然と手拍子が始まると、カサビアンが彼らの代名詞でもある「Club Foot」をドロップし大歓声が起きる。トムの力の入った歌声とファンの大合唱で、会場は最高潮の熱気に包まれ、そのまま「treat」では、サージがステージを降り、ファンとハイタッチ。舞台上に戻ると日の丸とカサビアンのロゴが入ったタオルを掲げ更に観客を煽る。そして、前夜のソニマニでは披露しなかったという「Empire」もこのステージでは披露してくれた。興奮冷めやらぬままアンコール2曲を終えると、「もっとみんなのエナジーが必要なんだ」とトムが言い放ち、サージの「みんなしゃがんで!」の合図に、観客全員がしゃがみこみ、そこから全員でジャンプ。「Fire」でサマソニのステージを締めくくった。サイケ~ロックまで新旧のヒット曲オンパレードという大満足のステージを届けてくれた。
21:05~ @ GARDEN STAGE


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公演情報
【SUMMER SONIC 2017】2017年8月19日(土)、20日(日)
QVCマリンフィールド&幕張メッセ / 舞洲サマーソニック大阪特設会場
INFO: http://www.summersonic.com/
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Photo: (C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
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