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【再掲】対談:猪野秀史×ハマ・オカモト(OKAMOTO'S) ~ 鈴木茂&林立夫との共演と“日本のロック”から受けたヒントを語る

猪野秀史×ハマ・オカモト

 鈴木茂、猪野秀史、林立夫、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)という世代を隔てた4名のプレイヤーの共演ライブが2018年6月に開催される。もともとは2013年に、猪野のバンドに鈴木茂が加わる形で実現したライブがスタート地点。その二度目の試みとして林&ハマが加わったのが2015年。今回は、その時と同じ布陣が揃っての再びのライブとなる。

 鈴木と林という日本のロックの黎明期からシーンに関わってきたレジェンドと、より若い世代の猪野とハマによる“バンド”。そもそもその集結のきっかけはどんなところにあったのか。また、いま再び脚光を浴びる日本のロックのパイオニアたちの音楽と、猪野とハマはどのように出会ったのか。鈴木と猪野の対談で迫った2年前のインタビューに続き、今回は猪野とハマへのインタビューという形で話を聞いてみた。

“レコードの中の人たち”との共演

--お二人が出会ったのは、藤原ヒロシさんのバンドメンバーとしてだったそうですね。

ハマ:5年前ぐらい前です。【FUJI ROCK FESTIVAL】にも出ましたよね。

猪野:うん、出たね。

ハマ:渋谷の宮益坂でのスタジオ・リハーサルでお会いしたのはハッキリと覚えてます。

猪野:サイトウミュージックスタジオだ。ローズがあるところ。あれって、もう10年近く前じゃない?

ハマ:10年?(笑)

猪野:最初にあった時から初めて会った気がしなかったな。

ハマ:ヒロシさんとは一時期、所属事務所が同じで、ライブをやるにあたって声をかけてくれた、という認識でした。最初は横浜の【GREENROOM FESTIVAL】に出演した時だったと思います。

猪野:3人だけで、完全にアコースティックのライブでしたね。

ハマ:照明さんが、なぜか僕の座っていたところの1メートル前にピンスポを当てたこと覚えてます? 僕は「そこでソロを取れ」という意味だと思って、座りのライブだったのに、立ってそこまで行って事なきを得たんです。けど、終わったあと2人に「目立とうとしただろ!」ってすごい責められて(笑)

猪野:照明にうるさいもんね、ハマくん。

ハマ:うるさくないです(笑)。「何のミスなんだろう?」と思いましたよ。最初はその1回きりのライブサポートだと思っていましたが、その後も【RISING SUN ROCK FESTIVAL】やテレビの生放送に出演したり、コンスタントに参加させてもらいまして。結構、長い期間ご一緒に演奏させて貰っていますね。

--前回の鈴木さん、林さんとのライブの時にハマさんが加わったのも猪野さんの提案だったんですか?

猪野:そうです。真面目に答えた方がいいですか?

一同:(笑)

猪野:冗談で言うと…ベースが上手くて人柄が良い(笑)。で、真面目に答えると…ぶっちゃけ、おじさんばっかりなので、平均年齢を少しでも下げたいなと思って。僕の周りで、20代でイケてるベーシストは、もうハマくんしかいなかったから。

 もっと真面目に言うと、鈴木茂さんや林立夫さんと、一緒のバンドメンバーとしてライブやツアーを回るって、そうそうないチャンスだと思うし、すごく勉強にもなるだろうと思って。これからの日本の未来の音楽シーンを担う…っていうのは言い過ぎかも知れないですけど、そういう機会がもっと増えると良いなと思います。僕自身、あまりそういう機会に恵まれて来なかったので。でも、ハマくんはもう超売れっ子ですからね。これからは逆に、僕がお世話して貰う番かな。

ハマ:いやいやいやいや(笑)。でも、声かけて貰った時は純粋に嬉しかったです。

--最初はどんな心境でしたか?

ハマ:ビックリしました。猪野さんが茂さんと一緒にライブをしているのは前々から知っていて、リキッドルームでのライブも普通に好きで観に行っていた立場だったので、「まさか!」という感じでした。茂さんや立夫さんは本当に“レコードの中の人”たちというか。好き過ぎて呼び捨てにしてしまう感じってあるじゃないですか? 「細野、ヤベー!」みたいな(笑)。もちろん、今はお会いすることが出来たので“さん”付けですが、茂さんや立夫さんもそういう人たちだったので、一人でどよめきました(笑)

 でも、猪野さんがおっしゃっていたように、望んでもなかなか出来ることではないと思っていて。しかも、僕はバンドマンで、その中では様々な方達と共演させて貰っている方だと思いますが、いわゆるスタジオ・ミュージシャンやセッションマンの立場ではないので。結局は僕が出来る限りのことをやって、3人とどうやっていくか、でしかないのかな、と気持ちに切り替えました。いちミュージシャンとしてやるので当たり前のことかも知れないですけど、実際に演奏してみるとお二人も猪野さんも、本当に年齢を感じなかったというか。特に、立夫さんと茂さんは、お付き合いも長いですし、仲の良さというか少年感がすごいんです。

猪野:すごく羨ましいですよね。OKAMOTO’Sもそうだと思うんだけど、若い時から一緒で、大人になって、多分これからも一緒にやっていく。そういう人間が周りにいるっていうのは、とても素晴らしいことだと思う。共有できるってことだと思うし、自分の“辞書”が近くにあるっていうことですから。

ハマ:茂さんも立夫さんも、一緒になったり、ならなかったりという時もあるると思いますが、音楽をやり始めたり聴き始めた頃のワクワクする感じというのが、人柄にも演奏にもいまだに溢れまくっているのが驚きで。OKAMOTO’Sも(CDデビュー)8年目で、お二人に比べたら足元にも及ばないのですが、それでも、音楽を好き過ぎたり、突き詰め過ぎて楽しくなくなる瞬間があって。茂さんたちは、そういうことを何十周もしてきてるんだろうな、と…想像してもし切れないですけど。リハ初日こそ緊張しましたが、気付いたら3人と話している時間も長くて、ひたすら楽しい現場です。

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