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【FUJI ROCK FESTIVAL '17】総力レポート~ライブ・フォト&レポ、インスタント写真、インスタグラムでフジロックを振り返る

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 新潟県・苗場スキー場にて2017年7月28日~30日にかけて開催された国内最大級の野外音楽フェスティヴァル【FUJI ROCK FESTIVAL】。初日からベスト・アクト候補のライブが勃発し、2日目には小沢健二のライブを観ようと集まったファンで<ホワイト・ステージ>が危険地帯と化し、その後エイフェックス・ツインの“さすが分かってらっしゃる”なVJに釘づけになっているとバケツをひっくり返したような大雨(まるで修行)がここ数年忘れかけていた“フジ感”を甦らせたり、そして最終日は花火&パイロとともに有終の美を飾ったビョークの衣装(マスク)が思いのほか大きく話題になっていたりと今年も色々ありました。そんな今年のフジロックには、前夜祭を含め125,000人が来場したとのこと。ここでは、当日の白熱のライブ&フォト・レポートに加え、味わい深いインスタント写真や出演者のインスタグラムでフェスの模様を振り返りたい。

DOCTOR PRATS
11:20~ @ WHITE STAGE

初日、<ホワイト・ステージ>のトップバッターを務めたのは、スペイン・テレッサ出身のメスティソバンドDOCTOR PRATS。彼らは、前夜祭でも<レッド・マーキー>で大いに盛り上がりをみせ、会場には期待に満ちたオーディエンスで溢れていた。メンバーは顔にインディアンのようなペイントを施し登場。ステージを目一杯使った彼らのオーディエンスを盛り上げることに特化したエネルギッシュでユーモラスなステージングと、フォーン隊の息ピッタリなパフォーマンスが会場を沸かせた。ラテンをベースにスカ・ルンバ・パンク・レゲエなどを自由にフューチャーした唯一無二のキャッチーなナンバーの連続で、オーディエンスを巻き込み躍らせた。盛り上がりが最高潮になると、かめはめ波のような振り付けでスタートした「Aha!」や、アヴィーチーの「The Nights」をバスク語でカバーしたナンバーなども披露され、会場ごとお祭り騒ぎに。観客を楽しませ躍らせた彼らの完全勝利で幕を閉じた。今後の動向も目が離せない。

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RAG'N'BONE MAN
13:20~ @ GREEN STAGE

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UKが放つ2017年の最重要新人の初来日ということで、話題のフレッシュな才能を一目見ようと<グリーン・ステージ>には各国のファンが集結。オン・ステージは、ラグンボーン・マンことローリー、ギター、ベース、ドラム、キーボードに女性ヴォーカルという6人編成。まずは、始終大活躍だった女性ヴォーカルのコーラスから始まる「Wolves」で初見のオーディエンスを温め、続くドラムンベースの要素も伺える「Ego」では、元々ヒップヒップMCだったローリーが見事なフロウで、サム・スミスなどいわゆる正統派な歌ウマ・シンガーにはない個性を見せつける。中盤のハイライトとなったのは、キーボード以外のメンバーがステージからはけ、ピアノの伴奏のみでパフォーマンスされた「Skin」。イントロ部分で大きな歓声があがると茶目っ気たっぷりの笑みを見せたローリーだったが、気持ちを引き締め本気モードに突入すると195cmの身体から発せられる、迫力のあるソウルフルなヴォーカルが苗場の山々に響き渡り、後に演奏された出世曲「Human」よりも個人的には印象的だった。ラストは、ファンキーなベースラインとピアノがアクセントとなった「Hell Yeah」。ヴォーカリストとしての表現力とステージ上の存在感はピカイチなのだが、パフォーマーとしてはまだ初々しさが残るステージだった。

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ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA
15:20~ @ GREEN STAGE

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GALLANT
16:10~ @ RED MARQUEE

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デビュー作『Ology』が【グラミー賞】にノミネートされ、韓国を中心としたアジア圏でも人気を誇るガラントの待望の初来日ということもあり<レッド・マーキー>は大入り。定刻を過ぎ、観客の期待度が頂点に達すると、やっとバンド・メンバーが登場し「Open Up」でライブが幕開け。ウォームアップするようにゆっくりと体を動かしながら、その美声を余すことなく披露すると初っ端からよめきが起きる。独特な動きでステージを縦横無尽しつつも、まったくブレのないファルセットは、「Bone + Tissue」ではグサリと突き刺さるような激しさ、「Miyazaki」で天にも昇る優しさをはらみ、そして「Percogesic」ではフリーキーさを醸し出すなど、表現豊か。まさに魔術師だ。小さい頃から憧れだった日本ということもあり、本人も気合十分なのがヒシヒシと伝わってくる渾身のライブは、「Weight In Gold」で締めくくられた。「雨が降っているけど、来て下さってありがとうございました」、「次のソングは~」など丁寧な日本語MCもさることながら、実力、カリスマ性、キャラ、すべての面においてこの日の<レッド・マーキー>ベスト・アクトと行っても過言ではないだろう。本人もTwitterに「早く帰ります」と投稿していたが、すぐにでも単独公演を実現させてほしい。

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RADWIMPS
17:20~ @ GREEN STAGE

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スチャダラパー
18:20~ @ RED MARQUEE

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THE xx
19:20~ @ GREEN STAGE

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スモークと光の幻想的な雰囲気の中、<グリーン・ステージ>にThe XXが登場。2010年の<レッド・マーキー>、2013年の<ホワイト・ステージ>に続き3度目となる出演で、期待値の高まるオーディエンスで苗場高原は溢れていた。「Intro」からスタート。大きなステージだったが、シンプルな曲ですら繊細で想像を超える美しさがあり、見るものすべてを魅了した。メランコリックで、アンニュイな彼らの世界観は、演奏の良さも相まって夜のひんやりとした<グリーン・ステージ>にとてもマッチしており、そこにしかない光景と感動を生み出していた。途中、ロミーが感極まり、フロアにライトを当てさせて「I see you」と言い、披露するシーンも。オーディエンスを一切煽るようなこともせずに作り上げる、ステージとフロアの一体感には圧巻だ。後半、ジェイミーのDJタイムへ突入し、2人がステージに戻り「On Hold」を披露。大きなスクリーンに映るオリヴァーのしなやかな指や色気に魅了されたオーディエンスも多いのでは無いだろうか。そして、The XXの3人が織りなす緊迫感と一目瞭然な信頼感が絶妙で完璧なステージングだった。最後は「Angels」。一旦はけたオリヴァーがなかなか出てこず、観客が温かく迎えてテイク2。歌詞の最後の心のこもった“Love”が印象的で胸に響いた。完全にベストアクトで、これからも進化し続けるであろう彼らに注目したい。

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SAMPHA
20:30~ @ RED MARQUEE

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初日の<レッド・マーキー>トリを務めたのは、SAMPHA。この日は、生ドラム、ドラムパッド、サンプラー、シンセ、キーボードなど打楽器オンリーのメンバー3人と共に、全員白いコーデで登場した。序盤、どこかミステリアスな雰囲気。だが、彼が歌いだすと、流石と言わんばかりにソウルフルで透き通る美しい歌声と、とてもフィジカルでパーカッシブなパフォーマンスで、観客を圧倒し、フロアから歓声が沸いた。SAMPHAの天使のようなドレッドヘアと、ステップを踏む姿はどこか愛おしい。スタート時は若干フロアに余裕があったものの、終盤に向かうにつれオーディエンスが溢れ出した。途中、バンド全員で1つのドラムを使いアンサンブルしたシーンは見物で面白く、とても盛り上がりをみせた。赤い照明に切り替わった瞬間に最後エモーショナルな「Blood On Me」でオーディエンスの心をガシっと掴んだ。SAMPHAの終盤にGorillazが被っていた為、離脱した人も現れたが最後までアクトを見届けたオーディエンスからはアンコールの声が上がるほど素晴らしいステージングだった。

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QUEENS OF THE STONE AGE
21:00~ @ WHITE STAGE

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2002年の初来日(withデイヴ・グロール!)の衝撃から早14年…やっとやっとクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(QOTSA)再来日が実現した。『ソングス・フォー・ザ・デフ』のオープニングを飾る「You Think I Ain't Worth a Dollar, but I Feel Like a Millionaire」で幕を明けると、観客は一丸となって拳を突き上げ、ジョシュ・ホーミ兄貴率いるQOTSAの苗場への帰還を祝福。そのまま「No One Knows」~「Monster In Your Parasol」になだれ込み、初期の楽曲のオンパレードと兄貴のキレのあるシャウトに、今年って2002年だっけ!?と一瞬懐かしさが込み上げてくる。兄貴は思いのほかご機嫌で、「Misfit Love」では体をくねらせダンス(!?)を披露したり、曲の途中にさらっとコームで髪形を整える一幕も、そして極めつけは「Little Sister」の前に放たれた「この曲をガールズに捧げる」というクールな一言…一生ついていきます。「Feel Good Hit of the Summer」では、ちょうど裏で演奏していたゴリラズの「Clint Eastwood」をマッシュアップする粋な演出も。ラストは、オーディエンスを狂喜乱舞させた「Go With the Flow」から、強靭なギターとジョンのマシンガン・ドラムに痺れる「Song For The Dead」のダブルパンチ。冒頭ジョシュが杖をつきながら登場し、足を引きずるようなしぐさを何度かしていたこともあり、膝の持病が悪化しているようで少し心配になったが、(これが理由かわからないがフジロック後のフェスへの出演をキャンセルしている)、それを物ともせず最高にパワフルで、最高に胸アツなステージで、ベテラン・ロック・バンドの貫禄を十分に見せつけてくれた。次回は、ぜひ単独公演で…。

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GORILLAZ
21:30~ @ GREEN STAGE

PHOTO: Masanori Naruse


今年5月に新譜『ヒューマンズ』をリリースしたゴリラズ。6月には自らが主宰となってフェス【DEMON DAYZ FESTIVAL】を開催。豪華ゲスト陣を迎えて凄まじいライブパフォーマンスを世界中に配信してくれた彼ら。フジロッカーに対して「こんな感じのライブだから予習しといてね!」と親切丁寧なアプローチを経て、満を持した状態で初日のヘッドライナーに挑んだわけでございます。結果を言えばものの見事に凄まじい「こんな感じのライブ」をやってくれたのです。もちろん豪華ゲストがぞろぞろ客演してくれるわけではございませんでした。(ペバン・エヴェレットとかきてましたよ!)が、スタートからスクリーンを効果的に使って名曲、最新曲を織り交ぜ、最前列のファンから、後方で眺めるように観ているオーディエンス、移動中の方々などなど、音の届く範囲すべてにむけてパワフルに、そして巧みな演出で観るものを魅力していきます。彼らはリリースしてきた音源を用いて様々な音楽ジャンルと交差し、飛び越えて、苗場から音楽の世界一周ツアーに連れ出してくれたのです。とりあえずの終着駅として戻ってきた苗場でのアンコールはキラーチューンオンパレード。大合唱でフィナーレと相成りました。また来日して単独やって下さいませ。本当に心よりお待ち申し上げます。

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ELVIN BISHOP’S BIG FUN TRIO
23:45~ @ CRYSTAL PALACE

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ARCA DJ & JESSE KANDA AV
0:00~ @ PLANET GROOVE

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