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水谷果穂『青い涙』インタビュー



水谷果穂 『青い涙』 インタビュー

「たくさんの人を笑顔にできるような存在になっていきたい」

 ドラマ、CMで活躍する人気若手女優の水谷果穂が、デビューシングル『青い涙』で本格的に音楽シーンに足を踏み入れることになった。今回のインタビューでは、女優として、歌手として、そしてひとりの女性や表現者としての自分について語ってもらったのだが、その純粋さに心が洗われるような感覚に。それは優しい歌声で聴き手の心を癒す『青い涙』にも通ずるものがある。尊敬する先輩女優・綾瀬はるか×主演ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』についてや、自身が成長するきっかけとなったドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』等についても語ってくれているので、彼女のファンや音楽フリークはもちろん、まだ水谷果穂を知らない人たちにもぜひご覧頂きたい。

本当に外で遊ぶことしかしてこなかった人生だったんで(笑)

--女優として活躍している水谷果穂が、いよいよデビューシングル『青い涙』で本格的に音楽シーンにも足を踏み入れる訳ですが、そんな今の心境を聞かせてください。

水谷 果穂「青い涙 (Official Music Video) 」
水谷 果穂「青い涙 (Official Music Video) 」

水谷果穂:デビューシングル『青い涙』は、前々から練習しながら作り上げてきた楽曲なんですけど、やっと完成してこれからいろんな人に聴いてもらえる。スタートラインに立てるんだなという気持ちです。

--これまでと違うジャンルで活動していくこと自体には、どんな感慨を持たれていますか?

水谷果穂:最初は「自分に音楽の歴史がない」という部分でコンプレックスみたいなものもあったんですが、今はもう「これから誠実に音楽をやっていきたいな」と思っているので、頑張っていきたいきたいです。

--以前から「いつか歌いたいな」という気持ちはあったんですか?

水谷果穂:ちっちゃい頃から歌うことは大好きだったんですけど、音楽は学校の授業でも得意なほうではなかったので、こうやってお仕事として出来るとは思っていなくて。だからそこを「出来る」と思ってやらせてくれた方たちに感謝してます。

--今回のインタビューは、改めて水谷果穂を世間に知ってもらうきっかけに出来ればなと思っているのですが、自分では水谷果穂という人をどんな女の子だと思いますか?

水谷果穂『青い涙』インタビュー

水谷果穂:どんな女の子? 自分でも扱いが難しい(笑)。

--コントロールしづらい(笑)?

水谷果穂:コントロールしづらいです。

--具体的に言うとどんなところが?

水谷果穂:いろんな部分が両極端な感じがして。マジメなんだかマジメじゃないんだかよく分からないし、明るいのか静かなのかも分からないし……でもどっちもあるんです。どっちも本当の自分。だから「こういう人です!」と一言で説明するのが難しいんですよね。いろんな自分がいます。

--では、女優としての水谷果穂は?

水谷果穂:女優の水谷果穂は、例えばレッスンとかでいろんな役者さんと同じ台本を読んだりするんですけど、そこで役者さんそれぞれの個性というか、演じ方が浮き彫りになったりするんですね。その中で私の場合は、情をテーマに掲げて臨むことが多いんですけど、そこが自分の個性だったりするのかなと思っています。

--元々なんで女優さんになろうと思ったんですか?

水谷果穂:私のおばあちゃんが今の事務所に書類を送りまして、それで合格したのが女優になったきっかけです。

--おばあちゃんはどうして孫をデビューさせようと思ったんですかね?

水谷果穂:本当に唐突な出来事だったんですよ(笑)。それまで「女優さんになってほしい」みたいなことを言われたこともなくて。でも「もし受かったら凄いね」みたいな感じで、興味本位でいろんなところに書類を送っていたみたいなんです。なので、私が知ったのは書類審査に通った後で「実は送ってたんだけど……」って。

--では、自分の意思云々というよりは、おばあちゃんが強引にきっかけを作ってくれたおかげでデビューしたんですね。

水谷果穂『青い涙』インタビュー

水谷果穂:そうなんです(笑)。いきなり全然違う世界へ行くことになった感じ。

--そうなると、心構えは出来ていない訳じゃないですか。どんな気分だったんですか?

水谷果穂:自分でもビックリしていました。でも最終面接でいろんなお話をしていく中で「自慢できること、誰にも負けないと思うことは何ですか?」とか「得意なことは何ですか?」とかいろいろ聞かれたりしたことに、全然答えられなくて。本当に外で遊ぶことしかしてこなかった人生だったんで(笑)。ただ、そこで「そういう自分を変えていきたい」と思ったんですよね。で、その場で短い台本をもらって「やってみて下さい」と言われたんですけど……

--ちょっとしたお芝居を求められたんですね。

水谷果穂:そうなんです! すごく緊張しちゃって、もちろん全然出来なかったんですけど、でもそこでお話してくれた皆さんがすごく輝いてて素敵に見えて、それで「一緒にやってみたいな」と思ったんです。その時点では受かるかどうか分からなかったんですけど、でももし受からなくても「何か新しいことに挑戦してみよう」と思うぐらい、その面接で気持ちがすごく変わりました。

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インタビュー写真

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「好きよ、朔ちゃん」のシーン、演技レッスンの課題になっていたんです

--また、水谷さんはいろんな女優の先輩からも影響を受けていて、ドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』で綾瀬はるかさんに憧れるようになったんですよね?

水谷果穂『青い涙』インタビュー

水谷果穂:綾瀬はるかさんは、ずっと好きで憧れの女優さんなんです。お芝居に迷いが全くなくて、いつも伸びやかにその役を演じているところが本当に素敵だなと思うし、写真集とかも持ってるんですけど……

--完全にファンじゃないですか(笑)。

水谷果穂:はい! ファンです(笑)。その写真集の飾らない表情とかも本当に素敵で、何回見ても飽きないんですよね。

--僕も『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ファンなんですが、あのドラマで亜紀を演じた綾瀬はるかさんも素晴らしかったですよね。印象に残ってるシーンとかありますか?

水谷果穂:家から脱走して朔ちゃんに会いに行くところ! 最近のドラマでそういうシチュエーションってなかなかないじゃないですか。ちょっと非現実的っぽいけど、でも気持ちはすごく分かるっていう……。あと、綾瀬はるかさんが「朔ちゃん!」って呼びかけるシーンが各所にあるんですけど、すごくインパクトがあったんですよね。

--「朔ちゃん!」ってただ名前を呼んでるだけなんですけど、それだけで視聴者をドキドキさせたり、切ない気持ちにさせたりする。

水谷果穂『青い涙』インタビュー

水谷果穂:そうなんですよ!

--特に防波堤で言い放った「好きよ、朔ちゃん」は鮮烈でした。

水谷果穂:その「好きよ、朔ちゃん」のシーン、演技のレッスンの課題みたいになっていたんですよ。それだけ名シーンだったからだと思うんですけど、それもあって「好きよ、朔ちゃん」はすごく印象に残ってます。

--一言で観る者の心を鷲掴みにする場面でしたもんね。水谷さんもそういう女優さんになっていきたい気持ちは強い?

水谷果穂:そうですね。画面の中でいつも生き生きしていて、だから観ている側も惹きつけられるのかなと思うので、自分もそういう女優さんになれたらなと思います。

--水谷さんも様々なドラマや映画に出演されていますが、その中で自分を変えてくれたような、印象に強く残っている作品や役ってありますか?

水谷果穂:NHKドラマ『スニッファー 嗅覚捜査官』で、阿部寛さん演じる主人公の娘の役をやらせてもらったんですが、本当に大先輩と言える方々ばかり(※阿部寛以外にも香川照之、井川遥、板谷由夏、野間口徹、吉行和子といった錚々たる面々が出演)と共演させて頂いたんです。その中で自分は上手く出来ないこともたくさんあったんですけど……それでも自分なりに考えて一生懸命やっていたら、皆さんが助けてくれたり、一緒になって考えてくれたりしたんです。そこで一生懸命やることの大切さも改めて知りましたし、この作品を通していろんなことを学ぶことが出来ました。

--デビューシングル『青い涙』は、ショートムービー『明日、アリゼの浜辺で』の主題歌でもあります。そして、水谷さんは『明日、アリゼの浜辺で』の主演でもあります。これが決まったときはどんな気持ちになりました?

青い涙/60秒SPOT(映画バージョン)
青い涙/60秒SPOT(映画バージョン)

水谷果穂:デビューシングルを出させて頂くタイミングで、自分が今までやってきたお芝居も一緒に観てもらえるし、それがこの曲を歌う自信にも繋がりましたし、ニューカレドニアで撮影も出来ましたし、いろんな面ですごく嬉しかったです。

--『明日、アリゼの浜辺で』はどんな作品になってるんでしょう?

水谷果穂:私が彼氏の浮気しているところを見てしまって、すごく落ち込んでいるときにお父さんが急に家出をしてしまって、その家出先がニューカレドニアだと知って探しに行くという話なんですけど……

--彼氏に浮気されて、お父さんが家出する。いきなり凄い展開ですね。

水谷果穂:どん底からスタートするんです(笑)。でもニューカレドニアでいろんな出逢いがあったり、自然と触れ合ったりすることで……(※この先は『明日、アリゼの浜辺で』を実際にご覧ください)

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自分が歌っていく理由みたいなものをひとつ見つけられた

--ニューカレドニアでの日々はいかがでした?

水谷果穂『青い涙』インタビュー

水谷果穂:ニューカレドニアは何もかも素晴らしかったです。海も本当にキレイで、結構深いところまで潜っても、どこまで行っても透明なんですよ。ニューカレドニアという場所に体を預けられたというか、すごく開放的な気持ちになれました。

--そのニューカレドニアでの写真が掲載されていた新聞記事で知ったんですが、水谷さんは元々モーニング娘。などのアイドルファンだったみたいですね。

水谷果穂:アイドルが大好きだったんです。お誕生日とかプリンセスみたいなドレスを着させてもらったり、マイクを持ってアイドルごっこをしたり、だからそういう映像ばっかり残ってるんですよ(笑)。それぐらい、テレビに出て可愛い格好をして歌っているアイドルに憧れてました。

--「私もあんな風になりたい」と思っていた?

水谷果穂:「なりたい」というか、家の中でもう……なってた(笑)。アイドルになりきってました。あと、歌とかちょっとしたダンスをちっちゃい子たちが集まってやるようなスクールに通ってたんですよ。そこでの発表会でもミニモニ。を歌って踊ったりとか、そういうことをするのが大好きでした。ミニモニ。の持ってたポンポン、私も持って踊ってました!

--そんな子供の頃はアイドルに憧れていた水谷さんですが、これから自分も歌の世界で活動していくことになります。どんなアーティストになっていきたいと思っていますか?

水谷果穂:これまでライブイベントに何回か出させてもらって、その中で発声とか音感とかそういう部分で勝てないところはいっぱいあったけど、でもそんな中で目の前にいる方に向かって心から「楽しんでほしいな」「疲れを癒してくれたらいいな」と思いながら歌うことが出来たんですよね。なので、私の歌を聴いて、少しでもやさしくて穏やかな気持ちになってもらう。そんな歌手になれたらいいなと思っています。

--自分もデビューシングル『青い涙』を聴かせて頂いて、優しい歌声で聴き手の心を癒せるシンガーが久々に出てきたなと感じました。自分では「青い涙」にどんな印象を持たれていますか?

水谷果穂『青い涙』インタビュー

水谷果穂:ライブで「青い涙」を初めて歌うまでは、まだ「誰かの為に歌おう」とは思っていなくて、まだよく理解できていないところもあったんですよ。でもステージに立って歌っていたら、そこには仕事帰りに来ているスーツ姿の方たちもたくさんいて……その光景を見てたら自然と「1日の終わりに来てくれていることへの感謝と、夢とか希望を忘れてほしくない、これからも笑顔でいて欲しいな」と思ったんです。それからこの歌が理解できたというか……なので、この曲によって自分が歌っていく理由みたいなものをひとつ見つけられた気がしています。

--ちなみに、水谷さんが芸能界に入るきっかけになったおばあちゃんは、今回の歌手デビューにはどんな反応を?

水谷果穂:すっごい喜んでくれています。お母さん側のおばあちゃんは東京に近いので、ライブにもほぼ全部来てくれて、毎回楽しみにしてくれていますし、なかなか遠くて来れないお父さん側のおばあちゃんもテープレコーダーに曲入れて(笑)、CDが出る前から毎日聴いてくれていたりします。私が歌うことに関しては、ふたりのおばあちゃんがいちばん喜んでくれていたんじゃないかな。

--今後は歌手と女優の活動を両立させていく形になるんですよね?

水谷果穂:そうですね。女優さんでも歌われている方々はいらっしゃいますけど、歌をうたえる方は素敵だなと思うので、私も続けていきたいですし、演技ももちろん大好きなので、どちらも頑張っていきたいなと思います。あと、歌手もやられている女優さんは、劇中で口ずさむシーンとかでも歌がすごく心に入ってくる気がするんです。だから私もそういう風に感じてもらえる人になりたいです。

水谷果穂『青い涙』インタビュー

--アーティストとしての今後の夢やヴィジョンみたいなものってありますか?

水谷果穂:いろんな方のライブに行かせてもらってるんですが、そこではひとりの為にすごいたくさんの人が集まって、みんなで一緒に本当に楽しそうに盛り上がっていて、そういう光景を見ると本当に凄いなって思うし、すごく純粋な場所だなって。自分ももっと大きいステージで歌えるようになりたいです。

--では、歌に限らず表現者としてはどんな存在になっていきたい?

水谷果穂:私はとにかく喜んでもらうことや笑ってもらうことが好きだし、それがいちばんやりたいことなんです。だからスタイルには捕らわれず、本当にたくさんの人を笑顔にできるような存在になっていきたいなと思います。

Interviewer:平賀哲雄
Photo:Jumpei Yamada

水谷果穂『青い涙』インタビュー

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インタビュー写真

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水谷果穂「青い涙」

青い涙

2017/07/12 RELEASE
WPZL-31316/7 ¥ 2,037(税込)

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Disc01
  1. 01.青い涙
  2. 02.恋のレシピ
  3. 03.青い涙 (Acoustic Ver.)
  4. 04.青い涙 (Instrumental)
  5. 05.恋のレシピ (Instrumental)

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