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キミノオルフェ(蟻(ex.蟲ふるう夜に))1周年インタビュー
「会場中の全員が本気で泣くライブがしたいですね」
キミノオルフェ初の特集インタビュー掲載! 蟲ふるう夜に解散~同プロジェクトのデビューより1周年というタイミングで蟻と再会。当時の想い、過去と今、誰かの人生を歌い綴るということ、歌詞が最も長い(?)アーティストである理由、目標=全員が号泣するライブについて等々、久しぶりに酒を飲み交わしながら本音で語ってもらった。
「蟲ふるう夜には、やっぱり解散してよかったんだ」と思えたんです
--蟻(ex.蟲ふるう夜に)のソロプロジェクト、キミノオルフェ。2016年6月4日のデビューライブからちょうど1年が経ちました。
キミノオルフェ - ウォーター [2016.6.4 1st LIVE CONCERT "Le Salon"]
--ちなみに、1年間続けてきたソロプロジェクト・キミノオルフェと、1年前に解散したバンド・蟲ふるう夜に。自分の中で比較することってありますか?
蟻:うーん……比較しますね。「蟲ふるう夜にがなんでダメだったのか?」っていうところは物凄く考えるし、今自分が「ダメだった」と思わなきゃいけないそもそもの理由についても考えますね。でもこのあいだ、6月4日に蟲ふるう夜にのメンバー4人で会って配信やったんですよ。蟲の日だし、昔からのファンは蟲ふるう夜にを求めてるんだろうなと。なので、前日にメンバーにLINEして。そのLINEグループの名が「大切な仲間」って云うんですけど(笑)。--「蟲ふるう夜に」じゃないんですね。
私たちは今、命の上を歩いている / 蟲ふるう夜に (mushifuru)
--久々に「大切な仲間」と会ってみていかがでした?
蟻:蟲ふるう夜にで週3回入っていたスタジオがあるんですけど、社会に属しながら「なんか違う」と感じている自分たちにとってあの場所は大切だったというか、リセットできる場。いつも4人で集まっていたその時間が本当に楽しかった。っていう話をして、その会を締め括れたのはすごく良いことだなと思えて。「過去が良かった」ということじゃなくて、今の自分たちがすごく良い状態にあるから過去を褒めてあげられる。そういう状態にみんながいてくれたから「蟲ふるう夜には、やっぱり解散してよかったんだ」と思えたんです。--肯定できたんですね。
蟻:誰も「解散して正しかった」とか「正しくなかった」とか当時は決められなかったと思うんですけど、今みんなが良い位置に居てくれることによって肯定できる。なので、良い会でしたね。--今もみんな音楽活動はしているんですか?
蟻:いっくんはもうしばらくドラム叩いてないみたいです。--では、キミノオルフェの1stライブが最後?
蟻:そうだと思います。今は起業したりして……まぁでもいっくんは蟲ふるう夜にのときから「蟻が叩いてほしいと言うから、蟲ふるう夜にがあるから俺はドラムを叩いているだけ」と言っていて、それを貫いてるんですよね。それも彼の生き方だし、有り難い話だなと思います。--キミノオルフェの活動の中でバンドを組むことも有り得る訳ですよね?
蟻:そうですね。でも蟲ふるう夜にみたいに4ピースのバンドを組むことはあんまり望んでいないです。そしたら「蟲ふるう夜にをやってればよかったじゃん」となっちゃうから、やっぱりどこか違う形態にしないと自分の中で納得がいかない。なので、バンドでライブするにしてもピアノ2台入れたりとか、ギター、ベース、ドラムス、私という形じゃない組み方にしてますね。--必死にバンドをやっていた人であればあるほど、その過去が良くも悪くも今の活動に影響を与えてくると思うんですけど、そこはどうやって折り合いつけてるんですか?
蟻:私、人生で後悔したことがなくて、そういう性格だと思うんですよ。仮に後悔し出したら歯止めが効かないというか、ダメのどん底に落ちていっちゃうタイプだと思うんですよね。それが自分で分かってるから、後悔するような人生を選んではいけないと思っていて、だから蟲ふるう夜にを解散したことも後悔してないし、後悔しちゃいけない。っていう想いは強くある。じゃないと今の自分がポジティブになれないですね。だから例えば「蟲ふるう夜にはこうして平賀さんにインタビューしてもらうまで5年ぐらいかかったけど、でもキミノオルフェは1年でしてもらえたからスゴい!」みたいな。--ポジティブですね(笑)。キミノオルフェはどういったベクトルで、何を目指して活動していくプロジェクトになっていきそうですか?
蟻:キミノオルフェになってから、すごく明確なイメージがあって……言葉で上手く説明できないんですけど、キミノオルフェは空に飛び立って行ってるようなイメージなんです。地上にはすごくたくさんの人がいて、そこで私が歌いながらティンカーベルの光みたいなものを降り注ぎまくってるんですよ。で、みんなの心がちょっと軽くなる。そういうイメージが何故か初詣とか神社にお参りしに行ったときに必ず思い浮かんで。- ライブで泣き崩れている姿を見たりはしますね。あからさまに泣き崩れる。
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