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OKAZAKI LOOPS【node_vol.1】開催記念インタビュー



Aimerインタビュー

 音楽、文学、アートなど、様々な文化のクロスオーバーを楽しむことができるイベント【OKAZAKI LOOPS】が2017年6月10日・11日の2日間にわたって京都・岡崎エリアにて開催される。11日のロームシアター京都で行われる【node_vol.1】では、昨年9月に野田洋次郎(RADWIMPS)、Taka(ONE OK ROCK)、TK(凛として時雨)をはじめとする様々なアーティスト陣とのコラボレーション・アルバム『daydream』をリリースして話題を集めた<Aimer>が、京都市立芸術大学卒業生、大学院生、在学生からなる<OKAZAKI LOOPSストリングス>の演奏と共に、この日限りのパフォーマンスを披露する。

 今回のインタビューでは、【node】の仕掛け人であり、Aimerの長年のコラボレーターでもある<agehasprings>がイベントに込めた思いや、ワールド・ミュージックとのクロスオーバーがテーマとなっているこの特別なステージの魅力に迫ると共に、5月3日にリリースされるAimerのベスト・アルバム『blanc』『noir』、そして8月29日に開催される自身初の日本武道館公演についても話を訊いた。

愛され続けている普遍的なものを視覚や聴覚に落とし込む

――2016年9月に行われた第1回目の【OKAZAKI LOOPS】にもご出演されていましたが、いかがでしたか?

Aimer:オーケストラと一緒にライブをするのはその時が初めてだったので、リハーサルからすごく緊張していました。京都で2日間リハーサルをして、本番も2日間やったので、京都でみんなと一緒に合宿しているような、少しずつお互いの波長を同じにしていく感じでした。

――会場のみやこめっせ第3展示場は多目的ホールのような場所で、お客さんもAimerさんのファンではない方もいらしていたと思います。ステージから感じた会場の雰囲気はいかがでしたか?

Aimer:独特な響きの会場で音を掴むのに苦戦しました。自分自身、プラネタリウムや能楽堂とかで歌ったこともありますが、その時も鳴りが毎回違っていて… 毎回試行錯誤しています。そういう難しさがあそこのホールにもありました。なので2日間どちらも違った響きのステージをお届けできたかと思います。

――1日目が終わった後に微調整したり?

Aimer:はい。オーケストラの皆さんもそうだったと思います。1日目が終わってからみんなで「今日はここがちょっと」とか「明日はもっとこうしよう」とか、色んな改善点を探りながらステージを作り上げていきました。

――他のアーティストの方とも様々なコミュニケーションがあったんですね。

Aimer:ありましたね。指揮者の方ともリズムの取り方やグルーヴの作り方について話したりしました。イベント自体が他にないというか、ある意味特殊で挑戦的なもので。だからこそみんなで一緒に作っていく感じがあって、私も徐々に目が爛々としてくるというか(笑)。なんかこう焚きつけられるものがありました。

――通常の音楽フェスとは違う緊張感もありそうですね。

Aimer:すごく印象的だったのは、2日目に全ての演奏が終わった後、客席からの拍手を受けて、色んな歌い手の方やミュージシャンの方がその場で何も決めずにセッションを始めたんです。舞台袖でそれを見ていた私は感動してすごく泣いてしまって。本当に音楽を楽しみながらやってるんだなぁっていうのが伝わってきたし、あぁ音楽ってこういうものだよなぁって改めて気づかされました。

――今回はAimerさんがデビュー前からずっとタッグを組んできたagehaspringsがプロデュースする【node】という新しい企画の第1弾とのことですが、そもそも【node】とはどんな企画なんですか?

Aimer:“node”って交点という意味なんですけど、日本の文化を象徴するような街である京都から、日本人だからこそ持ってる、日本人ならではのものを表現しながら、世界に発信できるもの作っていこう、というのがコンセプトになってます。

――京都は伝統と格式をすごく重んじている街だと思われがちですが、それだけではなく色んな文化を取り入れてきた街でもありますよね。そんな懐の深さがあるからこそ、独特な文化が生まれていくのだと思います。

Aimer:そうですね。私も海外の方に日本で訪れるべき場所として勧めるとしたら、やっぱり昔からの日本の街並みが残っている京都だなって思います。agehaspringsの玉井さんとはずっと一緒にやってきましたけど、玉井さんは最新のスタンダードというものをいつも色んなところから取り入れてらっしゃる方だなぁと思います。なので今回も、愛され続けている普遍的なものを視覚や聴覚に落とし込むということがコンセプトの根底にあるんだと思います。

――ずっと変わらない素晴らしいものと、世界に発信していけるような最新のものを組み合わせていく?

Aimer:そうです。

――さらに今回は、Aimerさんとワールド・ミュージックがクロスオーバーするステージになるとのことですが、もともとワールド・ミュージックとの接点はありましたか。

Aimer:自分のキャリアの中でこういったチャレンジは初めてだと思います。そもそもagehaspringsと一緒にやり始めた頃からずっと、普遍的なものを現代に落とし込むというコンセプトがあったので、それと【node】を掛け合わせて、世界で愛されてる普遍的な音楽と今現在愛されている音楽、あとは今自分たちが表現したいものを組み合わせたステージにしようと。

――音楽に限らず、何十年、何百年も続いていくことって素晴らしいことですもんね。

Aimer:そうですね。誰かに愛されたり誰かの心を打つような、自分が死んでも10年、20年残り続けるようなものを作っていくことは、私が今までずっとテーマにしてきたことでもあります。少し偽善的に聞こえてしまうかもしれないですけど、私の音楽を聴いて生きたいと思えたっていう手紙も貰ったりしてて。初めの頃は自分1人だけで歌ってるって感情が強かったんですけど、活動を続けていくにつれて誰かに影響を与えられるんじゃないかとか、何かを変えられるんじゃないかって思いも生まれてきて。

――そういうものがより感じられるのがライブですよね。お客さんの反応もAimerさんに何かしらの影響を与えているだろうし。

Aimer:ライブは今一番大事にしたいものですね。自分がもともと音楽好きだったので、ライブに行ってそこで歌ってるアーティストと同じ空間で一緒の瞬間を味わうってことに、やっぱりグッとくるというか。こんなにたくさんの人がたったひとつの歌のワンフレーズに心を動かされてるんだなぁって感動を覚えたりもしたので、自分もライブを通じてお客さんとそういった瞬間を共有できたらいいなぁと思ってます。

――なるほど。今回の【node_vol.1】のステージは一夜限りですしね。

Aimer:今回のステージはとても特別なものになると思います。今までのライブを追ってくださってるファンの方も観たことがないようなものになると思います。

――構成はAimerさんとストリングスとバンドですよね。コラボレーションという意味では昨年、様々なアーティストの方とのコラボレーション・アルバムをリリースされましたが、そういった出会いから受けた影響はありますか?

Aimer:色々ありましたね。音楽性の面でも色々と学べましたし、制作のやり方とかもそれぞれ全然違って面白いなぁと。あとはもっと根本的な音楽に対する価値観とか、その人が何のために音楽をやってるのか、あるいは自分がなんのために音楽をやってるのかとか、他のアーティストの方と触れ合う機会も多くなってきて、より一層深く考えるようになりました。

――今回の【node】でもまた新しいチャレンジをして何か変わるかもしれませんね。

Aimer:そうですね。今まであまり触れたことがなかった音楽にもチャレンジします。

――じゃあここでしか聴けない曲も?

Aimer:本当にその日しかやらないかもって曲もありますし、私自身もストリングスの方とご一緒した機会はまだ数回とかで。

――去年の【OKAZAKI LOOPS】が初めてですよね。あとは先日の【Billboard Classics】でも。

Aimer:それだけだと思います。

――今回は「わらべ歌」にも挑戦されると伺いました。

Aimer:その「わらべ歌」も含めて選曲がすごくユニークで。中国語の曲にもチャレンジしたりします。英語以外の外国語で歌をうたったことがないので、今からすごく準備をしてます。

――なるほど。この【OKAZAKI LOOPS】の中でも【node_vol.1】のステージは象徴的なライブになりそうですね。

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Aimer「BEST SELECTION “blanc”」

BEST SELECTION “blanc”

2017/05/03 RELEASE
SECL-2143 ¥ 3,035(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.六等星の夜
  2. 02.蝶々結び
  3. 03.あなたに出会わなければ~夏雪冬花~
  4. 04.ポラリス
  5. 05.Re:pray
  6. 06.星屑ビーナス
  7. 07.broKen NIGHT
  8. 08.カタオモイ
  9. 09.君を待つ
  10. 10.茜さす
  11. 11.雪の降る街
  12. 12.everlasting snow
  13. 13.March of Time
  14. 14.歌鳥風月

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