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小室哲哉×AbemaTV『TK MUSIC FRESH! by AWA』連載第1弾インタビュー
無料で楽しめるインターネットテレビ局・AbemaTVにて放送されている音楽番組『TK MUSIC FRESH! by AWA』(http://bit.ly/2nWSxpx)。小室哲哉がMCを務めるこのプログラムとの連動企画として、番組内でTKが作成しているプレイリストをフィーチャーし、そこでセレクトされたアーティストや楽曲について本人に語ってもらう連載インタビューをスタート!
その第一弾メニューは以下の通り。
・小室哲哉が語る『TK MUSIC FRESH! by AWA』
・小室哲哉が語る加藤ミリヤ(前回放送ゲスト)
・小室哲哉が語るアヴリル・ラヴィーン
・小室哲哉が語るディオンヌ・ワーウィック
・小室哲哉が語るフィフス・ハーモニー
・小室哲哉が語るMia
・小室哲哉が語る浜崎あゆみ
・小室哲哉が語るKEIKO(globe)
・小室哲哉が語るつんく♂とモーニング娘。(対談リクエスト枠)
小室哲哉が語る『TK MUSIC FRESH! by AWA』/加藤ミリヤ(前回放送ゲスト)
--AbemaTVにて放送されている音楽番組『TK MUSIC FRESH! by AWA』。1年以上配信している冠番組ですが、ご自身ではどんな番組になってきてるなと思いますか?
小室哲哉:MCという立場ではあるんですけど、番組の進行はアシスタントの人がやってくれるし、僕はミュージシャンとして音楽の話しかしてないんですよね。他のメディアに出ていくときはね、趣味の話もしたりしますけど、この『TK MUSIC FRESH! by AWA』に関しては音楽を語る人間。というところに徹していて、分かりやすいと言えば分かりやすい番組なのかなと思います。--それは観ていて感じます。
小室哲哉:なので、細かい打ち合わせとか必要なくて僕が座っていれば自然と音楽番組になっていくんです。ただ音楽の話をしてればいいだけ。あと、そこに居てくれる人たちの音楽の話にも興味を持つ。それだけでひとつの形になってるんですよね。それは、ゲストで来てくれる人たちも含め、僕がミュージシャン以外の何者でもないと思ってくれてるからだと思います。「なんでそんなに音楽のことばっかり聞くの? 他のことに興味ないの」って思わない(笑)。そういう意味ではすごくラクですね。--この番組では、ZEEBRAやMIYAVI、MAN WITH A MISSIONのジャン・ケン・ジョニー、スキマスイッチ、SCANDAL、森山直太朗、キュウソネコカミ等々、これまで錚々たる顔ぶれと対談されてますよね。
小室哲哉:そうですね。各アーティストの情報があの2時間でドバッと得られるというか、今の音楽業界において勢いがある人、波に乗っている人と触れ合えるというのは、僕の為にも良いことだなって思います。--前回のゲストは加藤ミリヤさんでした。話してみてどんなことを感じました?
小室哲哉:これは加藤ミリヤさんに限ったことではないんですが、とにかくみんな……僕らがTM NETWORKをやっているときと同じというか、本当に音楽と真摯に向き合ってる。職業を音楽としている。寝ても冷めても音楽のことで「どうしたらいいのか?」と考えているんだなって。ポッと出とか、たまたま上手くいっちゃった人はなかなかいないんだなって(笑)。ちゃんと道筋がある。だからここまで来てる。って納得せざるを得ないぐらい音楽に対してエネルギーを消費してる方たちで、それはミリヤさんからも感じました。逆にプライベートはどうなってるんだろうと思うぐらい、音楽だけで日々が過ぎていってる方たちばかりですよね。--キャリアやスタイルに違いはあれど、そういう意味ではどのアーティストも小室哲哉と変わらなかった?
小室哲哉:そうですね。皆さん、ひとりの社会人ではあるんだけれども……絶対に仕事量が凄い。昨今「働かない、働けない」という問題が取り沙汰されたりしますけど、そんなことを考えたこともない人たち。皆さん、すごくのめり込んでやってますよね。--小室哲哉と加藤ミリヤの分かりやすい接点と言えば、ミリヤさんは「19 Memories」なる楽曲で安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」をサンプリングされていましたよね。あの時代のTK楽曲がスタンダードソングになったことを証明するようなトピックでしたが、小室さんはどんな印象を持たれたりしましたか?
加藤ミリヤ「19 Memories」
小室哲哉:今は膨大な量の情報の中から選び出さなければいけない大変さがあって、ちゃんと吟味して、自分にとってプラスかどうか、意味があるかどうか、そもそもその情報は得たほうがいいのか、選択せざるを得ない。そういう環境になっているので、自分の音楽にとって有効なものかどうか。それがスタンダードなものであったとしても、今はそこを見分けなきゃいけないんですよね。だからその膨大な選択肢の中から僕の曲を選んでくれたことは嬉しいですし、何か自分を構築するピースのひとつにはしてくれたのかなって。何万何億とある楽曲や音から選んで、それをくっつけると自分のどこかの一部になる。っていう意味で使ってくれたのかもしれない。分かりやすく言うと、栄養素みたいな感じですかね。これを摂っておくと体に良かった。そんなイメージかもしれない。--小室さんは、自分に中にあらゆる洋楽の情報があって、それを自分なりに分解したり組み合わせたりしながら楽曲を構築している。そう80年代から仰っていましたけど、今は拾える情報量が無限大なので、その選択作業が最も難しい作業になってますよね。
小室哲哉:そうだと思います。簡単に言えば拾い放題だし、今ここで流れている音でさえすぐ自分のものにできちゃう時代ですから、前よりそこに費やすエネルギーは大きくなってるかもしれませんね。巨大なライブラリみたいなところにポンと立たされて、まずどこの部署からまわるのか。何課、何類、どこから行ったらいいのか。選び放題な訳だし、行き放題な訳だし、そこは大変かもしれない。--それこそ80年代は、レコード屋に行く。ラジオを聴く。ベストテン観る。洋楽好きなら小林克也さんの番組観る。選択肢がそれぐらいに限られていたじゃないですか。
小室哲哉:まずどこ行こうかの“まず”がすごく簡単だったと思います。今は帰れないというか、家に戻ってこれないということも多々ありますからね(笑)。「何を望んでいたんだっけ?」「どんな気持ちだったんだっけ?」って忘れちゃうぐらい、誘惑が多い。--迷子になりかねないし、そもそも「自分は何者なんだ?」ってなりかねない(笑)。
小室哲哉:YouTubeとかのぶら下がりみたいな感じで、スキップせずついついそっち行っちゃうと、本当はあの店であのメニューを食べようと思っていたんだけど、気付いたら別の店で呑んじゃってた(笑)みたいなことがネット上で日々行われているので。テレビも然りですけどね。--ゆえに『TK MUSIC FRESH! by AWA』のあらゆる世代に音楽の魅力を分かりやすく伝えていく構成は、一周まわって今重要になっているというか、ああいう番組があってくれないとリスナーも何をどう聴けばいいのか分からない。
小室哲哉:そうですね。そういうところは周りで番組を作ってくれているスタッフもわかってくれてるかもしれない。あんまり崩さないで、日本でのブームとかそういうことじゃなくて、品質がちゃんと高い音楽を提供してくれる人たちの音楽の考え方とか、次の楽しめる音楽の探し方とか、そういうところを大事にしてる。- 小室哲哉が語るアヴリル/ディオンヌ/フィフス・ハーモニー/Mia/浜崎あゆみ
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リリース情報
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Interviewer:平賀哲雄
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