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シベリアンスカンク 『DRAGON BOY』インタビュー
音楽の目覚めは、母が聴いていた宇多田ヒカル!? 今年高校を卒業したばかりの若き沖縄の新星ロックバンド シベリアンスカンク(通称シベスカ)。今回の初インタビューでは彼らの生い立ちや性格、理想の恋愛像なども聴きながら、大人ぶった同世代ロックバンドとは一線を画す、若さを全面に打ち出したポップチューンに拘る理由。そして2年以内に武道館に立つという、らしい目標についても訊いた。
リーダー独裁「本当、コイツのこと大っ嫌いでした!」
--シベスカは中学校で出会った4人で結成されたバンドですが、それ以前の話を最初に聞かせて下さい。音楽に目覚めたきっかけと、どんな音楽を聴いて育ったのか。まずチカラさんからお願いします。
チカラ(vo):最初は、宇多田ヒカルさんとかKREVAさんとか、お母さんが日本のR&Bやヒップホップを好きで、車の中で自分もよく聴いていたんです。小学校のときにORANGE RANGEさんを聴いてから、バンドっぽいサウンドも聴くようになるんですけど、本格的にロックを聴くようになったのはバンドを始めてからで。それからは何でも聴くようになり、アニソンとかも聴いてます。
ジュンタ(g):小学校のときに吹奏楽部へ入ったんですけど、当時はそんなに音楽を聴いてはいなくて。小6のときに叔父さんからアコギをもらって、幼馴染みだったマーサーを「卒業式、何か歌わないか?俺がギター弾くから」と誘ったのが、シベリアンスカンクの始まりです。その頃にはボン・ジョヴィとかMr.Childrenとか聴いていたんですけど、卒業式では小学生ながらにオリジナルを作ったんです。酷い出来でしたけど(笑)。
マーサー(b):自分は、お兄ちゃんがレゲエとかヒップホップが好きで、それを聴いているうちにだんだん音楽が好きになって。でもバンドをやりたい欲求はなかったんですよ。目立ちたかったので「将来、有名になりたいな」とは思っていたんですけど。そしたらジュンタに誘われて、流行りの曲しか知らないのに、2人で音楽をやるようになって。
ユウイチ(dr):でもこの4人で一番音楽を聴いてなかったのは自分だと思います。ずっと遊んでばっかりで。お姉ちゃんの影響で倖田來未とかEXILEとかmihimaru GTとかは聴いていたんですけど、バンドものは全然聴かなかったんです。高校になってジュンタがいろいろ聴かせてくれて、ようやく格好良いバンドの存在を知ったので。それからは「自分もバンドで頑張ってやろう」と思うようになりました。
--その頃はどんなバンドの曲を聴いていたんですか?
ユウイチ:ONE OK ROCKとかリンキン・パークはみんな聴いてました。個人的にはUVERworldに一番影響受けています。
--そんな4人がバンドを組む訳ですけど、具体的な経緯を教えてもらえますか?
ジュンタ:楽器隊は元々幼馴染みで、中学に上がったときにマーサーとチカラが同じクラスになったんですよ。
チカラ:で、マーサーにバンド誘われて「楽しそうだからやりたい」って言ったら、リーダーに会わせてやるという話になり、実際に会ってみたらジュンタがリーダーで。俺、コイツのこと嫌いだったんですよ(笑)。
ジュンタ:相当仲が悪かった。
チカラ:俺がからかう系男子だったもんで、バンド誘われる前の話なんですけど、ギター持ってるジュンタに「おまえ、何やってんだよ~?」って絡んだら、「ん? 別に……」みたいな感じでスカしてたから嫌いで。そしたらまさかのリーダーだったんで、「あ、この面接は落ちるな」と思ったんですけど(笑)マーサーが推してくれて。「じゃあ、仕方ないからパーカッションでもやる?」みたいな。
--やったの?
チカラ:パーカッションが何なのか知らなくて「パーカッションって名前カッコイイな! やるよ!」って言ったら、「カスタネットとか叩いて」と言われ……本当、コイツのこと大っ嫌いでした!
--(笑)
チカラ:でもだんだん仲が良くなって、俺たちの友情が成長すると共に、俺のポジションも良くなり、最終的にボーカルになったという。
--カスタネットから始まり。
チカラ:いや、カスタネットは一度も手にすることなくパーカッションの位置は終わって、次にベースというものを渡されて。それもそれで地味で楽しくないなと思って。まぁでもパーカッションよりはいいかと思って弾いてたんですけど、気付けばボーカルまでトントン拍子で。
--それまでマーサーさんがボーカルだったんですよね。正直、面白くないと思いませんでした?
マーサー:自分は歌が好きというか、目立つのが好きで。バンドはボーカルが一番輝くと思っていたんですけど、正直言って練習の時間も何していいか分からないし、ヒマだったんですよ。それで音楽室でゴロゴロしていたら、ベースがあったので暇つぶしに弾いてて。そしたらジュンタが「おまえ、ベースやれよ」って言ってきて。こっちからしたら「え!?」ですよね。一気にバンドが楽しくないものになりました……。ベース弾くことになってからも「ベース弾きながらボーカルもやれ」とか、コイツ(ジュンタ)要求しまくるんですよ!
チカラ:リーダーの独裁でしたから!
ジュンタ:指折れてるのに「弾け!」って言ったことあります(笑)。
チカラ:俺、ベースやってるときに指折れたんです。ハンドボール部で。それなのに「ベース弾け」って言うんですよ。「いやいや、弾けねぇよ!」っていう。そしたら「弦をこうして押したら音は鳴るんだよ。ハンマリングって言うんだけど、それでやれ」って。で、必死に弦押して。「俺、何やってんだろ。筋トレやってんのかな?」みたいな。
--リーダー的には、各メンバーに様々なパートを試させたかったんですか?
ジュンタ:いや、そんなに考えも計画もなくて。ボーカルが変わったのもマーサーの声変わりが理由だし、ベースもマーサーが練習していたらチカラより上手くなっていたんで。ただ単に出来る人が出来ることをやってもらった。よく言えば、それぞれ自分の役割に導かれていったのかな、みたいな。
チカラ:今の言い方だと、俺が何も出来なかった子みたいじゃん。たしかにギター任せられたときも逆から弦押さえて新奏法を生み出したりしましたけど(笑)昔の映像とか観てても俺がメンバーで歌一番上手いもん。メンバーの中ではね!
--ユウイチさんはドラムで安定していたんですか。
ユウイチ:最初はギターです。「バンドと言えばギターでしょ」と思って。
--みんな、最初は自分のことしか考えてなかったんだね(笑)。
ユウイチ:でも自分は音楽室にあったギターを思いっきり弾いたら、錆びてて弦がプチって切れて、指も切れちゃったんですよ。「あ、もうやらない。ギター怖い」って。で、余っていたドラムセットを見て「あれでいいよ」みたいな。
--投げやりな始め方だったんですね(笑)。そんな素人同然のバンドで活動していて「この4人なら」と確信できたのはいつ頃なんですか?
ジュンタ:高校に入るときですね。高校受験するときに、学校バラバラになるとバンド活動しづらくなるので、4人とも同じ高校を受けたんですよ。そこからは自ずと気合いが入って。
チカラ:昔から有名になれる気はしていたんですけどね。
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